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最終日はIP Meetingへ! ISPやインフラも”新陳代謝” ~IW2019注目セッション紹介【第3回】~

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今年のInternet Weekのプログラムを紹介します。担当は本イベントの実行委員を務めている法林浩之(日本UNIXユーザ会)です。

今回ご紹介するのは、11月29日(金)に行われる全日プログラム「IP Meeting 2019 ~新陳代謝~」です。このプログラムを担当しているJPNICの根津智子さんに話をうかがいました。


法林: 例年、Internet Weekのトリを飾るのがIP Meetingです。IP MeetingのサブタイトルはInternet Weekのテーマがそのまま入ることが多いんですが、今年は「新陳代謝」ですね。

根津: はい、そうですね。テーマの説明については、IWのウェブサイトに掲載されている「実行委員長からのご挨拶」に詳しく書かれていますが、基礎的でオーソドックスな内容のプログラムは継続的に押さえつつ、新しい技術や話題も積極的に取り入れていきたい、ということのようですね。

今回のIP Meetingはそのコンセプトを踏まえ、プログラム作りについては結構苦労がありました。。

法林: IP Meetingの場合、午前の部で今年のインターネットを振り返り、午後の部で来年以降のことを占うという構成になるケースが多いですが、今年のテーマに照らし合わせると、午前が継続的にやっていることで、午後が新しいことという感じですかね。

根津: 大きく言えばそうなるかな、と思うのですが、午前の部でも「新陳代謝」を意識して、押さえるべきところと今後をミックスしてみたりもしています。例えば、最初のプログラムは毎年ご覧いただいているNTTコミュニケーションズの吉田友哉さんによる、「インターネットの運用動向」なのですが、それに続けて、INTEROPのShowNetに関する報告が新たに加わります。なぜにShowNet?と思われる方もいるかと思うのですが、ShowNetって、ショウ、ネットというくらいで、最先端のネットワークのショーケースです。つまり、運用動向で今の傾向をバッチリ押さえ、それから最新というか、これから来るだろうというネットワークについても押さえて欲しいと、こういう仕立てにしてみました。

法林: おー!INTEROPとInternet Weekって、業界的には近いのにこれまで接点がなかったですよね。自分もかつてShowNetに携わっていたので、これはとても楽しみです。

根津: それから、社会とインターネットの関わりについての時間も設けまして、海賊版サイト対策の話や、データの取り扱いについての話題をお送りする予定です。

法林: そして午後の部なんですが、「インターネットの新陳代謝 ~ISPの仕事が変わる・ハードウェアからソフトウェアの時代へ~」というタイトルのもと2部構成になっていますね。まず第1部はどんな内容ですか?

根津: 午後の第1部は「ISP、令和の新陳代謝わくわく大作戦」と名付けました。ISPにおけるサービスや考え方の変遷、そして今の取り組み・今後の取り組みを、関係各社の方々にお話しいただこうと思っています。

法林: わくわく大作戦!!。ISPって1990年代から続いている事業で、最近はインターネットにつながることが当たり前になってしまった感もあり、今さらワクワクするような話題があるのか?という疑問がわくのですが、どうなんですか?

根津: パネリストになる方とミーティングをしたのですが、みなさんそれぞれのお立場で、ワクワクなさっているようですよ!もちろん、それには、それぞれのお立場なりの努力や秘訣があると感じました。

何でも長く続けていると、そして一度提供しはじめたサービスは決して止められないんだ、と思ってしまうと、実に多くのものが積み上がってきて、それをこなすだけで人は忙殺されしまいます。それが悪いということではありません。それだけ責任のあるサービスを提供し続けられることは価値があることです。

しかしそういう中で、「これじゃいかん」という行き詰まり感を感じたとしたら、、、当たり前ですが、日々忙殺されている中においては、新しいことを考える余裕はなくなってしまう、ということは誰しも同じですよね。

では、どうやってみなさんワクワクしているのか?その秘訣はセッションに来てもらって聴いてもらいたいので、今ここで簡単に言ってしまう訳にはいかないのでありますが(笑)、少しサービスすると、やはり皆さん、いろんな取捨選択をされているなぁと感じます。そうやって選択し、自分たちの強みを活かしているということでしょうか。

法林: なるほど。おもしろそうですね。そして第2部は「『新しいフィールド』を楽しもう」というタイトルになっていますが、これはどんなことを?

根津: こちらは、一言でいうと「変化を楽しもう」ということをお伝えしたくて企画しました。ISPと一言で言っても、また法林さんが言うように1990年代から続いている事業だと言っても、ISPの皆さんは、約30年の間に数知れない変化を経験されてきていると思うんですね。回線の状況も変わったし、ユーザーや使われ方、プレイヤーも変わってきています。

で、これからの変化って何だろう?ということです。新しい技術、例えば、ISPに関係ありそうな新技術の代表例としては、5Gなどモバイル環境の変化があります。国内の通信インフラというスコープで、今、 起こっていることを押さえつつ、こうした変化についてどのように考えて取り組んでいくべきかを、パネルディスカッションを通じて、参加者の皆さんと一緒に考えていければと思っています。「新しいフィールドへの挑戦」ですね。

法林: インフラの分野もまだまだ新陳代謝していくんですね。それでは最後に、どんな方にIP Meetingを聴講してもらいたいですか?

根津: IWのウェブサイトには「Internet Weekに参加したすべての方」と書いてあって、基本的にどなたでもウェルカムなのですが、強いて言うならインターネットの管理運用分野の全体的な流れを知りたい方や、忙しくてIW期間中の1日しか行けないという方には、ぜひこのIP Meetingをおすすめしたいです。

すでにInternet Weekの登録は締め切られていますが、当日の参加も可能ですので、ぜひ多くの方に聴いていただければと思います。

法林: ありがとうございました。IP Meetingの後には懇親会もありますので、そちらもぜひご参加ください!懇親会の〆に「蛍の光」を聴くまでがInternet Weekです!

