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IPv4アドレス 本当の在庫枯渇がやってくる?!

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2011年4月15日にAPNICのIPv4アドレス在庫は枯渇しました。しかしながらその後も、最後の/8ブロックといわれている103.0.0.0/8から、1組織あたり最大/22までの分配が行われています。またそれとは別に2014年5月からは、一旦IANAに返却され、再度各RIRに等分されたアドレス在庫から、こちらも1組織あたり最大/22の分配を受けることが可能となっており、実際にはIPv4のアドレス在庫はまだ残っている状況です。

そして、この在庫ももうすぐ底を突いてしまうということについて、先日APNICのGeoff Huston氏がAPNICブログレポートを行っています。

このレポートでは、現在の消費ペースから予測モデルを導き出し、最後の/8在庫とIANA返却在庫の枯渇時期について、詳細なシミュレーションを行っています。

現在最後の/8在庫は、約1,100万アドレスあり、一日あたり13,500アドレスが消費されているということです。

これを、直近のペースで一定に消費されるパターンと、2014年頃の消費が急増した時期を考慮したパターンでシミュレーションを行ったところ、2019年の半ばから2020年の半ばには在庫が尽きるという結果になっています。

引用元:A Second Look at APNIC and IPv4 Address Exhaustion By Geoff Huston on 14 Aug 2015 Figure 3 Projections of APNIC allocations in 103.0.0.0/8

また、IANA返却在庫については、現在の消費ペースと、今後IANAから追加分配される返却在庫を考慮してシミュレーションし、おおよそ2016年の始め頃には無くなるとしています。

引用元:A Second Look at APNIC and IPv4 Address Exhaustion By Geoff Huston on 14 Aug 2015 Figure 6 Projections of APNIC allocations from the Returned Address pool (2)

いずれにせよ現在のIPv4アドレスの消費ペースが激減しない限り、2020年の東京オリンピックを迎える頃までには、APNIC/JPNICからIPv4アドレスの分配を受けることは出来なくなっていることでしょう。

Geoff Huston氏は最後に以下のような言葉で締めくくっています。

“If we are talking IPv4 then it’s over. It’s time to get serious about IPv6.”

「もしIPv4の話をしているならもう終わりにしましょう。IPv6に真剣に取り組む時です。」

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