インターネット歴史年表を読み解いてみませんか?
pr_team JPNICからのお知らせはじめに
JPNICが公開している「インターネット歴史年表」は、2013年6月にベータ版、同年9月に正式版を公開して以来、多くの方にご利用いただいています。
この年表は、インターネットに直接関係するものから、その周辺に至るものまで幅広い出来事について取り上げるだけではなく、それらの出来事を客観的な視点から説明するとともに、記述に関する客観的な根拠として、可能な限り一次情報に近い文献や参照資料のURLなどを併せて表示することで、この年表を閲覧する方自身がその出来事の詳細を確認したり、またそこからさらに関連した情報を辿ることができるようになっています。また、年表ですから古い出来事から順に読んでいくとは限らず、興味のある出来事だけをピックアップして読んでいくという利用の仕方もあるかと思います。その場合でも、ある項目を単独で読んでも状況が理解できるように、その前後に背景情報がある場合もおそれも併せて説明しています。
このように、年表ではありますが、ある程度読み物的な性格も持ち合わせていますので、古い出来事から順でもいいですし、興味のあるジャンルやサービスに関するものを選んでもかまいませんので、一通り眺めていただければ、当時を知る出来事は懐かしく、知らない出来事についてもより深く理解していただく助けになると思います。その際、この後に説明する出来事をカテゴリーごとに絞り込む機能が、より効率よく読みたい出来事を探す手助けとなるはずです。
さて、この年表に今回、2018~2020年の項目を新規に追加しましたのでお知らせします。それぞれの年の主な出来事をご紹介しますと、2018年は「日本政府によるISPに対する漫画村など海賊版サイトへのブロッキング要請」や「EUのGDPR施行」よる各種インターネットサービスへの影響など、2019年は「日本では19年ぶり2度目となるICANN神戸会議の開催」や「ISOCによる.orgの売却騒動」など、2020年は「COVID-19のパンデミック発生」を受けたさまざまな活動のオンライン化の急激な進展や、「国内での5Gサービスの開始」などとなっています。
それぞれの出来事の詳細について、またその他の出来事についてはぜひ年表でご確認いただきたいのですが、その前に、年表を読み解いていただく上で知っておくととても便利な、「インターネット歴史年表」で利用できる便利な機能をいくつかご紹介したいと思います。
説明文の折りたたみ機能
まずは簡単なところから。年表の各項目の下に「▽」印がありますが、ここをクリックするとその出来事についての説明文が開きます。普段は説明文が折りたたまれていることで、同じスペースでより多くの項目を並べられるようになっています。
開いた状態では右の画像のようになります。それぞれの出来事の説明文と同時に、その出来事を掲載している根拠となるURLが表示されます。このURLについては、当事者によるアナウンスなど、極力一次情報源となる情報へのリンクとなるように配慮しています。
また、関連した写真などがあれば表示されますが、この写真の収集にあたっては歴史年表の制作メンバーも苦労しています。もし、「この出来事に関連した写真を持っているよ!」という方で、利用してもよいという方がいれば、ぜひ窓口までお知らせください。
開いた説明文を閉じたい場合は、もう一度「▽」をクリックすれば閉じることができます。
また、いちいち一つずつ説明文を開いていくのは面倒だという場合もありますよね? そういう場合に備えて、それぞれの年の見出し部分には、「この年の出来事をすべて開く」というリンクがあります。
これをクリックすれば、その年の出来事に関する説明文を一気に開くことができます。
説明文をすべて開くとこのような感じになります。説明を読み終えたり、間違えて開いてしまったりした場合 😥 は、先ほどと同じ位置に今度は「この年の出来事をすべて閉じる」というリンクが表示されていますので、これをクリックすると説明文が閉じた状態に戻ります。
カテゴリーを選んで表示
JPNICで作成・公開している歴史年表の特徴は、年表に掲載されている大量の項目の中から、特定のカテゴリーだけを選んで表示する絞り込み機能があることです。年表に掲載されている項目はとても多く、全部読むと数日かかるかもしれないぐらいの量ですが、自分が興味があるカテゴリーだけを選んで表示することで、目的の情報に素早く辿り着けるようになります。
年表の項目についてのカテゴリー分類は、次の九つとなっています。
JPNIC | JPNIC自身に関する出来事などをまとめています |
IPアドレス |
