IPアドレス・AS番号の分配・移転状況をご紹介します(2017年9月~2018年8月)
ip_team IPアドレス JPNICからのお知らせ2018年度も折り返し地点となりましたが、ここ1年(2017年9月~2018年8月)でJPNICに行われた申請の統計をまとめてみたのでご紹介します。
同様の試みを3年前に行っておりましたが、今回の投稿まで時間が空いてしまいました。今後は、定期的にお届けしようと考えております。ぜひ、3年前のブログ記事と比べてみてください。
IPアドレス・AS番号の分配状況をご紹介します(2015年9月)
https://blog.nic.ad.jp/blog/statics-ip_201509/
■IPv4アドレス
JPNICでは現在、「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」から/22(1,024アドレス)、「JPNICに返却済みIPv4アドレス在庫」から/22の、合計/21を上限とした割り振りを行っています。
このような状況にある中で、IPv4アドレスの分配状況をまとめたのが以下のグラフです。
この1年間で、37件の割り振りを行いました。そのうちの11件が、IPアドレス管理指定事業者(IP指定事業者)契約締結に伴う割り振りとなっています。
IP指定事業者契約の申請や、IPv4の追加割り振りの申請は、CATVインターネット接続サービスやホスティングサービスなどを提供する組織から多く行われている傾向が、3年前から継続しているように見受けられます。
■IPv6アドレス
IPv6アドレスの分配状況をまとめたのが以下のグラフです。
この1年間のIP指定事業者への/32割り振りは11件でした。特殊用途用プロバイダ非依存(PI; Provider Independent)アドレスの/48割り当てと合わせると、おおむね月に1~2件のIPv6アドレス分配がある状況です。
/32の割り振りは、最近では地域ISPやCATV事業者からの割り振り申請が多くなっている印象です。一方で、/48の割り当ては、歴史的PIアドレスの割り当てを受けている大学からの申請が中心となっています。
■AS番号
JPNICではこの1年間に21個のAS番号割り当てを行いました。21個の割り当てAS番号のうち、2バイトAS番号が2個、4バイトAS番号が19個となっています。約9割が4バイトAS番号の割り当てになっています。
3年前の2014年10月~2015年9月では、23個の割り当てAS番号のうち、2バイトAS番号が16個、4バイトAS番号が7個でした。これと比べると、日本での4バイトAS番号への対応がかなりかなり進んだと言えるのではないでしょうか。
■IPv4アドレス・AS番号の移転
IPv4アドレス・AS番号の分配先を他の組織に変更するためには、移転の手続きを行う必要があります。JPNICではこの1年間で、55件の移転を行いました。55件の移転のうち、IPv4アドレスが52件、AS番号が3件です。ARIN (American Registry for Internet Numbers)やAPNIC (Asia Pacific Network Information Centre)といった、他のレジストリとの移転が約4割(21件)となっています。
3年前の統計では、年間の移転件数は40件でしたので、引き続きIPv4アドレスの需要があることが伺えます。また、他のレジストリとの移転は、3年前は年間10件でしたので、かなり増えていると思います。移転の申請結果は、IPv4アドレス移転履歴とAS番号移転履歴として公開していますので、こちらもぜひご覧ください。
IPアドレスに関する統計・各種リストでは、IPアドレス・AS番号の分配状況をWebページで公開しています(毎月中旬更新)。その他、JPNICオープンポリシーミーティングなどで発表も行っています。「○○のデータを教えてほしい!」など、要望がありましたら、ぜひお聞かせください。