 

D4 IP Meeting 2019~新陳代謝~

https://www.nic.ad.jp/iw2019/program/d4/

日時 2019年11月29日(金) 09:30 ~ 17:30
場所 2Fホール
参加料金 <事前11,200円/当日17,000円>
※D1~4にすべて参加できるDセット割引料金(30,600円)もあります。3日以上Dプログラムを申し込んだ方に適用されます。
概要

IP Meetingは、Internet Weekを総括する、メインプログラムです。Internet Weekに参加いただいた誰にとっても今後の示唆となるよう、その年のネットワークの状況を総括し、最新動向を伝え、今後に向けた議論を行う会合として機能してきました。

午前中のプログラムでは「2019年のインターネット動向を振り返る」と題し、技術的・社会的側面の両面から、今年のインターネット動向を振り返ります。

午後には、今年のIWのテーマ「新陳代謝」というコンセプトのもと、今後の示唆になるパネルディスカッションなどを用意しています。

このようにIP Meetingは、「現在」について把握し、「今後」について考え共通理解を作ることで、あらためてインターネットをとらえなおす機会とします。

※IP Meetingは、Internet Weekの母体とも言うべき会議で、JEPG/IP (Japanese Engineering & Planning Group/IP)によって1990年に第1回が開催されて以来毎年開催され、今回は28年目を迎えます。

内容

 

 

午前の部 2019年のインターネットと社会動向

09:30~10:20 2019年インターネット運用動向

  • 吉田 友哉(NTTコミュニケーションズ株式会社)

今年のルーティング・トポロジー・トラフィック・DNS・セキュリティ等の運用の動向を総括し、これからの運用の方向性を提示します。

10:20~10:55 Interop ShowNetに見る、これからのインターネット

  • 渡邊 貴之(ジュニパーネットワークス株式会社 エンタープライズ技術第一本部 部長)

Interop Tokyo ShowNetは、「2600台以上の製品・サービスと、約450名ものトップエンジニア達が、本ネットワークの設計、構築、運用するためだけに幕張メッセに集結する、ほかに例を見ない巨大プロジェクト」です。ここにおける先進ネットワークの設計・設営・相互接続への取り組みは、今後のインターネットを先取りしていると言えます。Interop Tokyo ShowNet NOCチームメンバーにInterop Tokyo 2019における取り組みと同時に今後の展望についても語ってもらいます。

11:00~12:30 2019年インターネットをとりまく社会の動向ダイジェスト

今年も社会において、インターネットをとりまく話題が数多くありました。その中で、今年は次の2点を取り上げます。

  1. 海賊版サイト対策の問題と背景
  • 吉浜 丈広(グリー株式会社)
  • 森 亮二(弁護士法人英知法律事務所)

海賊版サイト対策、特にブロッキングの法制化に関する問題と背景事情

  1. データの取り扱いと社会のアーキテクチャを考える
  • 眞野 浩(一般社団法人データ流通推進協議会)
    • Society 5.0
    • 最近聞くData Free Flow with Trust (DFFT)って何?
    • トラストサービス
    • プライバシーと越境データ
    • デジタル手続法

午後の部 インターネットの新陳代謝 ~ISPの仕事が変わる・ハードウェアからソフトウェアの時代へ~

13:30~15:00 第1部:ISP、令和の新陳代謝わくわく大作戦

1992年に日本で商用インターネット接続が始まって27年。この間にもISPは事業環境やトレンドの変化に合わせて新陳代謝を繰り返してきました。元号が令和となった現在、ISPではどのような新陳代謝が行われているのでしょうか。

IT業界全体のトレンドの一つとして「所有から利用」へのシフトがあります。国内のISPはもともとフレッツ網を代表として、設備を所有せず、利用することでサービス提供することが一般的に行われてきました。さらに、ISPと一言でいってもその形は多様で、どこまでを所有し、どこまでを利用するのかは事業者によって大きく異なるポイントです。

本プログラムでは、ISPという仕事のこれからを考えた場合に、自社にどのような新陳代謝の選択肢があるのか、インターネットへの接続性提供を基幹とするISPの事業をどのように維持向上していけばよいのか。現在の在り方(AS-IS)の共有を通じて次世代のISPの仕事の仕方を考えていきます。

  • 松下 和弘(株式会社イプリオ)
  • 黒川 英貴(ビッグローブ株式会社 コンシューマ事業本部 サービスデザイン統括部 統括部長)
  • 佐藤 正樹(株式会社ファミリーネット・ジャパン)
  • 衣笠 茂浩(株式会社インターネットイニシアティブ ネットワーククラウド本部 エンタープライズソリューション部 メールソリューション課 課長)

15:30~17:30 第2部:「新しいフィールド」を楽しもう

今後のISPの仕事を考えるにあたって、モバイル技術等の「新しいフィールド」のウォッチは欠かせないのではないでしょうか。このプログラムはまず、国内の通信インフラというスコープで、今、起こっていることを押さえつつ、5G等のモバイル技術を中心とした「新しいフィールド」を俯瞰することで、新しい取り組みへの挑戦を共に考えていきます。

  • 伊賀野 康生(株式会社企 チーフ・テレコム/メディア・コンサルタント)
  • 熊本 豊(ミテネインターネット株式会社)
  • 岸田 重行(株式会社情報通信総合研究所)
  • 山口 亮介(BBSakura Networks株式会社 取締役 COO)
  • 成田 翔一(レンジャーシステム株式会社 5Gインテグレーション推進室)
対象者
  • Internet Weekに参加したすべての方

昨年のIP Meeting 2018の様子