JPNICが提供しているサービスに限らず、国内外のIPアドレスに関連した出来事をまとめています |
ドメイン名 | gTLD、ccTLD、JPドメイン名など、ドメイン名に関する出来事です |
イベント | 国内外で開催された、インターネット関連の比較的大きなイベントなどです |
ネットワーク | ネットワーク関連の出来事をまとめています |
デバイス・サービス | インターネット関連のものから、もう少しその周辺に広がるものまで、さまざまな製品やサービスなどが販売されたりサービスを開始したりした出来事をまとめています |
法制度 | 国内外で、インターネットに関連した法律・規則などの施行について、比較的広めに取り扱っています |
セキュリティ | セキュリティ関連のインシデントや活動などをまとめています |
ノンカテゴリ | 上記いずれにも分類できない、インターネット関連の出来事です |
「このカテゴリーについては表示しなくていい」という場合は、カテゴリーをクリックするとそのカテゴリーがグレーアウトして、表示されなくなります。
逆に、例えば「ドメイン名」関連の出来事だけを表示したい場合は、そのカテゴリーだけを残すように他の項目をグレーアウトさせていけば、ドメイン名関連の出来事だけが表示されるようになります。
カテゴリーは一つだけではなく、関連したカテゴリーを複数選びたいこともあると思います。もちろん、複数選択することもできて、例えば、「法制度」と「セキュリティ」を選ぶとこんな感じになります。
個別の出来事を引用しやすく
最後は、年表に掲載されているそれぞれの出来事を、引用したり他の人に紹介したりしたい時に便利な、アンカー一覧のページのご紹介です。歴史年表に掲載しているすべての出来事については、個別にアンカーが設定してあり、一意にURLを指定してアクセスできるようになっています。
トップページの最上部、タイトル部分とカテゴリ選択部分の間に、「アンカー一覧」というリンクがあります。ここをクリックすると、各出来事に設定されたアンカー(URL)の一覧が表示されます。
引用したり誰かに紹介したりする時にこのURLを指定すれば、このURLにアクセスした時には個別の項目にダイレクトに飛ぶことができます。
もちろん、年表を作成している側からすれば、すべての出来事を読み込んでもらいたい気持ちはあるのですが、実際にはそうも言っていられないですよね 🙂 クイックにある出来事を共有したい場合は、このアンカー一覧を活用していただければと思います。
ということで、既にご存じの方にとっては今さらの内容だったかもしれませんが、歴史年表をよりご活用いただくための、ちょっと便利な機能をご紹介しました。歴史年表は日本語版と同時に英語版も公開していますので、併せてご利用ください。
情報提供・資料提供のお願い
この歴史年表の公開にあたっては、多くの方々から情報や資料の提供をいただき、そのおかげで大変充実した年表とすることができました。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
とはいえ、公開以降のアップデートについても、JPNICのメンバーだけの力では足りているとは言えず、「この情報が載ってない」「この日付 or 説明が間違っている」「参考URLはこれの方がいいよ」等々、よりよい年表にするための余地はまだまだあると思います。JPNICでは常時、歴史年表に載せる項目に関する情報や参考資料などの情報を募集していますので、情報や資料をお持ちの方はお気軽にお寄せいただければ幸いです。情報提供に関して詳しく知りたい場合は、こちらのページをご覧ください。
メールで情報を提供していただける場合
history-comment@nic.ad.jp インターネット推進部 歴史編纂担当 宛
資料などを郵送でお送りいただける場合
〒101-0047 東京都千代田区内神田2-12-6 内神田OSビル4F
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC) インターネット推進部 歴史編纂担当 宛
なお、ご提供をお願いしている立場なのに勝手を言って申し訳ないのですが、この歴史年表では「自分が体験した」「知識として知っている」「当事者から聞いた」などを根拠に出来事を掲載するのではなく、年表を見た人が誰でもその根拠を確認できる情報を併せて掲載するように心がけています。そのため、情報をご提供いただける場合も、できる限りで結構ですので、文献や参照資料のURLなど 客観的な根拠も併せてお寄せいただけると大変助かります。
いろいろ書きましたが、みなさまからの情報を心よりお待ちしていますので、ぜひぜひよろしくお願いいたします。