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Internet Week 2025を支えるネットワークの舞台裏 ― NOCチームの取り組みと挑戦

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Internet Week 2025では、実際のネットワーク構築や運用に興味を持っており“こんなネットワーク、作ってみたい!”という若手に向けて、その機会を提供することを目的に、会場ネットワークを設計運用する「Internet Week 2025 Network Operations’ Center (IWNOC25)」を結成しています。

このIWNOC25は23名で、プログラム委員会と公募で集まったメンバーで構成されています。公募ではたくさんの方に応募いただき、倍率は数倍となりました。

公募の選考では「NOCで何をやりたいか」「どんな挑戦をしたいか」といった志望理由を重視したとのこと。経験の有無よりも意欲を大切にし、初心者からベテランまでが学び合える構成を意識してチーム編成が行われたそうです。

参考 2024年の様子:https://internet.watch.impress.co.jp/docs/interview/1641493.html

IWNOC25が実際に準備を行っている「ホットステージ」にて、各チームのリーダーにお話を伺いました。

コアチーム:大谷亘さん
L2/L3チーム:齋藤脩愉さん
サーバチーム:髙田美紀さん
APチーム:山田正樹さん
ケーブルチーム:塩沢啓さん

左から、塩沢さん、山田さん、髙田さん、齋藤さん、大谷さん。

IWNOC25メンバー:https://internetweek.jp/2025/archives/operation#noc

 

-まず、今回のInternet Week 2025で、どんなネットワークを提供しようと考えているかを教えてください。

 

大谷:Internet Week 2025のカンファレンスWeekの会期中、快適にインターネットをご利用いただけるようにすることを最優先に、安定第一のネットワークを提供しようとしています。昨年2024年は、初めてのNOCチームの運営でした。その際、IPv4 に関して全体的に品質が良かったという評価を多くいただいたので、今年はそれをベースラインとして、さらに上を目指すことを目標にしています。

 

-2024年の経験を生かして、さらにパワーアップしようとしている状況でしょうか?

 

大谷:昨年は初めての取り組みであったので、進行もうまくいかなかったり、当日にも変更が生じたりして慌ただしい部分がありました。今年はその反省を踏まえ、リーダー陣には昨年IWNOCの経験がある方を中心にお願いし、同じような状況にならないよう下準備を進めました。ネットワーク構成自体に大きな変更はありませんが、組織作りに注力しました。

 

-なるほど。組織作りですね。今回のチーム構成について、それぞれ教えてください。どんなチームがあり、どんな役割を担っていますか。またメンバーの特徴についても教えてください。

 

大谷:コアチームは、全体のまとめ役ですね。スケジュール管理などを担当しています。全体が円滑に回るよう、裏方として支える役割が強いです。

 

齋藤:L2/L3チームは、会場へのインターネットの接続性を担保する役割です。ASとの接続、バックボーン構築、会場内のスイッチやアクセスポイントへの分配といった一般的なネットワーク設計を担当しています。
メンバーは幅広く、学生から社会人・NOC経験者まで所属しています。AS運用を普段からしている学生にはバックボーン構築、初心者の方にはスイッチの設定などの基本作業、経験者の方は設計やコンフィグの設定など、レベルに合わせた業務を担当しています。また、RPKIの知見を持つメンバーもおり、会場での実験も予定しています。

 

山田:APチームは、無線LANの安定提供を目的としています。SSIDとして参加者の皆様に見えるものにもなりますので責任感を持って取り組んでいます。セキュリティに強い方、製品知識に詳しい方、学術系で無線研究をしている方、NOC経験者など、多様なメンバーで構成されています。

 

塩沢:ケーブルチームは、会場内での配線を担当しています。昨年に引き続き、ケーブルはすべて自作し、1本ずつ検査して使用可能か確認しています。他チームと連携して準備を進めています。人通りの多い場所に配線することもあるため、安全面にも配慮して設置します。メンバーは学生や入社間もない方も多く、慣れない中で一生懸命作業しています!

 

髙田:サーバチームは、Arista機器で多くの機能を補えるため、監視中心に構築しています。ネットワークが正しく運用できているか、アラートがちゃんと出せるかというのも確認しています。メンバーの中にはNOCに参加するのが初めてな方も多いため、どうやってWi-Fiが設計構築されていくのか、というところを体感していただきながら取り組んでいます。

 

ー今年は会場が昨年と変わっています。その中での苦労はありますか?

