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News & Views コラム:ネットワークエンジニアが興奮するフィールド

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メールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでも紹介しています。今月は、JANOG (JApan Network Operators’ Group)で会長をお務めになっている、平井則輔さんによるコラムです。JANOG運営にどのような想いで関わってきたのか、その熱い想いが語られています。


JANOG会長の平井です。

突然の私事なのですが、2019年12月13日で14年勤めた会社を退職することになりました。そして、このコラムが配信される頃には、新たな職場となります。追々、JANOGとの関わり方も変化するかもしれません。そんなタイミングですので、本コラムでは、JANOGをどんな想いを持って運営していたのか少し書いていきたいと思います。

■ 想いをイメージする

ネットワークエンジニアが興奮するフィールドを実現したい。しかも、それはインターネット的な枠組みで。一言で表せば、そんな想いでこれまでJANOGの運営を行ってきました。

では、興奮するフィールドとは何か?

・挑戦意欲を刺激し、成長のチャンスがある
・技術的な問題や定義がオープンになり、趣味や遊びではない、ビジネスにつながる真の議論がなされる

といった場をイメージしています。

その興奮したエンジニア同士の出会いから、新たなアイディアが生まれ続けていることは、インターネットの歴史が証明しています。

■ 大切にしてきたこと

ちょっと硬派な想いを持つ一方で、JANOGとして大切にしてきた価値観は、誰でもいつでも入れること。そして、いつでも出られること。参加することに、特別な条件や資格を設けないことです。参加の意思さえあれば、インターネットの運用に直接関係なくても誰でも参加できる。意志ある誰かが、必要なものを用意する。そして、貢献したい気持ちを持つ誰かがそれを支える。そんなインターネット的な枠組みを意識しました。今までもJANOGはそうでしたし、これからも、そうあるんだろうとおぼろげに思ってます。

■ 変わること、続けること

14年前、JANOGにはじめて参加したとき、その組織を越えたオープンなディスカッションにびっくりしたことをよく覚えてます。その頃と比べるとインターネットは、社会的にも不可欠なインフラとなっています。どこか牧歌的で、叙情的ですらあったインターネットオペレーションも、今となってはクオリティやビジネス的な厳しさを強く求められるようになったと感じています。JANOGも、それに合わせてずいぶんと変わってきたなと思います。JANOGメーリングリストの流量は、以前と比べ少なくなったものの、2018年1月に開催したJANOG41@広島以降、本会議の参加者は1,000名を越え続けています。発表セッションも、3つ並行して行われることもあるほど、ずいぶんと増えました。また、地域NOGやPeering in Japanなどの、特定の話題に特化したコミュニティでの情報交換も活発化し、さらに濃く深い議論ができているように感じます。

■ 願いごと

つれづれなるままに書いてきましたが、必要な人がそのとき必要なものを用意してきたことが、いまのJANOGにつながっているんだなと思います。日本のネットワークエンジニアが自然体でいられる場所が、たまたまJANOGだった。そんな営みを、これからも続けてほしいと願います。

最後に、IPの”あ”の字も知らなかった人間が、こんなにもインターネットを好きになり、こんなにも長く「好き」を仕事にできたのは、ひとえにみなさまのお力添えのおかげだと、大変感謝しております。本当にありがとうございました。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

■筆者略歴

平井 則輔(ひらい のりすけ)

2005年、ソフトバンクBB株式会社(現ソフトバンク株式会社)に入社。ソフトバンクネットワークの対外接続の企画設計、IPアドレス設計、各種ブロードバンドサービスの技術企画業務に従事。BBIXに出向し、SEとしてAS運用導入サポートに従事。

並行して、2013年よりJANOG運営委員、2015年9月に副会長、2017年9月より会長を務める。

2019年12月13日にソフトバンクを退職。12月16日より、東京都の職員として都のデジタルシフトを推進予定。

ビートルズとヘビメタが大好き!

 


今日はクリスマスですね。
JPNICが入居するビルのエントランスには、こんなクリスマスツリーが飾られています。皆さま、ステキなホリデーシーズンをお過ごしください!!

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