News & Views コラム:一歩外のインターネットコミュニティ
pr_team コラム過去にメールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。今回は2025年10月のメールマガジンでお届けしたコラムを掲載します。Internet Week 2025 プログラム委員やNOCメンバーとしても活動いただき、コミュニティ活動に精力的に関わっておられる、京都大学大学院の吉川知輝さんに書いていただきました。国内外のカンファレンスやNOGに実際に参加されて感じたこと、そしてインターネットをより良いものへしていきたいという決意をお書きいただきました。
皆様は、日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG)のように、インターネット技術者が集い、議論を交わす場が世界中にあることをご存知でしょうか。
インターネットが世界を繋いでいるように、それを支えるエンジニアのコミュニティもまた、国境を越えて繋がっています。特にアジア太平洋地域においては、毎年開催されるAPRICOT (Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational Technologies)やAPNICカンファレンスがその中心的な役割を担っています。世界中からエンジニアが集まり、最新の技術動向や運用ノウハウ、インターネット資源に関するポリシーについて、数日間にわたり熱心な議論が繰り広げられます。
私はHome NOC Operators’ Groupという非営利団体のAS運用メンバーとして、APRICOTやAsia Peering Forum、TWNOG (Taiwan NOG)、PhNOG (Philippines NOG)といったアジア太平洋地域のインターネットコミュニティへ参加してきました。これらの場では、技術的な知識を学ぶとともに、世界中のエンジニアとの関係を築くことができました。APRICOTでは台湾の学生と知り合い、後にTWNOGへ招待していただきました。その縁から、台湾での接続拠点設立に協力してもらうことにも繋がりました。
また、新しいポリシー策定を議論し健全なインターネットを守るために働く人、正しい知識を持った技術者を育てようと情熱を注ぐ人、そして自国のインターネットを発展させるために奮闘する人などさまざまな人々と出会うことができました。人との繋がりが、技術だけでは解決できない課題を乗り越え、インターネットをより良いものへ導く力になるのだと実感し、将来は国内外のインターネットを支える仕事に携わりたいと考えるようになりました。
大きな転機は、きっと自分の一歩先に待っているのだと思います。日本の一歩外にはまだまだ知らない、奥深いインターネットの世界が広がっています。JPNICから学生や若手技術者の参加を支援するフェローシッププログラムも用意されています。新たな出会いと発見を求めて、海外のインターネットコミュニティへ参加してみませんか。
■筆者略歴
吉川 知輝 (よしかわ ともき)
2003年生まれ、兵庫県出身。2021年に京都大学工学部情報学科に入学後、ネットワークやサーバへの興味が高じて自宅にもサーバラックを構築。現在は大学院修士1年に在学し、AS59105 (Home NOC Operators’ Group)やAS59128 (京大マイコンクラブ)の運用を行う。国内外問わずNOGやピアリングコミュニティへ参加し、さまざま様々な視点からインターネット技術の知見を深める。趣味は釣りとアニメとプロ野球。
