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ICANN理事業務の一コマ ~ヨハネスブルグ会議の様子から~

投稿者 dom_gov_team on 2017年7月7日

インターネット推進部の前村です。私がICANN理事を拝命したのは、昨年2016年の11月。7ヶ月の間に、コペンハーゲン、ヨハネスブルグの二つの会議を経験したことになります。ICANN会議の様子に関しては、JPNICのメールマガジンNews & Viewsやこのブログページなどで紹介するとともに、ICANN報告会でも報告していますが、今回は、ICANN理事の目から見たICANN会議、と言いますか、ICANN理事のお仕事を、少しご紹介したいと思います。


第59回ICANN会議は、南アフリカ最大の都市、ヨハネスブルグのサントン地区にある、Sandton Convention Centreで開催されました。

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上記写真は、今回の宿舎であった、隣接するIntercontinental Johannesburg Sandon Towersホテルと会場を直接つなぐ「スカイウォーク」の床に配された会議バナーです。

ICANN会議の際、理事会は会議日程が始まる2、3日前に集合し、「ワークショップ」を行います。ワークショップでは、議決を行う理事会本会合以外にも、ICANNのポリシーや経営に関するさまざまなディスカッションを行います。

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上の写真は、ワークショップの模様です。理事会が総勢20名、これに幹部職員が加わることが多いので、50人程度を収容する大きな部屋を使います。普通のICANN会議のセッションと同様、2面のディスプレイを全員が見られるように設置され、AVスタッフが入ります。また、Adobe Connectで遠隔参加が可能になっています。今回は1名現地に来られなかった理事が遠隔参加していましたが、それ以外に、遠隔傍聴可能なセッションを設けることで、透明性向上にも一役買っています。今回公開したのは"Board Review of Final FY18 Budget"というセッションです。ICANNでは会計年度が7月に始まり、2017年7月から2018年度が始まります。理事会本会合で承認が予定されている2018年度の活動計画と予算に関して、あらかじめ十分な議論をしようというのがこのセッションの趣旨です。20名程度の方々に傍聴していただきました。

予算や活動計画など、法人としての経営管理に関するものが、理事会で検討されるものとして一般的だと思いますが、これ以外にも、ポリシー策定やコミュニティプロセスに関する領域、戦略に関する領域、ガバナンスと信託責任に関する領域、エンゲージメントと渉外に関する領域と、合計五つの検討領域が設定されていて、それぞれに担当の理事を置いてワークショップの計画が行われています。

議長のSteve Crockerは「これでワークショップは終わりです。皆さんお疲れ様でした。さぁ、コミュニティをエンゲージしましょう。ようこそヨハネスブルグへ!」と述べて、2日間のワークショップ日程を締めくくりました。かつてはICANN会議の日程内に理事会のセッションがあり、理事会の面々がコミュニティの近くにいない、という批判もあったようです。それに対応して、理事会ワークショップを明示的にICANN会議の日程外に設定しているわけですが、濃密な2日間が終わって、あらためてようこそと言われるのは、コミュニティとの対話を重要視している議長の姿勢の表れということです。

今回の会議は「ポリシーフォーラム」と呼ばれる、もっともコンパクトな形式の4日フォーマットで、パブリックフォーラムや公開理事会、セレモニーなどが廃された、ポリシー検討に特化したものです。支持組織(SO)や諮問委員会(AC)と理事会との合同会議も多く持たれますので、理事は基本的にこれらへの出席が求められています。また、各理事には選出母体と割り振られた担当があります。私の場合はASO(アドレス支持組織)選出で、理事会リスク委員会、IDNワーキンググループ、RDSワーキンググループに所属、そして説明責任に関するクロスコミュニティワーキンググループ(CCWG-Accountability)の、「スタッフの説明責任」グループの理事会リエゾンという立場があり、これらに関係するセッションには顔を出す必要があります。時にはセッションが重なる場合もありますが、調整しながらこなしています。

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ICANN理事会は最近RIRを含む他の関連団体との関係強化に力を入れていて、今回ヨハネスブルグでは、AFRINICとの合同理事会を開催しました。上の写真はその時の模様です。このときの主な話題は説明責任。ICANNとAFRINIC、いずれも立場は違えど、ステークホルダーに対して説明責任を果たさないといけないことは変わりません。席上では細かな機構や手続にまで議論が及びました。

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 「ICANN会議」ですから、会議のために集まっていますが、皆さんとお話をするのは会議室の中だけではありません。上の写真は月曜の晩に開催されたローカルホストレセプション。中央の男性が、今回のローカルホスト、.zadna のCEOであり、AFRINIC理事でもある、Lucky Masilela氏。アフリカインターネットの父と呼ばれるNii Quaynor氏(私の左)、AFRINICを含む多数の団体で活躍しているAlain Aina氏(一番左)も見えます。レセプションの場は皆さんとお話しする絶好のチャンス。アフリカのインターネット事情についてたくさん教えてもらいましたし、ICANNに関する質問に答えたり、意見を伺ったりしました。ミーティングの合間のコーヒーブレイクやランチタイムも含め、今回特に意識をして、できるだけ多方面の、たくさんの方々と、たっぷりお話しするようにしました。もちろん仕事の話ばかりではなく、プライベートや楽しいお話もしますが、こういうことで人のネットワークが拡がるとともに太くなり、よりよい仕事ができるようになると思いますし、人のネットワークこそがインターネットを支えているのだと思います。

今回はブログで理事のお仕事の一端を紹介しましたが、毎回のICANN報告会で理事会の様子を報告しています。次回ICANN報告会は8月8日の予定です。報告会についてのアナウンスは後日行いますので、皆さまにご参加いただければ幸いです。