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聞けそうで聞けないIPアドレスとAS番号の話 ~よくあるお問い合わせから~

tech_team 

JPNICのIPアドレス・AS番号に関する問い合わせ窓口には、さまざまなご質問をお寄せいただいています。今回は、その中でもお問い合わせいただくことの多い質問について、少し解説してみたいと思います。


1. いま割り振りを受けることのできるIPv4アドレスの数は?

1組織あたり、/21(2,048アドレス)の割り振りを受けることが可能です。

2011年4月にAPNICの通常在庫が枯渇してからは、1組織につき「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」から/22(1,024アドレス)を上限に、割り振りを行っています。

APNICでは日々の在庫量を公開していますが、2016年1月時点で、在庫全体の38%に相当する約600万アドレスが分配済みとなっています。この在庫の枯渇時期についての考察は、以前にJPNICブログでも取り上げていますので、こちらもあわせてご覧ください。

この在庫とは別に、IANAに返却されたIPv4アドレスが、各RIR(地域インターネットレジストリ)に再分配されています。アジア太平洋地域を管轄するAPNICでは2014年5月より「IANAから再割り振りされた返却在庫」から/22を上限とする割り振り、JPNICでは2014年7月より「JPNICに返却済みIPv4アドレス在庫」から/22を上限とする割り振りを行っています。

IANAではこれまでに、各RIRあたり/16(約65,000アドレス)換算で60個に相当するIPv4アドレスを、4回に分けて再分配しています。IANAから各RIRへの再分配は、IANAの定める方法に従って、今後も半年に1回行われます。

IANAの在庫が増加せずにこのままのサイクルで分配が続いた場合、2019年3月までに7回に分けて、1RIRあたり/24(256アドレス)換算で638個のIPv4アドレスを再分配して終了する見通しとなっていることが、2015年9月に開催されたAPNIC 40カンファレンスにおいて、ICANNのElise Gerich氏から報告されています。興味のある方はこちらの資料(PDF)をごらんください。

*2019年7月11日追記*

2019年2月28日12:00(日本時間)以降の申請受付分より、「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫(103.0.0.0/8)」からの新規割り振りサイズの上限は、/22から/23(512アドレス)へ変更となりました。また、「JPNICに返却済みIPv4アドレス在庫」から上限/22としていた新規割り振りは、7月3日(水) 23:59(日本時間)の申請受付分をもちまして終了いたしました。

2. APNICとJPNICの両方からIPアドレスの分配を受けてもいいの?

同一ネットワークで利用する目的で、APNICとJPNICの両方からIPアドレスの分配(割り振り)を受けることはできません。いずれか一方のレジストリからのみ、IPアドレスの分配を受けることが可能です。

日本では、JPNICの他にもAPNICからIPv4アドレスの割り振りを受けることも可能です。1.で割り振りを受けることのできるIPv4アドレスの数が、最大/21であることをご紹介しました。JPNICとAPNICの両方から/21ずつ、合計で/20(4,096アドレス)のIPv4アドレスの割り振りを受けることはできるのか、という疑問を持たれている方も多いのではないかと思います。

8.5 複数のIRにアドレス空間を申請する組織

JPNICポリシーのもとでは、組織は一度にただ1つのIR(インターネットレジストリ)からのみアドレス空間を取得しなければならない。

(以下略)

現在有効な「JPNICにおけるアドレス空間管理ポリシー」では、上記のように定められています。APNICとJPNICでは、お申し込みいただいた組織に関する情報交換を行っており、両方のレジストリから分配を受けることのないようにしています。

3. IPv6アドレスの配布状況はどうなってるの?

IPv6アドレスは現在、プロバイダを経由して分配を受ける方法が主流となっています。分配方法は、JPNICブログで取り上げていますので、こちらの記事が参考になるかと思います。

プロバイダはIPアドレス管理指定事業者(IP指定事業者)となり、エンドユーザーに分配するIPv6アドレスをJPNICから割り振られています。2015年12月末時点で、全IP指定事業者417組織のうち、約6割に相当する240組織が、IPv6アドレスの割り振りを受けています。

また、最近では、プロバイダを経由せずにJPNICから直接分配を受ける組織も増えてきています。主に既にまとまった数のIPv4アドレスの分配を受けている組織が、IPv6対応のために分配を受けているようです。

アジア太平洋地域に目を向けてみたのが下のグラフです。APNICでのIPv6アドレスの分配数は増加傾向にあるようです。国別に見た場合には、中国・オーストラリア・インド・香港といった国々が多く割り振りを受けているようです。

4. 2バイトAS番号の割り当ては可能ですか?

IANAの在庫は枯渇しましたが、APNICやJPNICの在庫はまだ残っていますので、2バイトAS番号の割り当てを行っています。

現在有効な「JPNICにおけるAS番号割り当てに関するポリシー」では、以下のように定められています。

7.10.1 2バイト空間に限定したAS番号から4バイトAS番号への移行に向けてのスケジュール

(中略)

2010年1月4日より、JPNICは「2バイト空間に限定したAS番号の範囲」、「4バイトへ拡張したAS番号の範囲」としてAS番号を区別することなく、すべての4バイトAS番号の範囲から割り当てを行う。

お申し込みをされる方が、割り当てるAS番号の範囲を指定することはできません。しかし、割り当てを受けるAS番号を利用される際に不都合などが生じないよう、AS番号割り当ての審査の際に、以下のような点を確認しています。これらの確認結果に応じて、JPNICでは2バイトAS番号を割り当てる対応をしています。

(A)AS番号を割り当てるネットワークが接続する上流接続先の機器が、4バイトAS番号に対応しているかどうか

(B)AS番号を割り当てるネットワークで申請者自身が利用する機器が、4バイトAS番号に対応しているかどうか

以下のグラフにもあるように、直近1年間では13個の2バイトAS番号の割り当てを行いました。そのうち、上流接続先の機器が4バイトAS番号に対応していないケースが7件、申請者自身が利用する機器が4バイトAS番号に対応していないケースが6件ありました。

as20160120.png

JPNICではこのような状況になっていますが、アジア太平洋地域を管轄するAPNICの担当者によると、APNIC地域では4バイトAS番号を割り当てるケースが大半となっており、2バイトAS番号の割り当て件数が多い日本はかなり稀なケースなんだそうです。

APNICとJPNICには、2バイトAS番号の在庫がまだ残っていますが、その在庫が枯渇する日が近づいています。これからAS番号の割り当てを予定されている方や、他のAS番号との接続するサービスを提供される方で4バイトAS番号への準備が済んでいない方は、できるだけ早期に対応を完了させる必要があるかもしれません。


今回ご紹介した内容は、特に質問される回数が多かったものを取り上げてみました。

わざわざ問い合わせをするほどでもないけれど、今の状況がどうなっているか、興味をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。もし、聞いてみたいことがあれば、JPNICの職員に質問をしてみてくださいね。このシリーズが続くようであれば、あなたの疑問が次回採用されるかもしれません。