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25回目のIP Meetingには何がでてくる!? ~第4回 IW2015注目プログラム紹介~

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Internet Week 2015のセッション紹介をお送りしています。担当は本イベントの実行委員を務めている法林浩之(日本UNIXユーザ会)です。

今回ご紹介するのは、11月20日(金)に行われるカンファレンス「IP Meeting 2015~手を取り合って、垣根を越えて。~」です。このプログラムを担当した手島聖太さん(日本ネットワークインフォメーションセンター)に見どころをうかがいました。


法林:手島さんはもう何年かInternet Weekの担当を務めていると思いますが、IP Meetingを担当するのは初めてだそうですね。

手島:はい。IP Meetingって25年もやっているプログラムで、これまで諸先輩方が作ってきた歴史もあるので、それを自分が担当するというのはいろいろ緊張しました。

法林:まあそうですよね。私も数年前にライトニングトークの司会という形で初めてIP Meetingに登場しましたが、慣れているはずの司会でも結構緊張したのを覚えています。さて、そんな手島さんが担当したIP Meetingですが、今年はどんな構成になりましたか?

手島:基本的な構成は例年のパターンを踏襲していますが、内容的には新しいテーマも採り入れたものになっています。

法林:午前の部は割と定番のプログラムですよね。吉田友哉さんの運用動向や関谷さんの新技術動向は、これを聞かないと年を越せないという、なんか年忘れの行事みたいになっている人もいるんじゃないでしょうか。

手島:そうですね、そう思います。

午前の部においては、2015年の総まとめとして、「運用」「技術の標準化」「ガバナンス」、「セキュリティ」というインターネットに関わる注目度の高い四つのトピックスを、分野の第一人者が語ることで今年を振り返ろうというものです。

今年はIWの直前に横浜でIETFがありますので、その様子を紹介してもらえるのは今年ならではの内容かと思います。また、近年色々と動きのあるインターネットガバナンスの話題やラックの西本氏に講演をいただくセキュリティセッションに関しても、今年の出来事が凝縮されていますので、一聞の価値があると思います。

法林:確かにそうですね。その一方で、新しいテーマとしてはどんなことに挑戦したんですか?

手島:今年のテーマである「手を取り合って、垣根を越えて。」を踏まえて、二つのセッションを用意しました。特に「垣根」というキーワードに注目して、僕達の業界にどんな垣根があるだろうと考えた中で、まず一つ目は世代の垣根を越えようと。というわけで次世代を担う人材育成の話を用意しました。「次世代インターネットを担う人材を育てよう!」というセッションです。テコラスの伊勢さんがモデレータで、それから企業で若い社員を教育している方々に登壇していただくんですが、さらに教わる側の学生さん達も登場するのが特徴ですね。

法林:確かにIP Meetingで学生の登壇は珍しいかも。でも僕達みたいに、変に歴史を意識して固くなったりしないかもしれないので、自由な意見が聞けていいかもね。

手島:はい、そうだと良いなと思います。

人材育成については、どの会社においても課題として取り上げられることが多いと思いますし、今後のインターネットの成長と安定には、若者の力は欠かせません。そこで今回は実際の学生や若者も交えたセッションにすることで、企業が考える人材育成と若者の求めるもののギャップを浮き彫りにしたり、今後の教育プログラム等のヒントになるセッションにしたいと思いました。

法林:なるほど、それが一つ目の「手を取り合って、垣根を越えて。」ですね。それで二つ目は?

手島:もう一つの新しいテーマですが、そちらでは、技術領域の垣根を越えたいと思って、”異業種間”ということも意識し、「インターネットとAI ~その未来~」と題した、AI関連のセッションを設けてみました。

今後多くの分野で重要な役割を果たすであろうAIの技術のインターネット業界における関わりと活用を模索することで、他業界も交えてどのような革新が生み出せるのかを考えていけるようなセッションにしたいです。

おそらく、最近特に注目の技術の一つであるDeep Learningの話題を中心に、インターネットとAIが交わることで何が起きるのかがメインのディスカッションになると思います。

法林:Internet WeekでAIの話が聞けるのは初めてかもしれないですね。こんな日がやって来るとは思いませんでした。長生きもしてみるものです。

では最後に、このプログラムはどんな人に参加してもらいたいですか?

