News & Views コラム:若手社員成長のチャンス
pr_team コラムメールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでも紹介しています。今月は、日本インターネットエクスチェンジ株式会社の山添亮介氏に、これまでの経験を元にした若手社員の教育について語っていただきました。
もうすぐ4月、多くの会社が新卒や中途採用の社員を迎え入れるため、入社式や研修などの準備をしているのではないでしょうか?
“Teaching is Leaning.”という諺にもある通り、若手社員が成長するチャンスととらえ、私は以前の職場で入社1~2年目の若手社員に、研修講師や育成担当をするチューター、メンターをお願いしていました。
自らの知識不足を補える上、視野を広げる効果
があり、また新人にとっても先輩の経験や失敗談を聞け、質問もしやすいので、年長者に担当してもらうより良かったです。
ただ、講師になった若手はこの時期悩みが多く、
「どれだけ自分の知っている詳細なことを教えるのか?」
……でも、新入社員全員が自分と同じ仕事をするわけではないし……
「どれだけ広い範囲を知っておいてもらうのか?」
……業界動向やライバルの戦略など、本当は知ってもらいたいけれど、自分は知識不足だし、情報が集めにくいなぁ……
「研修資料を自分で作るべきか?」
……先輩が残してくれた研修資料はあるけれど、内容は古いし、大事なことは書いてないし。けど年度末で本業の方も忙しくて作ってる時間はないし……
などなど。
一方、チューターやメンターの悩みはさらに深く、
「新人を厳しくしつけるべきか? 優しくフレンドリーに接するか?」
「新人の仕事にこちらから細かくチェックを入れるべきか? 新人が質問してくるまで口出ししないで我慢するか?」
など、インターネット業界も会社の規模が違うし、採用人数も千差万別ですが、若手講師やメンターの悩みは共通しています。
新人の教育は一般知識から専門知識まで幅広く、「これが正解!」とか「スタンダード!」といったものはなく、相手やシチュエーションによって異なります。けれど、多くの場合、上司は若手講師やメンターに対して「今年は新人をちゃんと教育しろよ!」と命ずるだけで、誰も助けてくれません。新入社員が研修を終えて各部署に配属された後、「こんなことも研修で教えてないのか?」「今年の新人はダメだな!」と言われることが、新人よりも講師やメンターの心の負担であり、時として出社ができなくなってしまう先輩社員もいたほどです。
本来、新入社員研修は若手講師やメンター育成の機会になりますし、どちらかと言うと周囲のサポートが必要なのは新人ではなく、彼らの方なのです。職場の方々は彼らを孤立させることなく、悩みや相談に耳を傾けてください。きっと、講師やメンターは頼もしい先輩社員に成長し、もちろん新人も早期に立ち上がってくれるはずです。
さて昨年に引き続き、JPIX、JPNIC共催で、初心者向け「インターネット入門」を2018年4月16(月)~17日(火)に開催します。場所は東京の品川駅近くで、パンドウイットコーポレーション日本支社にご協力いただきます。インターネットの歴史的背景やつながる仕組みを覚え、この業界のビジネスはどう回っているのか? 将来どうなるのか?などを考察しながら、お金の流れや自分の会社のポジションなどを意識するきっかけとなります。新人や若手研修の一助に参加をご検討ください。
初心者向け「インターネット入門」 開催のご案内 ~ 自分が働く「ネットの業界」をよく知ろう ~
https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2018/20180214-01.html
■筆者略歴
山添 亮介(やまぞえ りょうすけ)
日本インターネットエクスチェンジ株式会社 代表取締役社長。KDDI株式会社に所属するが、長年ケーブルテレビのインターネット、放送事業に従事し、2016年6月から現職に就任。