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News & Views コラム:運用エンジニアとエンジニアリング・ニーズの変化

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さて、私がIT業界で働き始めた2000年、最初の仕事は30分ごとにサーバールームを見回って、ブルースクリーンになったWindows NTを見つけ次第、電源ボタンを押して再起動することでした。そのうちLinuxを触るようになり、本格的にサーバー運用をするようになったのは楽しい思い出です。

しばらくすると、ソーシャルゲームや、有名サイトで紹介されたWebページへのアクセス急増(いわゆる「Yahoo!砲」)などの、大量アクセスをさばくために何をすれば良いのかという時代になりました。まだサーバー調達に1ヶ月ほどかかっていたので、運用エンジニアは、アクセス増を予測し先回りして計画的に動けるかどうかが重要でした。

そうした中、クラウド時代になり、仮想サーバーの調達が数分で終わり、スペック変更も自由自在になり、運用エンジニアの動き方も大きく変わってきます。さらにインターネットが普及し、スマホユーザーが増え、トラフィックが増大する中、事業成長のためにインフラ運用の重要性がさらに増してきました。

特にクラウド時代では、CPUやメモリ等のリソースが足りなければ追加リソースは簡単に調達できますが、毎月のクラウド利用料金ももちろん増えます。一時的に凌いだとしても、その後チューニングやシステム改善をし、利用するリソースを減らさない限りコストは増えたまま。大体の場合はそれでは事業が長続きしません。

では、そうならないようにするには、どうすればいいのでしょうか。それは、運用エンジニアも担当分野において「ヒト・モノ・カネ・情報」の経営視点で、自社やお客様の事業継続・価値向上に貢献できるかを考え行動し、課題解決のための技術力を高め続けることだと、私は考えています。

最近ではインフラエンジニアと言わず、SRE (Site Reliability Engineer)と呼ばれる職が増えてきました。SREとは「サイトの信頼性」をエンジニアリングする役割です。インフラエンジニアと担当領域がかなり被りますが、役割が明確化されたことが革新的なポイントで、それが特にスタートアップ界隈で受け入れられた結果だと思います。

そんな運用エンジニアを取り巻く変化について論じるセッションを、Internet Week 2018で行います。ぜひお誘い合わせの上、お越しいただければ幸いです。

Internet Week 2018
価値ある運用とは何か~流行に惑わされない運用の本質を学ぼう!~


 

■著者略歴

藤崎 正範(ふじさき まさのり)

株式会社ハートビーツ 代表取締役。日本MSP協会 理事。Internet Week 2018プログラム委員、July Tech Festa実行委員、等。2005年、電気通信大学在学中にハートビーツを創業し、現在に至る。長くインフラエンジニアとして活動後、現在はグロービス経営大学院に在学中。オープンソースをこよなく愛す。福岡県北九州市出身。http://heartbeats.jp/

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