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News & Views コラム:紛争解決手続のIT化

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弁護士として国際仲裁や訴訟といった紛争解決手続の仕事をメインにしていますが、仲裁手続では、仲裁廷との交信や主張書面・証拠書類の提出の際は主にEmailを使用しています。また、各国に所在する仲裁人と各当事者の代理人弁護士が一堂に会することは容易ではないので、例えば証人尋問以外の、手続に関するミーティング等ではビデオ会議システムを利用することもあります。

これに対して、日本の民事訴訟における書面の提出の際には、いまだにファックスが使用されています。大量の書類を送受信する中で、ページが抜ける、写りが悪い、といったトラブルも起こります。また、裁判期日で当事者が遠隔地にいる場合は電話会議システムが日常的に使用されていますが、ビデオ会議システムの利用はほとんど進んでいません。社会におけるインターネットの発展は弁護士の業務のあり方も大きく変えましたが、その間、日本の裁判実務はさほど変化がなかったように思います。

現在、日本経済再生本部のもとで、裁判手続のIT化の検討が進められています。
ここでは、

  1. e-Filing(書面提出方法としてのサーバへのアップロード、Emailの利用等)
  2. e-Court(裁判期日におけるテレビ会議システムの利用等)、
  3. e-Case Management (Web上での日程・手続進行管理、訴訟記録の閲覧等)

がトピックとして挙げられています。

IT化にはセキュリティ面の課題もあるとされていますが、諸外国の裁判手続も相当IT化が進んでいることからすると、利用者の目線に立った上で、これらの改革を早期に実現させていくべきだと思います。


■筆者略歴

井上 葵(いのうえ あおい)

弁護士・ニューヨーク州弁護士(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)慶應義塾大学法科大学院非常勤講師。国内外の訴訟・仲裁などの紛争解決及び国際取引案件を主要な業務分野とする。JPNIC・DRP検討委員会委員長

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