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IGF2016開催中です

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現在メキシコのグアダラハラにおいて、インターネットガバナンスフォーラム(IGF)会合が進行中です。12月5日(月)にDay0と呼ばれる事前イベントが始まり、6日(火)から9日(金)までの4日間が正式な会期です。このブログでは写真を交えながら、今年のIGFの様子をご紹介します。JPNICからはIGFのMAG(Multistakeholder Advisory Group)のメンバーでもある奥谷泉が参加しています。

オープニングセレモニーにおける、開催地ハリスコ州発祥のマリアッチ様式のメキシコ伝統音楽

IGFとは

国際連合が2006年から開催し、今年で11回目を迎えます。誰でも参加でき、マルチステークホルダーアプローチによる対話を重視しています。したがって、成果文書や政策を整えることが目的ではなく、インターネットの様々な政策や課題に関して話し合い、理解を深めることを目指しています。

今回のグアダラハラ会合には、例年並みといえる、登録ベースで3,000名程度の参加者が集まっています。半数以上がラテンアメリカ地域からの参加者のようです。

◆今年の特筆点(1) – 日本からの参加や関与が近年最高

今年の特筆点として取り上げたいのは、なんと言っても日本からの参加や関与の大きさです。これには、JPNICが事務局を務める日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)を通じた呼びかけが功を奏しているのではないかと考えています。例えば2016年8月4日に開催したIGCJ14では、IGFをフィーチャーして紹介し、今年は日本からセッション提案を積極的に出していきたい、などと呼びかけました。また、日本からIGFに参加する方々用のメーリングリストを作成して、情報交換をしてきました。その結果、確認できる範囲で、IGF会合への参加者20名以上、合計100程度を数えるセッションの中で、13セッションに10名が登壇、提案企画などに関与したセッションが6セッションという、少なくとも近年で最高の参加者数と関与の大きさを誇るものとなりました。

総務省からは例年通り閣僚レベルの参加となり、鈴木茂樹総務審議官が参加、登壇されましたが、2016年4月に香川県高松市で開催されたG7情報通信大臣会合を受けたオープンフォーラムを日本政府が主催したことも、日本の存在感を大いに高めました。こちらには高松会合に参加したISOCのCEO、Kathy Brown氏もパネリストとして登壇し、高松会合の成果を高く評価していました。Brown氏は、高松に赴く途中にJPNICにも立ち寄っていただいたのも、良い思い出です。

日本政府主催のオープンフォーラムの様子

◆今年の特筆点(2) – 地域・国ベースのIGF活動への焦点

IGFは、年1回の会合をグローバルなレベルで行うものですが、いろいろな地域や国・経済圏において、IGFのような活動が個別に展開されていて、今回のIGFまでに、これらの活動をNRI(National Regional Initiative)として、一定の条件の下で認知するプログラムが準備されていて、会期中12月7日(水)にはNRIの代表者が一同に会するNRIセッションも開催されました。

日本からは、2011年からほぼ年1度の会合として、日本インターネットプロバイダ協会(JAIPA)が中心となって開催しているIGF Japanと、前述のIGCJの二つの活動が合同で”Japan IGF”としてNRIとして認知されており、Japan IGFを代表して、JPRSの高松百合さんがこのNRIセッションに参加しました。

NRIセッションでJapan IGFを代表して発表する、JPRSの高松百合さん

◆その他、IGF2016の特徴

年1回顔を合わせたときだけでなく、継続的に活動を実施していくことを、最近のIGFでは重視しています。これには、現存のプラクティスを文書化して記録するベストプラクティスフォーラム(BPF)や、異なる複数の組織の協働を促すDynamic Coalitionなどがあり、それぞれ活発化しています。

BPFでは、IPv6普及に関するBPF(BP-IPv6)のコーディネーターを奥谷が務めており、各地域のRIRなど、技術コミュニティの皆さんのご協力によって進めており、会期中にセッションを持ちました。

BP-IPv6では、このセッションの成果として、政府の政策立案者、企業の幹部に対するメッセージをとりまとめました(ファイル20ページから21ページ)


IPv6に関するベストプラクティスフォーラムセッション。奥谷は一番手前で、スクリーンを向いて説明しています。

また、経済の切り口でインターネットを考える「インターネットエコノミー」というキーワードが最近良く取り上げられますか、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)など、貿易協定においてもICTやインターネットの影響は多大で、「貿易協定とインターネット」というメインセッションが持たれたこと、セキュリティに関してさまざまなレベルで数多くのセッションが持たれているのも特徴的です。

■もっと知りたい方は

ひとまず会期中に分かる範囲でお伝えしましたが、会期終了後、別途報告記事を出す予定です。

IGFに関する情報は、

IGFWebサイト:http://www.intgovforum.org/
IGF2016Webサイト:http://igf2016.mx/

をご参照ください。また、Diplo Foundationは、IGFの1日毎のまとめを紹介しており、参考になります。
提供:http://digitalwatch.giplatform.org/events/11th-internet-governance-forum

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