ARIN 53でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご紹介
ip_team IPアドレス 他組織のイベント2024年4月14日(日)から17日(水)の4日間、バルバドス・ブリッジタウンにおいて、ARIN 53ミーティングが開催されます。ARIN (American Registry for Internet Numbers)は、北米とカリブ海周辺の一部地域を受け持つ地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)の一つです。カリブ海地域で開催される今回は、17日から開催されるCaribNOGと連続しての開催となります。
ARIN 53Webサイト
APNIC (Asia Pacific Network Information Centre)地域と同様に、ARIN地域においても、IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論は、メーリングリストのほか、オフラインミーティングの場でも行われます。
ARINにおけるポリシー策定プロセスの詳細については、ARIN 37に関するJPNIC Blog記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。
今回のARIN 53ミーティングで議論される予定の提案は、以下に抜粋した8件となっています。提案内容などの詳細は、タイトルに張られたリンクから確認することができますので、ぜひ一度ご覧ください。ポリシー提案に関する詳細な情報は、ARINのWebページにも掲載されています。
●Recommended Draft Policy(一次コンセンサス確認を行う段階のポリシー提案)>:4件
- ARIN-2023-1:Retire 4.2.1.4. Slow Start(「スロースタート」の記述削除)
- ARIN-2023-4:Modernization of Registration Requirements(データベース登録要件の最新化)
- ARIN-2023-5:Clean-up of NRPM Sections 4.3.4, 4.4, 4.10 and 6.10.1(ポリシーマニュアルの記述簡素化)
- ARIN-2023-7: Clarification of NRPM Sections 4.5 and 6.11 Multiple Discrete Networks(独立した複数のネットワークへのIPアドレス追加時の条件明確化)
●議論中の提案:4件
- ARIN-2022-12:Direct Assignment Language Update(「直接の割り当て」の用語見直し)
- ARIN-2023-6:ARIN Waitlist Qualification(待機者リストへの掲載資格の明確化)
- ARIN-2024-1: Definition of Organization ID/Org ID(組織識別子の定義)
- ARIN-2024-2: WHOIS Data Requirements Policy for Non-Personal Information(非個人情報に関するWHOISデータ要件ポリシー)
前回のARIN 52ミーティングで議論された提案の継続議論が多く、実際の運用にあわせてNRPM(Number Resource Policy Manual)を修正する提案がほとんどとなりました。
ARIN-2024-1: Definition of Organization ID/Org ID(組織識別子の定義)は新しく採番されていますが、もともとARIN-2023-7: Clarification of NRPM Sections 4.5 and 6.11 Multiple Discrete Networks(独立した複数のネットワークへのIPアドレス追加時の条件明確化)に含める形で提案されていたものを別提案として議論した方が良いとなり、分割されたものですので新しい内容はありません。
唯一完全新規の提案となったARIN-2024-2: WHOIS Data Requirements Policy for Non-Personal Information(非個人情報に関するWHOISデータ要件ポリシー)はデータプライバシー・個人情報保護についてレジストリとしてのポリシーを定めようという提案です。番号資源の管理者情報を公開するWHOISサービスを提供していく上で、どのようにこれらに対応していくのかは重要なことであると考えますので、注視してみたいと思います。
ミーティング期間中は中継が行われる予定ですので、ご興味を持たれた方はリモートで参加してみてはいかがでしょうか。メーリングリストには、オンライン上での議論の内容やARIN ACによる検討の結果がアーカイブされています。ARINのWebページには、ミーティング当日の発表資料、映像や発言録などが公開され、これらを活用すれば、議論を振り返ることが可能な環境が提供されています。
ARINなど他のRIRでの提案が、その後APNICでも提案されることもあり、JPNICでは各RIRの動向に注目しています。ブログなどを通して皆様にも情報共有していきますので、ぜひご覧ください。