IPアドレス管理指定事業者の実態に迫る!
ip_team IPアドレスJPNICでは、IPアドレス事業としてIPアドレスやAS番号の登録管理を行っていますが、今後のサービス提供・改善に役立てようと、既存の契約組織(IPアドレス管理指定事業者、PIアドレス・AS番号割り当て先組織)の分析を行っています。今回、2017年10月18日時点のIPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者)について、業種別にどのような傾向があるかを調査してみたのでご紹介します。
IP指定事業者とは、顧客に対してインターネット接続、その他通信サービスを提供している事業者で、定義された要件を満たし、JPNICと契約を結び、IPアドレスの管理などの業務をJPNICから直接委任されている組織のことです(参考:IPアドレス・AS番号が欲しい時は)。また、リストからIP指定事業者の一覧をご確認いただけます。今回の調査では、2017年10月18日時点の全IP指定事業者423組織を対象としました。
業種と契約組織数について
図1は、全IP指定事業者に対し、業種別の割合を算出したものです。
インターネット接続のサービスを提供しているISPとCATVで全IP指定事業者の約半数を占めており、ホスティング事業者、SIが続く形になっています。
図2は、業種別にIP指定事業者の契約組織数を年ごとに積算したグラフです。
まず、インターネットのサービスが拡大し始めた1995年頃から、IP指定事業者数も伸びていることがわかります。一方で、コンテンツプロバイダは、2008年以降にIP指定事業者となる組織が増えてきていることがわかります。また、日本を含むアジア太平洋地域では、2012年にIPv4アドレスが在庫枯渇しましたが、それ以降もIP指定事業者数は増加の傾向にあることがわかります。
その他に特徴的なこととしては、ISPやCATVの事業者は増加のピークがありますが、ホスティング事業者は比例グラフのような形になっていることです。バーチャルホストなどサーバの仮想化技術の発展により、少数のIPアドレスでも、多くの顧客を収容するサービスが可能になっていることから、新規参入する事業者が一定数いるということかもしれません。
IP指定事業者の地域分布について
図3は、本店を置く地域別にIP指定事業者数をまとめたものです。東京都に本店を置く事業業者が圧倒的に多いことは予想できたため、独立した項目としました。
中部地方の事業者数が、大阪を含む近畿地方より約30多いということが、意外な結果でした。中部地方のIP指定事業者は地域に根ざしたISPやCATV事業者が多ことを表しているのだと思います。
いかがでしたでしょうか。JPNICでは、全国各地でIPv6対応セミナーを開催したり、2017年6月には名古屋でInternet Weekショーケースを開催したりと、東京以外でのイベント開催にも力を入れています。今回紹介したようなデータも活用しながら、よりよいサービスが提供できるよう努めてまいります。
JPNICのWebページでは、IPアドレスに関する統計・各種リストを公開しています。こちらもぜひご覧ください。