テレワークで変わった?! 働き方の未来 ~IW2017 注目セッション紹介(2)~
event_team Internet Week JPNICのイベントInternet Weekのセッション紹介です。担当は本イベントの実行委員を務めている法林浩之(日本UNIXユーザ会)です。
今回ご紹介するのは、2017年11月28日(火)に行われる2.5時間プログラム「テレワークで変わった?! 働き方の未来」です。このプログラムを企画した、黒河内倫氏(日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG)/シスコシステムズ合同会社)に話をうかがいました。
法林: Internet Weekはインターネットの管理・運用に関する話題が主なので、テレワークや働き方といった話題を取り上げるのはたぶん初めてだと思います。若干、流行に乗って企画したようにも見受けられるのですが、どうしてこのテーマをやりたいと思ったんですか?
黒河内: はい。理由の一つには、確かに「働き方改革」と称して「日本も働き方に関してよりフレキシブルになっていこう」という動きが進んでいて、それを取り上げたいというのがあります。しかし、もう一つのきっかけとして、自分はもともと日本企業で働いていたんですが、2年前に外資系企業に転職しまして、そうしたら働き方や考え方が180度変わったんですね。そういった自分自身の体験を伝えたいというのが強い動機になっています。
法林: ほう。それは興味深いですね。日本企業と外資系企業では、例えばどんなところに違いがあるんですか?
黒河内: 日本企業は「決まった時間にオフィスに居ることが義務」という感覚がある企業が多いと感じました。それに対して外資系は、業態が違うというのもありますが、より成果にフォーカスするような働き方になっていると思います。あと、ワークライフバランスという言葉がありますが、外資系企業では、家族をケアするための制度や文化が整っているところが多く、そういうところにも日本企業とのギャップを感じました。勤務時間もフレキシブルに変えられますし、女性も働きやすいです。育児休暇から復職までの期間も短く、3~4ヶ月ぐらいですぐ戻りたいという人が多いです。
法林: なるほど。結構いろいろ違いますね。では、そういった経験を踏まえて今回のセッションを企画するにあたり、どのような考えで、どんな方に講演を依頼されましたか?
黒河内: まず三井情報株式会社の仲西さん。彼女によると、ここ2~3年で会社の制度がぐっと進んだらしいんです。で、そういう時期に子供を産んで育児をすることになり、それらの制度にかなり助けられているそうです。というわけで、仲西さんには制度を受ける社員としての話、そしてテレワークに関する問題提起などを話していただく予定です。
法林: 仲西さんはこのプログラムの担当委員でもありますね。
黒河内: その次の株式会社NTTドコモさんは制度を作ったり管理する側の話で、特に今回はその仕組みそのものを作られた人事部の本さんにお話しいただきます。本さんと打ち合わせをしたときに印象的だったのは「これからは働く人の数が、単純な頭数として見ても減っていく」ということです。ですから、子供を産んだ人も年配の方を介護しなければいけない人もやめてほしくない、働き続けてほしいというモチベーションがあるそうです。先を見て進んでいるなと、この制度を進めていかなければならないなということをあらためて感じた瞬間です。
法林: 法林:そして3番目はヤフー株式会社の高澤さんですね。
黒河内: はい。ヤフーさんは技術部門における話で、管理職の方に、配下のメンバーがテレワークを使ったときにどう困る か、逆にどうよかったか、会社としてはどのように取り組んでいるかという話をしてもらいます。
法林: なるほど。つまり、当事者の視点、人事部の視点、管理職の視点という三つの観点でテレワークを考える内容になっているんですね。ところで、今回のIWのテーマは「向き合おう、“グローバル”インターネット」ですが、それとの関連については何か意識されましたか?
黒河内: 自身の体験から言うと、グローバルだけじゃなくて身近にもいろいろ壁があると思いますし、「定時まで座って仕 事」はフレキシビリティがないなと思ったりはします。しかし、発表者とミーティングして感じたのは、こういうことは制度やシステムを作って終わりではなく、習慣とかカルチャーとかを変えていかないと本当の意味で根づかないので、そういった要素を聞いてもらいたいですね。それから、インターネット的という意味では、トップダウンだけでなくボトムアップでも制度改革を進めている会社の事例は役立つと思います。
法林: わかりました。では最後に、このセッションはどんな人に聞いてほしいですか?
黒河内: 内容的にシステムの話ではないのでエンジニアには関係ないと思われるかもしれませんが、エンジニアである前にまず「働く人」だと思いますので、そういう意味でぜひ皆さんに聞いてほしいです。もちろんテレワークに関心のある方や会社でそれを推進したいと思っている方にはおすすめです。
法林: 法林:ありがとうございました。セッションはテレワークでは聞けないので、ぜひ会場にお越しください(笑)。
S5 テレワークで変わった?! 働き方の未来
日時 | 2017年11月28日(火) 16:15 ~ 18:45 | ||||||||||||
場所 | 3F Room0 | ||||||||||||
参加料金 | 事前 5,500円、当日 8,000円 | ||||||||||||
URL | https://www.nic.ad.jp/iw2017/program/s05/ | ||||||||||||
概要 | 「ワークライフバランス」や「働き方改革」の取り組みの一環としてテレワークの普及・促進の期待が高まりつつあります。テレワークとは『ICTを活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方』と定義されています。従来のオフィス中心の働き方から柔軟な働き方の選択肢の一つとして、社員の業務生産性を向上をめざし、企業の継続的成長を目的としてます。
しかしながら、テレワークの運用にはさまざまな課題があります。従来、オフィス中心で行っていた業務をオフィス外で行う事によるセキュリティの懸念。テレワークによる社員同士のコミュニケーションの減少や情報共有の難しさ。そして管理者による業務管理や評価方法の変化。そもそもエンジニアが行っているさまざまな業務をテレワークで従来通り行い、従来以上の収益につなげられるのか、その可視化はどうするのか等。課題は多く導入そのものを躊躇する企業や部門があります。 本セッションではテレワークを実際に採用している企業から、その実態と事前に懸念されたさまざまなポイントの対策について解説し、今後課題になるであろう事項について議論します。 |
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