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RIPE 81がオンラインで開催されます

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2020年10月27日(火)~30日(金)の日程で、RIPE 81ミーティングが開催されます。RIPE NCC (Reseaux IP Europeens Network Coordination Centre)は、世界に五つある地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)のうち、ヨーロッパおよび中東地域を担当するRIRです。

前回のRIPE 80ミーティングに引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、オンラインでの開催が予定されています。前回はオンライン会議システムのZoomを利用して開催されましたが、今回よりMeetechoというプラットフォームが採用されています。IETF (Internet Engineering Task Force)では以前から使用されていたようですが、使い勝手がどのように変わるかも注目したいと思います。参加方法は従来同様RIPE 81ミーティングのWebサイトより参加登録を行うと、ログイン用のユニークURLが送られてくるようになっています。

RIPE 81 Webサイト

APNIC (Asia Pacific Network Information Centre)地域と同様に、RIPE NCC地域においても、IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論は、メーリングリストのほか、オフラインミーティングの場でも行われます。

前回のRIPE 80ミーティングでは会期が3日間となっていましたが、今回は1日増え、4日間となっています。ただし、オンラインでの参加者への配慮として1コマ(ワーキンググループ)あたりの時間枠は通常90分のところ、短縮して45分となっています。タイムラインおよび各セッションの詳細は、以下より参照可能となっていますのでぜひチェックしてみてください。

●ミーティングプラン

RIPE NCCのポリシー提案の進行状況はWebサイトで確認できますが、現在、進行中のポリシー提案はありません。

今回のAddress Policy WGでは 以下のようにアジェンダが発表されています。

Current Policy Topics (最新のポリシー動向について)

– global policy overview ”what’s going on? (グローバルポリシーの概要)

IPアドレスポリシーには、各RIRで策定・運用されるリージョナルポリシーと、全世界的に適用されるグローバルポリシーの2種類が存在します。ここではグローバルポリシーについて現在の状況などがレポートされるようです。

– common policy topics in all regions (全地域で議題となっているポリシーについて) 

IPv4や移転など、テーマ別に各RIRで策定されるポリシーをレビューしていきます。直近ではLACNICの国際移転制度の実装がスタートし、AFRINICでも先日のミーティングで国際移転の提案がコンセンサスに至るなど、移転に関して大きなニュースが入ってきています。これらを含めて、他RIRのポリシーの動きに関して報告・意見交換が行われると思います。他のRIRでは、このように網羅的に他のRIRのポリシーを確認できるセッションはあまりないので、RIRのポリシー議論に参加したことのない方はぜひ聞いてみてはいかがでしょうか。

– overview over concluded proposals in the RIPE region since RIPE 80 (RIPE80で議論終了となった提案に関して)

前回のRIPE 80ミーティングで議論された提案を再度振り返りするようです。RIPE 80では2件のポリシー提案が議論されました。

  1. 2019-04:Validation of “abuse-mailbox” (“abuse-mailbox”の登録内容確認)
  2. 2019-08:RPKI ROAs for Unallocated and Unassigned RIPE NCC Address Space (未分配アドレスのROA作成)

各提案に関しては前回の記事にて解説しておりますので、こちらもぜひご確認ください。

RIPE 80でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご紹介

RIPE NCCでは前回の議論の後、両提案は”Withdrawn (取り下げ)”のステータスとなっています。APNICではすでに実装に至っている両提案が今後どのように扱われるか、注目したいと思います。

Archived Policy Proposals

 

Feedback from NCC Registration Service (RIPE NCCのレジストリサービスへのフィードバック)

番号資源管理に関して、オープンマイクの様に自由にディスカッションを行うようです。

Presentation about the Seizure of the “Right to Registration of IPv4 Addresses” (IPv4アドレス登録権の差し押さえについて)

2019年12月にRIPE NCCはオランダの裁判所より、IPv4アドレス登録権の差し押さえを命令されました。これはメンバーの一つが第三者との間に紛争を起こし、第三者側は金銭回収の手段としてIPv4アドレスの登録権を差し押さえようとしたことによるものです。その結果、裁判所はRIPE NCCへ当該アドレスの移転を防止し、オークションの後に購入者へ移転するように命令しました。本件を受けて、RIPEはIPアドレス登録権の差し押さえに対応する基準を明確化し、公開されているマニュアルのアップデートを行うそうです。この発表ではこのアップデートに関して、法律顧問であるCiaran Byrne氏から報告されます。

日本では見られない事例ですが、起こりえない話ではないので注目して聞きたいと思います。

本件の詳細はRIPE Labsで記事にされていますので、以下もご参照ください。

RIPE Labs: A First for the RIPE NCC: Seizure of the “Right to Registration of IPv4 Addresses” for the Recovery of Money


ポリシー提案こそありませんが、注目すべき話題は多くあるように思いますので、確認していただければと思います。

RIPE 81ミーティングは中央ヨーロッパ時間で開催され、日本との時差は7時間です。日本の夜の時間帯がメインになりますが、17時頃からプログラムが始まるので、前半のセッション等は比較的参加しやすいのではないでしょうか。

オンサイトの際は有料であるカンファレンスが無料で、どこにいても参加できるというある意味絶好の機会ですので、これを機にRIPEミーティングに参加してみてはいかがでしょうか。