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ISOCと国内の活動との協力について ~Kathy Brown氏の来日~

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Internet Society(ISOC)のCEO Kathy Brown氏と職員3名の来日に伴い、4月26~27日の2日間にかけて、ISOCと国内の複数の関係者が今後の協力・連携について意見交換を実施しました。

ISOCはIETFの母体であることに加え、インターネットガバナンスおよび技術コミュニティの調整において多くの活動をグローバルに実施している組織です。インターネットガバナンスに関わる国際調整の場では、各種技術コミュニティの意見の調整役、情報発信者として一目を置かれています。また、運用者の中では「World IPv6 Launch」や「Best Current Operational Practices(BCOP)」などをご存知の方もいるかもしれません。最近では「Collaborative Security」やルーティングセキュリティを広めるMutually Agreed Norms for Routing Security(MANRS)等の活動にも注力をしており、これらについては国内では、JANOGIGCJ等の場でご紹介しています。

このISOC関係者の東京滞在中、JPNICにて、複数の国内の関係者や各種コミュニティとその活動を紹介し、今後のISOCとの協力について意見交換するということを実施しました。日本はインターネットに黎明期から関わっており、ボトムアップベースの各種コミュニティが非常に発達していながら、グローバルな場ではそのような状況および活動が見えづらいところがあります。しかし、この機会に国内のコミュニティが充実しており、ボトムアップベースに活発な議論や活動が行われていることを理解してもらえたようでした。

また、ISOC-Japan Chapter(ISOC日本支部)が、国内の取り組みを紹介するイベントを開催しました。 この日本支部の勉強会が月一回のペースで開催され多様なテーマを取り扱っていることや、IGCJがIANA機能監督権下移管における意見募集で90名を超える個人の署名を集めた点、また、IoTやモバイルの今後を見据えた総務省による「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」第四次報告書にも大変着目していました。今後、成果があった場合に、日本以外にもこうした取り組みを共有したいとの印象を受けたようです。

同時に、ISOC側からもISOCが重点を置いている活動についても紹介があり、インターネットを取り巻く課題が技術コミュニティのみに閉じない今、それぞれの活動分野において連携していくことの重要性が伝えられたことが、特に印象的でした。ISOCのCollaborative Securityもそのような概念に基づいています。現在IGCJで取り組んでいるセキュリティドキュメントも、その精神を受け継ぎながら、国内向けに作成したものであり、お互い相関しあえる取り組みの一つとなりそうです。

来日時の様子はすでにISOCのblog「Meeting of Minds in Japan」でも紹介されていますので、よければ併せて読んでみるとISOCの立場から印象に残った議論が比較できて面白いかもしれません。

なお、この度の Kathy Brown氏の来日は、2016年4月29日(金)09:00-14:50に開催されるG7香川・高松情報通信大臣会合 ICTマルチステークホルダー会議への登壇が主な目的です。

 《セッション1》
  ~ICTによるイノベーションと経済成長~
  モデレータ:村井 純(慶應義塾大学 環境情報学部学部長・教授)
  パネリスト:モリー・ギャビン、マルク・ファンコペンノール、ロズウェル・ウォルフ

 《セッション2》
  ~インターネットガバナンス及びサイバーセキュリティの共通認識の確立~
  モデレータ:中西 宏明(株式会社日立製作所 取締役会長 代表執行役)
  パネリスト:篠原 弘道、キャサリン・ブラウン、マーク・ヒューズ

 《特別イベント》
  ICT分野における「女性の企業家精神」の育成プロジェクト発表会

 《セッション3》
  ~地球規模課題の解決とデジタル連結性~
  モデレータ:小宮山 宏(株式会社三菱総合研究所 理事長)
  パネリスト:ジョエル・カプラン、ミハエル・ローテルト、ユルン・タス、ニール・クロケット

これらはライブ中継も視聴することができるようですので、祝日ではありますが、興味のある方はご覧になってみてください。

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