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News & Views コラム:『きっかけ』を繋げて

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メールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。2025年7月2日(水)・3日(木)に開催した「Internet Week ショーケースin 奈良」のNOCチームとして、会場ネットワークの構築や登壇を行ってくださった、近畿大学大学院の丸岡哲也さんのコラムをお届けします。「きっかけ」をしっかりとつかみ、今でも十分に鮮やかな活動に繋げていらっしゃいますが、これからの活躍も大いに期待されます。


人生は、さまざまな「きっかけ」で方向付けられているように思います。振り返ってみると、今の自分を形作っているのは、いくつかの重要な出会いや経験でした。

私がネットワーク技術に興味を持った「きっかけ」は、大学3年生の時に受講した「ネットワーク演習」という授業です。この授業は、CCNA (Cisco Certified Network Associate)レベルのCisco Networking Academyに基づいて、実際にルーターやスイッチを触りながらネットワークを構築するというものでした。 それまでインターネットは「よく分からないけど、当たり前にあるもの」でしたが、初めて機器を手に取り、ケーブルを接続し、コマンドを打ち込んでネットワークを作った時の感動は今でも覚えています。「こんな機器が世の中に山ほどあって、それらが複雑に繋がってインターネットを構成している」ということがとてつもなく面白く、まるで巨大なパズルの一片を手にしたような感覚でした。

これに刺激を受けた私は、ネットワークを専門とする研究室への配属を決め、2024年に奈良で開催されたJANOG54には、会場ネットワーク構築(NOC)チームのケーブルチームとして参加しました。活動ではさまざまな背景を持つ人たちが、協力しながら一つのネットワークを作り上げていく様子を目の当たりにしました。 ケーブルチームの仕事はすべての通信の基盤となる重要な役割で、非常にやりがいがありました。しかし正直なところ、ネットワーク機器の設定に触れられなかったことに、少し物足りなさも感じていました。「次こそは、もっと深くネットワーク構築に関わりたい」という思いが心の中で膨らんでいきました。

JANOG54の会期中、次の「きっかけ」が訪れました。関西地域のNOGであるNaniwaNOGの実行委員の方から「もしやる気があるなら、NaniwaNOGでNOCをやってみないか?」というお誘いをいただいたのです。 当時、NaniwaNOGはまだ1回しか開催されておらず、初回はNOCがありませんでした。つまり、NaniwaNOG2でのNOCは大人も学生も手探りの挑戦となるのは明白でした。しかし、私の中にあった「次こそは!」という思いと、「もっとこういう活動を続けたい」という気持ちが重なり、即答で引き受けました。これが、私のコミュニティ活動が一発屋で終わらず、継続的なものになった大きな「きっかけ」でした。

現在、私はTeam Shirankedoという、関西で活動しているNOCチームの学生リーダーを務めています。こうした活動を続けている理由は、私自身が多くの方々から「きっかけ」をいただいた身として、今度は誰かにそのきっかけを作りたいと思ったからです。私が作りたい「きっかけ」は、必ずしも大きなものである必要はないと考えています。ネットワーク技術に興味を持つきっかけ、ネットワーク業界への就職を考えるきっかけ、ネットワークが専門の研究室を志望するきっかけ。どんな小さなきっかけでも、誰かの人生を変える可能性があると思います。

先日開催されたInternet Week ショーケース in 奈良では、Team Shirankedoとして会場ネットワークを構築しました。結果として非常に安定したネットワークを提供でき、参加者からもご好評をいただきました。しかし、それ以上に嬉しかったのは、チーム全員が楽しみながら取り組めたことです。この経験が、チームメンバーの誰かにとって、次の一歩を踏み出す「きっかけ」になっていれば、これ以上の喜びはありません。私が受け取ったきっかけを、次の世代へ、そしてその先へ。この繋がりが続くことで、ネットワーク技術とそれを支える人々のコミュニティは、より発展していくと信じています。


■筆者略歴

丸岡 哲也 (まるおか てつや)

2003年 京都府生まれ。2025年 近畿大学大学院総合理工学研究科へ入学し、ネットワーク研究室に所属。JANOGやNaniwaNOGなどのイベント会場ネットワーク構築活動への参加や、NaniwaNOG3の実行委員を務める。趣味はクラフトビール……ということになっているが、実はお酒全般が大好き。

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