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NetOXの日本語化に取り組んでいます~ ネットワークオペレータに役立つツールボックス~

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ネットワークオペレータの皆さんは、日々のオペレーションでどんなサービスやツールを使って経路情報やWHOIS/IRRの登録情報を確認、分析されていますか?

JPNICでは、APNICとコラボしながらNetOXというネットワーク分析ツールの日本語化に取り組んでおり、2023年3月末にNetOXが英語・中国語に加えて日本語でも利用できるようになりました。本稿ではそんなNetOXの紹介や使い方について解説したいと思います。

2023年3月末から日本語でも利用可能になりました!

NetOXとは?

NetOXは「Network Operators’ toolboX」の略で、APNICが提供しているネットワーク分析ツールです。オペレータがネットワークを効率的に調査し、ルーティングに関する問題を特定したり、解決するための情報を提供したりすることを目的に、APNICがRIPE NCCと協力して開発しているWebサービスです。RIPE StatPeering DBなどと連携しているので、それぞれの情報をNetOXでまとめて確認することも可能だったり、日本からはRIPE地域よりも比較的に距離の近いAPNICのWebの方が閲覧しやすかったりといったメリットもあげられます。

NetOXの使い方~経路情報を見てみよう~

NetOXの使い方の一例を紹介したいと思います。まずは、NetOXにアクセスして、調査したいAS番号やプレフィックスを検索してみましょう。NetOXでは以下のカテゴリーごとに各種情報を確認することができます。

  • 概要
    • AS番号やプレフィックスに関する概要を把握できます。
  • ルーティング
    • BGPルーティングに関連する情報を確認できます。
  • クオリティチェック
    • ルーティング、ジオロケーション、ブラックリストなどの状況を確認できます。
  • アンチAbuse
    • ブラックリストに登録されたIPアドレスやAbuse対応窓口の情報を確認できます。
  • データベース
    • レジストリ情報(WHOIS・IRR情報)を確認できます。
  • ジオグラフィック
    • ジオロケーション情報を確認できます。
  • 比較
    • 複数のAS番号やプレフィックスを選択して、各種情報を比較しながら確認できます。

例えば、JPNICのAS番号「AS2515」を検索すると、「ルーティング」のタブからはAS2515が広報している経路の情報や、各プレフィックスのルーティングヒストリーなど確認することができます。

また、各プレフィックスのIRR登録状況や、ROAの発行状況・ROVの状態などもまとめて確認することが可能です。

次に、JPNICが広報しているプレフィックスの中から「192.41.192.0/24」を検索して「ルーティング」のタブを見てみましょう。AS番号で検索した時とは一部異なる情報が表示されています。プレフィックスが広報されているASや、ROVが有効かどうか、登録されているIRRの情報を確認することができます。また、BGPlayというBGPの経路情報を可視化できるツールも利用可能です。BGPlayでは任意の時間を設定すれば、そのプレフィックスが広報されているASの様子を時系列に確認できます。例えば、第三者によって意図せずプレフィックスが広報されてしまった際などの確認にも利用できます。


また、複数のAS番号やプレフィックスで比較しながら、これらの情報を確認するといった使い方も可能です。

この他にも、WHOIS、IRRの登録状況やAbuse対応窓口、ジオロケーションなどといった情報もこのNetOXでまとめて確認することができます。

JPNICでは、今後もオペレータの皆さんにとってより便利で使いやすいツールとなることを目指して、APNICとコラボしながらNetOXの日本語化に取り組んでいきます。こんな日本語訳の方がわかりやすい、この情報が見られるともっと便利になる、といったご意見やご感想がありましたら気軽にお知らせください。

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