APNIC 40でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご紹介
ip_team IPアドレス 他組織のイベント9月3日(木)~10日(木)の日程で、インドネシア・ジャカルタにおいてAPNIC40カンファレンスが開催されます。
APNIC40 Webサイト https://conference.apnic.net/40
IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論は、ポリシーSIG(Special Interest Group)でのメーリングリスト上で議論が行われています。1年に2回開催されるAPNICカンファレンスでは、多くの関係者が顔を合わせての議論を行います。
今回のポリシーSIGで議論が予定されているのは、以下の3つの提案です。提案の詳細は、提案のタイトルに貼られたリンクから確認することができます。
いずれの提案も、福岡で開催された前回のAPNIC39カンファレンスで議論が行われましたが、コンセンサスに至らず継続議論となっており、今回改めて議論が行われます。
APNIC39カンファレンスでの議論の内容はメールマガジンで報告していますので、こちらもあわせてご覧いただければ参考になるかと思います。
JPNIC News & Views(メールマガジン) Vol.1289
APRICOT 2015/APNIC 39カンファレンス報告 [第2弾] アドレスポリシー関連報告
■Prop-113 「Modification in the IPv4 eligibility criteria」
この提案は、小規模ネットワークへのIPv4プロバイダ非依存アドレス割り当て基準の変更を目的としたものです。
現在、小規模ネットワークへのIPv4プロバイダ非依存アドレスの割り当てを受けるための基準には以下の内容が含まれています。
- プロバイダ等から割り当てを受けたアドレスで既にマルチホームしている、または
- 1ヶ月以内にマルチホームする予定がある
この基準を以下のように変更することが提案されています。
- プロバイダ等から割り当てを受けたアドレスで既にマルチホームしている、または
- プロバイダ等から割り当てを受けたアドレスで相互接続している、または
- 3ヶ月以内にアドレスを経路広告する計画がある
■Prop-114 「Modification in the ASN eligibility criteria」
この提案は、AS番号割り当ての基準の変更を目的としたものです。
現在、AS番号の割り当てを受けるための基準には以下の内容が含まれています。
- マルチホームする、かつ
- AS番号を割り当て予定のネットワークが上流プロバイダの外部経路制御ポリシーとは異なり、明確に定義された単一のものである
この基準を以下のように変更することが提案されています。
- 6ヶ月以内にAS番号を利用する予定がある
■Prop-115 「Registration of detailed assignment information in Whois DB」
この提案は、WHOISでのフィルタリング情報提供のためのルール作りを目的としたものです。
IPv4では「ポート番号」を、IPv6では「割り当てアドレスサイズ」の情報をWHOISに追加し、これらの情報でも登録情報を検索できるようにすることが提案されています。
写真はAPNIC39カンファレンスでの様子です。会場は違っても、毎回同じような雰囲気でプログラムが進みます。当日のコメントがその後の議論の流れを大きく変えることがあるのも、オンサイトでの議論の醍醐味です。今回のポリシー提案に興味のある方や、提案について意見のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
残念ながら現地での議論には参加できない場合には、リモート参加も可能です。リモート参加の方法は、APNIC40カンファレンスのページをご確認ください。