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2017年度IPv6対応状況に関するアンケート調査結果報告

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JPNICでは2014年から毎年IPv6の対応状況について、JPNIC会員をはじめ、IPアドレス管理指定事業者とPIアドレス割り当て先組織等に対してアンケート調査を実施しています。

IPv6対応状況に関するアンケート
https://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv6/#enq

2017年度も2月23日から約1ヶ月間の期間で調査を実施し、181の回答をいただきました。
前回2016年度分としての調査が2017年度に入ってから(5月)の実施となったためか、前回よりも若干回答者数が少なくなっています。

この2017年度分の集計結果について、過去データ等との比較や分析とともに報告します。

1. 回答者プロフィール

まずは回答者がIPアドレス管理指定事業者か、それ以外のPIアドレス割り当て先組織などかを聞いています。

元々の絶対数として、IP指定事業者以外の方が多いため(倍以上の差)、必然的に回答者の比率もIP指定事業者以外の方が高くなっていますが、比率としては徐々に減少する傾向にあります。

地域別では、東京の組織の割合が昨年度より減少し、その分他の地域の割合が上昇し、偏りが若干是正されています。

IP指定事業者が提供しているサービス種別で分類すると、契約組織数としても数の多いCATV事業者がもっとも多くの割合を占め、全体の半数以上となっています。次いで一般ISP、ホスティング、データセンターがほぼ横並びの割合となっています。

これは、アンケートの設問が複数回答可能であり、ISP事業とホスティングやデータセンターサービスを同時に行っているケースが多いことが影響しているものと考えます。

IP指定事業者以外の組織は、やはりPIアドレス割り当て先組織として多数を占める学校、研究機関が多く、これも年度を経るごとに割合が増えています。

2. IPv6対応/利用状況

IP指定事業者におけるIPv6対応状況を年度毎の推移と、サービス種別で比較したものです。

前回調査時からあまり時間が空いてないことも影響してか、それほど大きな変化や進展はありませんでしたが、「対応予定なし」と回答する割合が年を追うごとに顕著に減ってきており、IPv6対応の必要性についての理解が進んできていると推測できます。

サービス種別で見ると、サンプル数の多いCATV事業者の対応があまり進んでいない状況が見て取れます。JPNICとしても、このCATV事業者への対応の働きかけを検討していく必要があると思います。

IP指定事業者以外の組織におけるIPv6利用状況についても「利用予定なし」という回答が若干減少した以外、大きな状況の変化はありませんでした。

昨年度からIPv6に対応しているIP指定事業者が、割り振りを受けたIPv6アドレスに対してどの程度逆引きレコードを登録しているか、というのも聞いています。

3. IPv4アドレス移転経験

今回の調査では、はじめてIPv4アドレス移転の経験についても聞いてみました。
国内外問わず移転をしたことがある、あるいは移転を受けたことがある、という組織は回答者の20%を占める結果となりました。

IPv4アドレスの移転を受けたことがある組織と、移転は行っていないが譲ってくれる相手先を探したことがあると回答した29のIP指定事業者について、IPv6の対応状況に関する回答を確認してみたところ、以下のような結果となりました。

IPv4サービス継続のために、IPv4アドレスの移転を受けたり、受けるための準備を進める一方で、IPv6への対応についても実施あるいは計画や予定がある組織が多いようです。

 4. その他

毎年、利用している情報媒体、セミナー受講意向、希望する情報についても聞いています。

情報媒体については、メールマガジンとブログが若干増加しています。

セミナー受講に関しては、「受講するつもりはない」という回答が減少傾向にあるため、徐々に興味や関心を持つ人が増えてきているということかもしれません。

希望する情報提供の種類については、大きな傾向の変化はありませんでした。

最後に、今後将来的にIPv4の運用をやめIPv6オンリーへ完全移行するとした場合の状況等について聞いてみました。

やはり、IPv4の運用をやめる判断については慎重な姿勢を示す回答者が多数でしたが、ある程度見切りを付けてIPv6移行を進めたいと考える回答者の方もそこそこいることが分かります。

5. まとめ

今回の調査は、前回2017年5月の調査から1年経過していないタイミングで実施したこともあり、データ的に大きな変化はありませんでした。
今回は初めてIPv4アドレス移転と絡めたIPv6の状況についても調査してみましたが、IPv4アドレス移転を行なっている組織でも、IPv6対応も進めているということが見てとれました。
IPv4アドレス移転が必要なほど、ユーザー数の伸びやサービスの拡張がある組織は、必然的にIPv6への対応も行なわざる得ない状況にあるのではないかと推測できます。

今後も継続して調査しながら動向を把握できればと考えておりますので、ぜひ引き続きご協力をお願いいたします。

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