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RIPE 72がコペンハーゲンで開催されます

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RIPE72カンファレンスが2016年5月23日(月)~27日(金)、デンマーク・コペンハーゲンで開催されます。

RIPE 72 Webサイト

RIPE NCCは、世界に五つある地域インターネットレジストリ(RIR)のうち、ヨーロッパ地域を担当しています。他のRIR地域と同様に、IPアドレス・AS番号の分配ポリシーについて議論を行うフォーラムが設けられており、メーリングリストおよびオフラインミーティングで議論を行っています。

RIPEカンファレンスは、RIPE地域内(ヨーロッパ・中東)における運用者が中心に参加する500名規模のカンファレンスです。テクニカルプレナリーセッションや各種BoFの他、さまざまな分野のワーキンググループ(オープンソースソフトウェア、IPv6、DNSやルーティング、インターネットガバナンス等)が設けられています。


◇RIPE72カンファレンスにおけるAddress Policy Working Groupセッション

アドレスポリシーについてはAddress Policy Working Groupにて、メーリングリスト及びミーティングで議論を実施しており、RIPE72でのAddress Policy Working Groupセッションは5月25日 日本時間17:00-18:30、19:00-20:30(現地時間09:00-10:30、11:00-12:30)に予定されています。

以下では、現在RIPE地域で議論されているアドレスポリシー提案5点をご紹介します。現在議論中のこれら提案は、IPv4アドレスの最後の/8や移転に関する内容が中心ですが、プレフィクスフィルタリングを行ううえで、RIRと連動していないIRR等でも正当なアドレスの分配先を確認しやすいようRIPEのシステムでのAPI-key systemを利用した認証を認めることを求めている提案(2016-02)もあります。

前回から継続して議論している提案も二点(2015-04及び2015-05)あり、JPNIC blog「RIPE 71がブカレストで開催されます」でご紹介しています。

Address Policy Working Groupセッションでは、次項で紹介する五点の提案のうち、チェアがRIPE72での議論の必要性を確認した提案について議論する他、「Market Concentration in the Transfer of IPv4 Space(IPv4アドレス空間における市場の集中)」と題した発表も行われる予定です。また、「Open Policy Hour」と呼ばれる時間も設け、ここで提案にまで至らないがポリシー提案につながる可能性のあるアイディアを参加者と共有し、議論する機会もあります。この取り組みはARIN会議でも実施されています。

Address Policy WGのアジェンダはこちらからご覧ください。

◇RIPE地域におけるポリシー提案

RIPE地域で議論されている最新のポリシー提案はこちらに掲載されています。

■2015-04:RIPE Resource Transfer Policies [WGチェアの判断待ち]

RIPE地域における各種ポリシーのうち、移転関連のポリシーを参照しやすくするため、単一の文書にまとめるポリシー。以下の4点の現行ポリシー文書の中から移転関連の記述を抽出してまとめる。

  • “IPv4 Address Allocation and Assignment Policies for the RIPE NCC Service Region”
  • “IPv6 Address Allocation and Assignment Policy”
  • “Autonomous System (AS) Number Assignment Policies”
  • “Policy for Inter-RIR Transfers of Internet Resources”

■2015-05:Last /8 Allocation Criteria Revision [提案者の判断待ち]

現在RIPE地域において、RIPE NCCから分配を受けられるサイズは/22。一方、IANAの未分配在庫枯渇後、IANAに返却されたIPv4アドレスが、RIPE NCCを含めた各RIRに分配されている。そこでこれらの在庫が一定量を満たした場合、さらなるIPv4アドレスの分配を認める提案。

(変更前)
  • 割り振りサイズは、/22を一つとする
  • 2014年9月14日以降、RIPE NCCからの合計割り振りサイズを、一つのLIRにつき最大で1,024アドレスとする
  • LIRは、割り振りを受けたアドレスから割り当てを行うことを証明しなければならない
(変更後)
  • 割り振りサイズは、/22相当とする
  • LIRは、割り振りを受けたアドレスから割り当てを行うことを証明しなければならない
  • 以下の条件を満たす場合、最後の割り振りから18ヵ月毎に、/22相当の割り振りを申請する事ができる
    1. 他のLIR等にIPv4アドレスを移転していないこと
    2. RIPE NCCが割り振りを行うのに十分な在庫があること

補足:APNIC地域では、上記と同様の趣旨で、返却済IPv4アドレスの再分配として、最後の/8ブロックとは別に最大で/22の分配を受けるポリシーが2014年5月に施行されています。

APNICでのポリシー提案:prop-105 – Distribution of returned IPv4 address:

■2016-01:Include Legacy Internet Resource Holders in the Abuse-c Policy [提案者の判断待ち]

RIPE 文書ripe-563「Abuse Contact Management in the RIPE Database」を歴史的経緯を持つ番号資源の分配先にも適用する。

本文書では、番号資源の登録情報において、当該資源に関する不正利用対応窓口「abuse-c」の登録を必須としている。歴史的経緯を持つ番号資源に関する登録情報に対しても、本窓口の登録を必須とする提案。

■2016-02: Resource Authentication Key ( RAK ) code for third party authentication [議論中]

プリフィクスフィルタリングに利用されるroute objectを提供する第三者データベース(例: Level3, NTT, RADB等)の多くは、登録者の申告ベースで登録されており、上位のISPが、情報の正確性、資源の正当な分配先であるか判断することは難しい。

これらの、RIRのシステムと連動していない第三者データベースにおいて、すべての関係者が、分配先の正当性を再確認しやすいよう、RIPE NCCがすべての番号資源に対して API-key systemを利用して認証することを認めることを提案したい。これには特定のプリフィクスのより細かい経路も含む。

すなわち、ISPが顧客から署名付で提供を受けるLetters of Authorisation (LOA)の電子版、 資源認証鍵(Resource Authentication Key) 別名“RAK code”の導入を提案する。

■2016-03:Locking Down the Final /8 Policy [議論中]

1LIRにつき、RIPE地域における最後の/8ブロックから/22以上の分配を受けることを制限する提案。

  • いかなる方法で分配を受けたとしても、RIPE NCCから分配を受けた最後の/8ブロックからは1LIRにつき/22に限定する
  • 最後の/8ブロックから分配を受けた/22の移転を禁止する
  • RIPEデータベースにおけるStatus項目においてINETNUMの移転可能性を反映するために変更する
  • 最後の/8ブロックからの逆引きは1LIRにつき最大/22の範囲に制限する
  • /8ブロックから登録できる ROUTE objectsを1LIRにつき最大で/22とする

◇RIPE72カンファレンスの全体概要

RIPEカンファレンスは、アドレスポリシーに限らず、運用技術に関するコンテンツが充実しています。RIPE72における全体のアジェンダおよびPlenaryセッションの概要は以下のWebページから参照可能です。

全体アジェンダ:こちら
Plenaryセッション概要:こちら

アドレスポリシー以外の番号資源に関する発表としてはPlenaryセッションに て「IANA Stewardship Update(IANA監督権限の動向」「A Happy Story of Inter-RIR Transfer of Legacy Blocks from ARIN to RIPE(ARINからRIPE地域への歴史的PI移転に関する幸せなストーリー」が予定されています。当日は、中継が行われる予定ですので、ご興味を持たれた方はリモートで参加してみてはいかがでしょうか。


参考までに写真は、前回2015年11月にルーマニア・ブカレストで開催されたRIPE 71ミーティングの様子です。(RIPE MeetingのFacebookページより)