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ARIN 43でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご紹介

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2019年4月7日(日)~10日(水)の日程で、バルバドス・ブリッジタウンにおいて、ARIN 43ミーティングが開催されます。ARIN (American Registry for Internet Numbers)は、北米とカリブ海周辺の一部地域を受け持つ地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)の一つです。

カリブ海地域での開催ということで、ARIN 43ミーティングに続く4月10日(水)~12日(金)の日程で、カリブ海周辺諸国のインターネット技術者が集まるCaribNOG (Caribbean Network Operators Group)が主催する、CaribNOG 17ミーティングも開催される予定となっています。

ARIN 43 Webサイト https://www.arin.net/ARIN43

APNIC (Asia Pacific Network Information Centre)地域と同様にARIN地域においても、IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論は、メーリングリストのほか、オフラインミーティングの場でも行われます。

ARINにおけるポリシー策定プロセスの詳細については、ARIN 37に関するJPNIC Blog記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。

今回のARIN 43ミーティングで議論される提案は、合計11件となっています。ARIN 42およびARIN 41ミーティングでは、それぞれ5件の提案が議論されたのに比べると、今回は提案の件数が倍以上となっています。ARIN 41ミーティング以前では、毎回10点程度の提案が議論されていたことを考えると、ARIN 42およびARIN 41ミーティングでは、たまたま件数が少なかったのかもしれませんね 😎 

ARINのホームページには、現在議論中のポリシー提案が掲載されています。この内容から、ARIN 43ミーティングでは、ポリシー提案11点について、議論が行われるようです。以下は、ARINのページから抜粋したものですが、提案内容などの詳細は、タイトルに張られたリンクから確認することができますので、ぜひ一度ご覧になられてはいかがでしょうか。

  1. Recommended Draft Policy ARIN-2018-2: Clarification to ISP Initial Allocation and Permit Renumbering(ISPの初期割り振りとリナンバリング許可の明確化)
  2. Recommended Draft Policy ARIN-2017-12: Require New POC Validation Upon Reassignment(再割り当てにおける新たな連絡先情報の認証の必要性)
  3. Recommended Draft Policy ARIN-2018-5: Disallow Third-party Organization Record Creation(第三者による組織情報の作成禁止)
  4. Draft Policy ARIN-2018-6: Clarify Reassignment Requirements in 4.2.3.7.1(再割り当てにおける要件の明確化)
  5. Draft Policy ARIN-2019-1: Clarify Section 4 IPv4 Request Requirements(IPv4アドレスの再度の分配までの期間を明確化する)
  6. Draft Policy ARIN-2019-2: Waiting List Block Size Restriction(割り振り待機者リストに掲載するIPv4アドレスサイズを制限する)
  7. Draft Policy ARIN-2019-3: Update 4.10 – IPv6 Deployment Block(IPv6対応のためのIPv4アドレスを分配するためのルール変更)
  8. Draft Policy ARIN-2019-4: Allow Inter-regional IPv6 Resource Transfers(IPv6アドレスのレジストリ間移転の許可)
  9. Draft Policy ARIN-2019-5: Validation of Abuse-mailbox(“Abuse-mailbox”の項目に登録された内容の検証)
  10. Draft Policy ARIN-2019-6: Longer Hold Time Requirements for 4.1.8 Recipients(IPv4アドレスの分配を受けた組織に、IPv4アドレス移転の移転元となるまでの期間を設定する)
  11. Draft Policy ARIN-2019-7: Elimination of the Waiting List(割り振り待機者リストの廃止)

WHOISの登録情報関連の提案は2件(2. ARIN-2017-129. ARIN-2019-5)となっています。新たなIPv4アドレスの分配に関連した提案は5件(5. ARIN-2019-16. ARIN-2019-27. ARIN-2019-310. ARIN-2019-611. ARIN-2019-7)となっていて、まだまだIPv4アドレスの分配に関心が高いようですね 🙄 

これらの提案内容は、事前に公開され、メーリングリスト上で議論が行われてから、顔を合わせてのミーティングでの議論、という流れになっています。上記の提案のなかで、現在のところメーリングリスト上での議論がもっとも活発なのは「8. Draft Policy ARIN-2019-4: Allow Inter-regional IPv6 Resource Transfers(IPv6アドレスのレジストリ間移転の許可)」です。

ARINでは、IPv4アドレスとAS番号で実施可能となっているレジストリ間移転を、IPv6アドレスでも可能とするよう、ポリシーを変更するための提案です。3月27日に、提案内容がメーリングリストで公開されて以来、約50件のコメントが出されています。提案者は、ARINにおける政策上の問題から、ARINの運用するRPKIのトラストアンカーが普及していない状況を、問題として挙げています。IPv6においてもRPKIを活用したい組織が、RPKIが普及する他のRIRにIPv6アドレスを移転することで、更なるIPv6の利用につなげていくことを提案者は想定しているのではないでしょうか。

ARINが取り扱うIPv4アドレス・IPv6アドレス・AS番号の全てで、移転のルールが統一されることに賛成するコメントが出される一方で、経路集約が重視されたIPv6アドレスの分配ルールの考え方にそぐわない、といった反対のコメントも出されています。プロバイダ非依存アドレス(PIアドレス)のみを対象として、レジストリ間移転を可能とする折衷案を提案するコメントも出されている状況です。

メーリングリストに流れたこれまでの議論の内容や当日の議論、ARIN ACによる検討の結果は、メーリングリストのアーカイブから参照することが可能です。また、ミーティング期間中は中継が行われる予定ですので、ご興味を持たれた方はリモートで参加してみてください。また、今回はARINでの提案をご紹介しましたが、JPNIC、APNICのポリシーフォーラムで議論をしてみたいと思う提案がありましたら、ぜひお聞かせください。


(ARINのFacebookページより)

写真は、2018年10月にカナダ・バンクーバーで開催されたARIN 42ミーティングの様子です。今回はJPNICからも職員が参加しますので、現地の模様は、メールマガジンやこのブログでもご紹介する予定です。