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ICANNアジア太平洋拠点の皆さんとメディアイベント

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インターネット推進部の前村です。

4月になり、2016年度が始まったところですが、JPNICは少し派手に、2015年度を終了しました。

ICANNアジア太平洋拠点総責任者 Jia-Rong Low氏

3月30日、ICANN会議後恒例となっているICANN報告会の他に、「インターネットは誰が管理するのか? ~米国管理からの脱却に向け前進」と題した報道関係者向けトークイベントを開催し、イベント満載の1日となりました。

これは、ICANNのアジア太平洋拠点(APAC Hub)の総責任者に、新たに2016年1月に就任した、Jia-Rong Lowさんが来日するということで、このタイミングに合わせてイベントをやろう、ということにしたものです。

まずはICANN報告会。JPNICの会議室で開催されました。

ICANN報告会の風景・共催のIAjapan木下副理事長のご挨拶

2016年3月5日から10日までモロッコのマラケシュで開催されたICANN会議は、トークイベントのメインテーマでも取り扱った、IANA監督権限移管の提案完成、米国政府への提出という、非常に大きな節目に象徴されるところですが、各支持組織や部会では、新gTLD募集の次のラウン ドを始めとするさまざまな他の課題にも取り組んでいる様子が伺えました。席をほぼ埋め尽くす参加者で、質疑も活発に行われた、熱のこもったICANN報告会となり ました。

同じくJPNIC会議室で、引き続きトークイベントが開催されました。JPNICが取り扱っている話題は、IT系の専門メディアでも専門的とされるのですが、インターネットに取って歴史的な転換点であり、かつ政治的な動きを巻き込んだテーマを扱う今回は、全国一般紙の記者が勢ぞろいする異例のものとなりました。

このイベントでは、JPNIC山崎が概要を説明した後、ICANNのLow氏が、ICANNを中心に進められた移管後体制検討の概要を説明しました。続いてJPNIC奥谷と、APIDE(Asia Pacific Institute of Digital Economy)のOmair Qazi氏が、今後の米国政府・議会の承認プロセスの見通しを論じ、最後にLow氏、Qazi氏、奥谷に、東京大学教授で、JPNIC副理事長、ISOC理事でもある江崎浩さんを加えたパネルディスカッションを持ちました。

パネルディスカッションの風景。左から、江崎教授、Low氏、Qazi氏、奥谷

このトークイベントを受けて、既に一般メディアを含んで、いくつか記事が出ていますので紹介します。

日本経済新聞電子版:変わる世界のインターネット管理体制<2016/04/03>
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99151380R00C16A4000000/?df=3
ハフィントンポスト:インターネットの管理権限を米政府が手放す<2016/04/04>
http://www.huffingtonpost.jp/kazuhiro-taira/internet-ustrooper_b_9606906.html
INTERNET Watch:インターネットが米国管理下から脱却する日へ一歩近づく、IANA機能の監督権限移管作業が第2段階へ<2016/04/08>
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20160408_752223.html
ITPro:記者の目 インターネットガバナンスの重大な転機、米国に代わって誰が管理するのか<2016/04/13>2016/04/13追記
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/041100533/?rt=nocnt
日経産業新聞:ネット管理でイベント開催 – JPNIC<2016/04/04>

イベントでは記者の皆さんからも積極的に質問がなされ、IANA監督権限移管がいろいろな角度から議論され、充実したものとなりました。

ICANNからは、Low氏の他にシンガポールのAPAC Hubのスタッフが3人と、ジャパン・リエゾンの大橋由美さんが会場のJPNICを訪れました。もともとこのイベントは、シンガポールでAPAC Hubが開催したメディアイベントを参考に企画したものでしたが、このイベントにも大変満足した様子でした。

Low氏のチームとは、イベント以外にも打ち合わせなどを持ち、交流と親睦を深めることが出来ました。仕事以外にもいろいろな話をして、打ち解けることができました。Low氏はAPAC Hub総責任者に就任してまだ3ヶ月と言ったところですが、気さくな語り口の中にもしっかりとしたメッセージが随所に見受けられ、頼もしさを感じました。

ICANN APAC Hubの皆さんとは今後ともいろいろと協力していけると確信した、2015年度大詰めの1日でした。

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