IPv6 Summit in SENDAI 2015レポート
ip_team IPアドレス 他組織のイベント先日ご案内をしたIPv6 Summit in SENDAI 2015が、2015年12月16日(水)に開催されました。
会場となったのは、東北大学川内キャンパスにある百周年記念会館川内萩ホール会議室です。ちょうど前週12月7日(月)に開業した仙台市地下鉄東西線のおかげで、国際センター駅から徒歩5分と非常にアクセスが容易となっていました。
プログラムは、東京大学の江崎浩先生によるIoT(Internet of Things)とIPv6に関する基調講演から始まりました。IoT社会におけるセキュリティの考え方や、ネットワークに繋がる末端の機器やセンサーの処理能力の向上によって、すでに実現化しつつある未来の話、それを支えるためのIPv6の重要性について、さまざまな事例等を紹介しながらお話いただきました。
その後、一つ目の講演は、総務省データ通信課の金坂哲哉氏による、総務省におけるIPv6普及への取り組みとして先日公開した、IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会の第四次報告書の内容についての説明でした。
講演の二つ目では、アズビル株式会社の竹内祐英氏が、ビルや工場、プラントなどの制御系ネットワークのセキュリティと、そういった制御系ネットワークの検証などが可能な、地元宮城の多賀城市にある制御システムセキュリティセンター(CSSC)のご紹介などをしていただきました。
後半には、JPNIC IP事業部の佐藤晋とインターネット協会IPv6ディプロイメント委員会の立場でJPNIC理事の藤崎智宏氏が、「インターネットの現状とIPv6普及状況」題し、佐藤からは主にIPv4アドレスの在庫枯渇や移転の実態に関して、藤崎氏からは国内のIPv6普及状況に関する統計データの紹介などを行いました。
そして、最後のパネルディスカッションのパートでは、地元仙台でセキュリティツールや機器、ソリューションの提供を行っている株式会社サイバー・ソリューションズのキニ グレン マンスフィールド氏と、宮城の仙南地域でISP事業を展開しているジェットインターネット株式会社の晋山孝善氏を交え、地域におけるIPv6対応に関する課題の再確認、特にサービスの仕入れコストや宅内機器の問題などについての議論が行われました。今後も継続して、課題や情報の共有を進めていくことの重要性が確認されました。
当日の参加者数は約60名程度で、半数に近くが学生あるいは大学、学校関係者だったようです。
2015年度のIPv6 Summitはこれが最後となりますが、広島、鹿児島、仙台での開催に参加してみて、IPv6に関してはまだまだ地域への情報提供や意見交換の機会を継続して持つ必要があることを実感しました。
JPNICとしても、2015年度はIPv6対応セミナーを高松、岡山、名古屋で開催しましたが、こういった地域に向けた取り組みを継続していければと思います。