 

塩沢:そうですね。苦労というわけではないですが、会場が違うので、ケーブルチームとしては、ケーブルは今年の会場に合わせて作り直しです。

 

山田:APチームとしては、昨年とは会場の構造が大きく変わったので、会場での準備日でのチューニングが大事になってきます。現地での最適化を意識して対応していく予定です。

 

-今回のInternet Week 2025のテーマは「挑戦×経験×世代 フルスタックで“不確実”の先へ」です。いろいろな経験を組み合わせて不確実に挑戦していこう!というメッセージとなっています。このテーマに関連して各チームとして取り組みたいことはどんなことでしょう?。

 

齋藤:L2/L3チームは、RPKIの実証実験を予定しています。会場ではROVを行い、Invalidなprefixを拒否するなど、安全なネットワーク提供を目指します。また、ネットワークが安全でなくなった場合の変化を体験的に示せるような取り組みに挑戦しています。

 

山田:APチームは、Wi-Fi 6E/7の提供をできるように準備しています。新しい無線規格を会場環境に展開し、チーム間連携を重視して運用していきます。

 

齋藤:全体として、今回のNOCには幅広い世代・レベルの方に参加してもらっています。チームや領域を超えて学び合えるような環境づくりをしており、それ自体が挑戦だと思っています。

 

塩沢:本当にそうですね!今回のInternet Weekのテーマは、「まさにNOC活動そのものだ!」という気がしています。さまざまなバックグラウンドの人が集まり、それぞれが経験を持ち寄って挑戦しています。それを通じて今後の社会人生活や学生生活に活かしてもらえれば嬉しいです。

 

髙田:せっかく応募してくれたNOCメンバーの皆さんになにかしらを持って帰ってもらえるようにしたいですよね。チームの垣根を超えて、それぞれが挑戦できる場にしたいというか。

 

-それぞれが挑戦できる場、とてもいいですね!2025年ならではの新しい取り組みと、皆様へのメッセージをお願いします。

 

大谷:準備の進捗次第にはなりますが、いくつか用意している最中です。今は発表を控えますが……当日会場で体験していただけるように頑張っていますので、お楽しみになさってください!

 

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熱意を持ったIWNOC25が提供する会場ネットワークは、間もなく開幕するInternet Week 2025で体験できます。

 

  • オンラインWeek:11月18日(火)~20日(木)
  • カンファレンスWeek:11月25日(火)~27日(木)※会場:東京・両国 KFC Hall & Rooms (会場のみ/同時配信なし)
    • ※こちらで会場Wi-Fiが提供されます!

 

まだまだ参加登録は間に合います。IWNOC25の会場ネットワークはもちろん、約40のバラエティー豊かなプログラムをご用意しています。

学割で無料、他にも各種割引がございます!皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

参加登録方法>>> https://internetweek.jp/2025/application

プログラム >>> https://internetweek.jp/2025/program-timetable

X >>> https://x.com/InternetWeek_jp

 

IW 2025 Network Operations’ Centerメンバー
https://internetweek.jp/2025/archives/operation#noc

Core

統括: 大谷 亘 - 一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

副統括: 岡田 雅之 - 長崎県立大学

副統括: 齋藤 脩愉 - 長崎県立大学大学院

副統括: 塩沢 啓 - 一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

 

L2/L3

リーダ: 齋藤 脩愉 - 長崎県立大学大学院

花井 直樹 - 一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

吉川 知輝 - 京都大学大学院

牛込 龍太郎 - 国立研究開発法人情報通信研究機構

河上 京介 - 慶應義塾大学

横尾 和真 - 広島大学

生駒 雄太 - KDDI株式会社

伊藤 亜沙子 - 双日テックイノベーション株式会社


AP

リーダ: 山田 正樹 - 株式会社パソナ

住吉 晶 - 電気通信大学

浅見 友彦 - 株式会社セキュア


Cable

リーダ: 塩沢 啓 - 一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

中田 大翔 - 京都工芸繊維大学

池田 哲也 - 神奈川工科大学

鍛冶 典彦 - 株式会社日本レジストリサービス


Server

リーダ: 高田 美紀 - NTTドコモビジネス株式会社

左古 夏月 - 株式会社FIXER

瀬尾 嵩弘 - 東京エレクトロンデバイス株式会社

永井 光祐 - 中京大学

近藤 良祐 - 名城大学

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