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NTIA責任者によるIANA監督権限移管のアップデート

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2015年8月17日付、日本時間ではおそらく18日早朝だったと思います。米国商務省電気通信情報局(NTIA)の責任者、Larry Strickling氏の名前で、“An Update on the IANA Transition”というブログ記事が発表されましたので、そのことについて、本エントリで紹介します。

この中で、

  1. 現在2015年9月で満了する、NTIAとICANNの間のIANA契約を、1年間延長する予定であることを議会に報告したこと
  2. ルートゾーン管理に関するVerisign社とICANNとの間の取り決めが検討中であること

の2点が触れられています。

1.についてですが、移管後体制に関しては、現在コミュニティから提出される提案のドラフトが意見募集に掛かっている段階です。現時点でのコミュニティ側の見通しは、

  • 10月にNTIAに提案提出
  • 2016年2月までにNTIAと米国議会の承認が完了
  • 移管完了が、2016年の7月になる

となっています。2015年9月に満了するIANA契約は、現内容のまま最大4年間延長することが可能なのですが、延長は止むを得ないとしながらも延長する期間を、ほぼコミュニティの見通し通りの「1年間」に留めている点から、NTIAは早期移管完了に意欲的だと見ることができます。

2.については、背景として、

  • DNSルートゾーンの管理が、IANA契約とは別枠でNTIAとの「協力覚書」に基づいてVerisign社が行っていること
  • DNSルートゾーンに関する変更承認権をNTIAが保持していること

があります。現在、IANAでの受付処理が終わったDNSルートゾーンに関する変更申請は、NTIAでの承認を経て、Verisign社が行っているのですが、今回のIANA監督権限移管によって、ルートゾーン変更に関してNTIAの承認プロセスがなくなるため、新たにICANNとVerisign社との間のプロセスや取り決めが、併せて必要になるわけです。

今回のNTIAのブログ記事では、「NTIAの要請に基づいてVerisign社とICANNが新たなプロセスに関する提案を提出済み」とされており、この準備も着々と進んでいることがうかがえます。

2014年3月14日にNTIAが移管の意向を発表したときには、果たして本当に米国が監督権限を手放す気があるのかと、懐疑的な声も少なからず聞こえていました。コミュニティからの移管後体制提案も、最終案の意見募集という段階になり、関係者の中では米国議会の承認に向けた働きかけも始まっています。今回のNTIAのブログエントリからは、NTIAが移管に向けて前向きに取り組んでいる様がうかがえるのではないでしょうか。

参考情報: