JPNIC技術セミナーを開催しました! ~注目講座「BGPインターネットルーティング」のご紹介~
event_team JPNICのイベント インターネットの技術2017年2月6日(月)から10日(金)にかけて、今年度4回目の「JPNIC 技術セミナー」を開催しました。このセミナーでは、IPv6、DNS、ルーティング、ネットワークセキュリティといったインターネット基盤技術を、座学やハンズオンで学ぶことができます。2016年度最後の開催となる今回は、現在12のコースのうちから年度末の総仕上げに押さえておきたい八つの講座を取りそろえました。全国から多くの皆さんにご参加いただけました。
今回のブログでは、技術セミナーの中でも特に人気を博した「BGPインターネットルーティング」を中心に、セミナーの様子や内容について報告します。
■BGPによるインターネットルーティングの体験
BGP(Border Gateway Protocol)とは、インターネットの宛先情報を交換するための経路制御プロトコルで、インターネットの全体での宛先解決には必ずこの制御プロトコルが必要となります。また、BGPではAS (Autonomous System)単位で経路交換がされます。
このセミナーでは、前半にルーティングとは何か、インターネットへ参加するということとはどういうことを意味するのか、パケットが往復する仕組みについて解説され、後半では擬似環境を用いてトランジット接続とIX(Internet eXchange)接続を体験しました。
■インターネットルーティングのマインド
セミナーの最後に、運用者として経路交換をする際にもっとも肝となる「インターネットルーティングのマインド」についての説明がされました。つまり、グローバルなルーティングは、経路交換に参加しているみんなの互助精神で成り立っているということです。みんなで経路を集約して経路数の爆発的な増加を回避したり、ルータベンダの努力によりメモリ不足問題を解決したりと、運用者のたゆまぬ努力によって今までルーティングが安定運用されてきました。したがって、自分自身がこの経路交換に参加する以上、不意・不要な経路は出さないようなフィルタ設定や経路集約が大切であり、その方法ついて解説されました。
■むすびにかえて
BGPは自由度が高く、運用される現場でも高い信頼性を求められることが多い経路制御プロトコルです。そのため、BGPオペレータとして成長するために、いわゆる「壊して覚える」ということが非常に難しいのが現状です。本セミナーで、擬似的なインターネット環境でBGPを体験し、皆さまがBGPを習得するきっかけとなればと幸いです 🙂
今回は、BGPインターネットルーティングのハンズオンしかご紹介できませんでしたが、今年度は計4回技術セミナーを開催し、全国から多くの皆さまにご参加いただきました。来年度もより皆さんの役に立つ実践的な技術セミナーを目指し、ラインナップをさらに充実させるため新たな講座も企画中です。ご興味のある方は下記URLより最新情報をご確認ください。
JPNIC 技術セミナー https://www.nic.ad.jp/ja/tech/seminar/