News & Views コラム:インターネットと誕生日
pr_team コラムメールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。2023年3月は、インターネットガバナンス関連の活動でも大変アクティブでいらっしゃる日本電気株式会社の金海好彦さんに、大切な3月に思うインターネットとの関わり方についてお書きいただきました。
私にとって、3月は大切な人たちの誕生日月です。
ウクライナ侵攻で日本に避難しているお母さんと子供が、スマホを使い、ウクライナに残っているお父さんの誕生日を祝うため、インターネット経由でテレビ電話をつなぎ、ハッピーバースデーを歌っていました。こういうシーンを見聞きするたびに、インターネットが世の中の役に立っていることを実感できます。”インターネットに関係してる者”としては、ちょっぴり嬉しいです。ちなみに、検索によると、最近ではテレビ電話ではなくビデオ通話と表現するようです。
NECに入社して初めて担当した仕事が、テレビ電話会議端末のハードウエア設計でした。その業務を通じて、ISDNやATMの存在を知り、通信の世界、特にインターネットの世界に入り、現在に至っています。それから数十年経ち、ビデオ通話が当たり前になり、今ではとても便利になってきました。インターネットも、この便利さの提供に役立ってきましたし、これから先もインターネットが便利な世の中作りに貢献すると信じています。
一方、インターネットのおかげで便利な世界になればなるほど、よりインターネットへの依存度が高くなり、人間社会への影響力も大きくなるでしょうし、負の側面も発生するでしょう。インターネットを経由して、個人の情報が意図せず流通してしまう可能性もあります。一旦、デジタルの世界に情報が流入し、インターネット経由で散らばってしまうと、完全な削除が非常に難しい状況になるとも考えられています。
なんだか小難しいことを書いていると訳が分からなくなるので、この辺で止めておきます。まずは身近なところに目を向けてみると、よく聞くのが、コミュニケーションツールの多さです。メールだけでなく、Slack、TeamsやFacebook等、いろいろあります。どこにどのようなメッセージが来たか、私の記憶では追いつきません。追いつくために、常にパソコンかスマホに釘付けになってしまいます。
しかし、私は外出するときだけでも、可能な限りスマホを見ないようにしています。某ファミリーレストランの間違い探しのように、街の風景の変化を探したり、人を観察したりしています。某女性アイドルも同じように、スマホを見ないで世の中を観察しているそうです。ネットニュースで取り上げられていました。そんなに急がなくても、インターネットのおかげで世界は狭くなりました。あえて不便な方に倒してもいいかもしれませんし、時間が掛かる方に倒してもいいかもしれません。
支離滅裂な文章の締めくくりは、IGFのレポートの分析で出会ったフレーズです。「視点はグローバルに、行動はローカルに」これからも、身近な周囲の方に喜んでもらえる”インターネットに関係してる者”でありたいと思います。去年の3月から禁煙を始めて、今月でちょうど1年。ある意味、誕生日の月です。来年の3月をめざして、禁煙を続けられるよう頑張っていきます。
■筆者略歴
金海 好彦 (かなうみ よしひこ)
NECに入社後、インターネットの”イ”の字も分からないまま、Interop Tokyo ShowNetの設計構築運用、JGNでIPv6 multicast環境作りに参加してきました。その後、WIDE Projectやサイバー関西プロジェクト(CKP)にも入れていただき、SDNテストベッド作りに参加し、ONIC Japan (旧SDN Japan)を立ち上げました。現在は自社の研究戦略やコンテナ技術戦略の作成を担当しています。