手島:月並みな言葉になってしまいますが、IP MeetingはInternet Weekに参加するすべての方が対象となっていますので、いろんな業種・職種の方に関心を持ってもらえるように企画しました。多くの方にご参加いただけたらうれしいです。

準備や講師に関しては、今までInternet Weekに登壇の無かった第一人者の方々や学生をお招きしたりすることで、伝統の中にも刺激と新しい風を加えようとしています。

またなにげに(!?)、今回のInternet Weekのプログラム委員の代表者が登壇する「Internet Week2015セッション総括」もオススメです。全有料セッションを、「IPv6」「セキュリティ」「ネットワーク運用管理」「社会派」「DNS」「最新技術」の6分野に分け、セッション中ホットだった話題を総括するものです。参加者のみなさんには、聞きたかったけれど出れなかったセッションや、ちょっと気になっていたセッションがあるかと思います。この場で、そうしたセッションの概要や、その分野のホットトピックスを聞くことができますよ。

法林:「誰でもかかって来いやー!」って感じですね。楽しみです。ありがとうございました。


 D2 IP Meeting2015

日時 2015年11月20日(金)9:30~17:30
参加料金 事前料金 11,000円、当日料金 16,000円
URL https://internetweek.jp/program/d2/
概要 IP Meetingは、Internet Weekを総括するプレナリ、 メインプログラムとして、 インフラとしてのインターネットの動向に興味のある方、 運用に携わる方を対象に、 その年のネットワークの状況を総括し、 最新動向を伝え、 今後に向けた議論を行う会合として機能してきました。

午前中のセッションでは「Internet Today!」と題し、 インターネットの運用にかかる「今年のホットトピック」を総括します。

午後には、 「手を取り合って、垣根を越えて。」と題し、 さまざまな立場や業界を越えてインターネットの未来に向かうセッションをお届けします。 具体的には、インターネット業界における教育と、 昨今目覚しい発展を遂げているAIに関するセッションを展開します。

※IP Meetingは、Internet Weekの母体とも言うべき会議で、 JEPG/IP(Japanese Engineering & Planning Group/IP)によって1990年に第1回が開催され、 以来毎年開催され、今回は25年目を迎えます。

内容
◆午前の部:Internet Today!: Internet Operational Issues 2015

9:35~10:45 2015年インターネット運用動向 + インターネット新技術の標準化動向
講演者 吉田 友哉(インターネットマルチフィード株式会社)、関谷 勇司(東京大学情報基盤センター/WIDEプロジェクト)

10:55~11:25 2015年インターネットガバナンスの動向と最新情報
講演者 橘 俊男(グリー株式会社)、前村 昌紀(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)

11:25~12:00 2015年のセキュリティまとめ! 
講演者 西本 逸郎(株式会社ラック 取締役 最高技術責任者)


◆午後の部:「手を取り合って、垣根を越えて。」

13:30~14:40 次世代インターネットを担う人材を育てよう!
講演者 
伊勢 幸一(テコラス株式会社)河瀬 大伸(大阪工業大学 情報科学部 情報ネットワーク学科)、川畑 裕行(さくらインターネット株式会社 運用部 データセンター運用チーム)、畑田 充弘(NTTコミュニケーションズ株式会社 技術開発部 担当課長)、森 優輝(電気通信大学 情報理工学部 総合情報学科)

14:50~15:50 IW2015セッション総括!
講演者
 中川あきら、中津留勇、松本智、宮内正久、米谷嘉朗、岩崎麿(Internet Week 2015プログラム委員)

16:00~17:30 インターネットとAI ~その未来~
講演者 江崎浩(東京大学)須藤 武文(さくらインターネット株式会社)、長谷川 順一(株式会社Preferred Networks 取締役 最高戦略責任者)、松尾 豊(東京大学)、山下 達也(NTTコミュニケーションズ株式会社)

対象者
  • Internet Weekに参加したすべての方
  • インターネットの基盤技術の動向に興味のある方(ネットワーク技術者、ISP事業者、サーバ事業者、コンテンツ事業者、セキュリティ技術者、研究者、学術関係者、学生)

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