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APNIC 41最新動向ご紹介

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2016年2月22日(月)~26日(金)の日程で、ニュージーランド・オークランドにおいてAPNIC 41カンファレンスが開催されます。春のAPNICカンファレンスは、APRICOTカンファレンス期間中に同時開催されるのが通例となっています。

APNIC41 Webサイト:https://conference.apnic.net/41

アドレス管理組織であるレジストリの多くは、IPアドレス・AS番号の分配ルールを定めたポリシーの策定プロセスを、PDP (Policy Development Process)としてまとめています。

APNIC:Policy Development
JPNIC:JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス(JPNIC公開文書)

以下の図は、APNICのWebサイトに掲載されているものです。PDPでは、ポリシー提案の提出から実装までが一連の流れとしてわかるようになっています。

この図では、「Bofore Meeting」の部分がIPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論を行うポリシーSIG(Special Interest Group)のメーリングリスト上での議論に、「During Meeting」の部分が1年に2回開催されるAPNICカンファレンス中の議論に、それぞれ該当します。

今回のポリシーSIGでは、メーリングリストに差し戻して継続議論となっていた、以下一つの提案について議論が予定されていましたが、提案者より取り下げとする旨の発表がありました。提案の詳細は、提案のタイトルに貼られたリンクから確認することができます。

■Prop-115 「Registration of detailed assignment information in Whois DB

この提案は、WHOISでのフィルタリング情報提供のためのルール作りを目的としたものです。

IPv4では「ポート番号」を、IPv6では「割り当てアドレスサイズ」の情報をWHOISに追加し、これらの情報でも登録情報を検索できるようにすることが提案されています。

APNIC 40カンファレンスでの議論では、IPv6の情報提供については賛同する意見が示されたほか、WHOISでこのような情報を提供することに懸念を示す意見も出され、今後の方向性が定まらない状態となっていました。その後、メーリングリストでもいくつかの意見が出されましたが、最終的には、取り下げとなってしまいました。

APNIC 40カンファレンスでの議論の内容はJPNICのメールマガジンで報告していますので、こちらもあわせてご覧いただければ参考になるかと思います。

JPNIC News & Views(メールマガジン) Vol.1345
APNIC 40カンファレンス報告 [前編] 全体概要およびアドレスポリシー関連報告

提案としては取り下げとなってしまいましたが、これまで出てきているポイントについて、APNIC 41カンファレンスでは議論を行う旨がアナウンスされています。

ポリシーSIGのチェアからは、上記の提案以外にも、WHOISの正確性向上のための提案が提出されていたそうです。しかしながら、準備不足の部分もあったとのことで、提案者と相談した結果、提案としては議論されないこととなりました。代わりに、APNICスタッフにより、関連する情報提供のセッションが設けられるとのことが併せて発表されています。今回の話題に興味のある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

写真はAPNIC40 カンファレンスで、提案について賛否の確認を取っている場面です。この結果で、今後のIPアドレス・AS番号の分配ポリシーが変わるということもあって、真剣な表情でチェアの発言に耳を傾けているようですね。


(写真はAPNICのflickrサイトから)


APNIC Executive Council(APNIC理事)選挙のご紹介

APNIC Executive Council(APNIC理事)は、APNICの今後の事業方針などを決定する要職を担います。理事会は、APNICの会員による選挙により選出された理事7名と、APNIC事務局長の合計8名から構成されています。

現在の理事会の構成メンバーは以下の通りです。

氏名および出身国 所属・肩書
改選対象

任期
2014/03~
2016/03

前村 昌紀(日本) JPNICインターネット推進部長
Ma Yan(中国) Beijing University of Post and Telecommunication/
China Education and Research Network(CERNET)
Che-Hoo Cheng(香港) Associate Director, Information Technology Services Centre,
The Chinese University of Hong Kong
改選対象外

任期
2015/03~
2017/03

James Spenceley
(オーストラリア)
CEO, Vocus Group Limited
Dr. Kenny Huang(台湾) Board Director, TWNIC/
Chairman, Mind Extension Inc.
Gaurab Raj Upadhaya
(ネパール)
Director, Network Strategy and Interconnection,
Limelight Networks
Jessica Shen(中国) Director of IP Operations, CNNIC
APNIC
事務局長
Paul Wilson
(オーストラリア)
Director General, APNIC

以下の画像はAPNIC 40で撮影されたAPNIC ECの集合写真です。左からMa Yan氏、JPNIC前村、Jessica Shen氏、Che-Hoo Cheng氏、Gaurab Raj Upadhaya氏、Kenny Huang氏、Paul Wilson氏です(James Spenceley氏は欠席)

(写真はAPNICのflickrサイトから)

理事7名の任期は2年となっており、1年ごとに半数が改選される仕組みになっています。通常、春のAPNICカンファレンスにあわせて、理事選出のための選挙が実施されています。今回は、改選対象となっている三つの議席について選挙が予定されています。

選挙の詳細については、こちらのWebページをご参照いただければと思います。

これまで日本からは、JPNICの前村が理事としてAPNICの運営に関わってきましたが、今回の任期をもって退任することとなりました。今回の理事選挙では日本電信電話株式会社の藤崎智宏氏が立候補しています。みなさまも藤崎さんへの応援を、どうぞよろしくお願いいたします!

投票はAPNIC会員に限られますが、会員向けポータルサイト(MyAPNIC)からの投票もしくは現地での投票を行う形となっています。既に投票は始まっており、2016年2月26日(金)のAPNIC General Meeting(総会)で結果が発表されます。


APRICOT 2016 参加支援プログラム事前情報交換会を開催しました

JPNICが参画しているAPRICOT-APAN 2015日本実行委員会による、国際会議参加支援プログラムを利用して、ニュージーランドで開催されるAPRICOT 2016に派遣される方を対象に、事前情報交換会がJPNICで開催されました。

ジャカルタで開催された、前回のAPNIC 40カンファレンスを対象としたプログラム参加者から「事前フォローの機会があればよかった」とのコメントがあったことから、参加者の皆さんが初めて参加するAPRICOTへの不安を少しでも解消するのに役立てられるよう企画されました。

今回派遣される4名のうち3名がこの事前情報交換会に参加し、実行委員や前回のプログラム参加者、過去のAPRICOT参加者からの経験談を共有する形で会が進められました。夜遅くの開催ということもあって、軽食を取りながら進めたことがよかったのか、最初は緊張感でいっぱいだったように見えた参加者も、次第に打ち解けることができたのではないでしょうか。

事前情報交換会も無事終了して、あとは現地に旅立つのみとなりました。支援プログラム参加者のみなさんが、ニュージーランドでより多くの成果を持ち帰ってくることを期待しています。

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