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News & Views コラム:技術の進歩とクラッカーと

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33MHz、4MB、320MB。最初に触ったパソコンのスペックである。時は1994年、Apple社のMacintosh LC575というパソコンが家にきた。当時パソコンというもの自体が家にあるのが珍しく、幼かった自分自身もこれが何をするものなのか、何ができるものなのか全く理解はできなかった。そしてその翌年、Windows 95の登場によりパソコンは一気に身近なものとなった。しかし、例えば最近発売されたApple社のiPhone XR。同様にスペックを並べてみると、2.5GHz、3GB、256GB。文字通り桁違いの性能となっている。その間24年。ムーアの法則によれば65,536倍にも半導体集積率が上がっていることとなる。その進歩が、当時のスーパーコンピュータ以上のものを手のひらに収めることを可能にした。

十年一昔とはよく言ったもので、特にITの世界は日進月歩の著しい進化を遂げている。例えば通信速度。10年前はFTTHが普及し、100Mbpsのインターネットが普通に使える時代であった。更に、FTTH普及以前の10年間は、ADSLの下り1.5Mbps商業サービスが開始されてから、新規申し込みの受け付けが終了までしている時代であり、今となってはADSLサービス自体の終了もそう遠くない未来である。そして2018年現在、家庭用10Gbps回線サービスも開始されている。10年前の100倍の帯域が家庭で使えるのである。

帯域が増え、スマートフォン等でいつでもどこでもインターネットを介した通信ができるようになると、併せて生活におけるインターネットの重要性も変わってきた。重要な情報を狙うクラッカーの存在も大きくなってきている。

2018年10月29日~11月2日に、CODE BLUE (https://codeblue.jp/2018/)という情報セキュリティ国際会議が新宿で行われた。会場でWi-Fiを提供していたが、そこでグローバルIPを配布するという試みが行われた。そして同一ネットワーク上にハニーポットもあり、そこに対する攻撃がどのような状況であったか披露された。

20年前、ダイアルアップでISPへつないでいた当時は、グローバルIPがパソコンに直接付与されていた。ファイアウォールもなくインターネットへつながっていたのを考えると、今となっては恐ろしいつなぎ方をしていたものだと思う。

IPv6の普及に伴い、グローバルIPが家庭の各端末に付与されることが増えてきた。家庭用ブロードバンドルータや各OS等の対応により昔のような無防備な接続はまずないだろうが、インターネットとのつながり方を今一度見直すいい機会なのかもしれない。


 

■著者略歴

板谷 郷司(いたたに さとし)

株式会社AbemaTVおよび株式会社サイバーエージェント所属、CONBU (COnference Network BUilders)コアメンバー、Internet Week 2018プログラム委員。高校在学中にITコンサルタント事業を始め、以降様々なBtoCサービスに関わる。日本Zabbixユーザー会会員、日本PHPユーザ会会員。

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