APNICミーティングはどこで開催されるの?
ip_team IPアドレス 他組織のイベントIPアドレス・AS番号の分配ポリシーや、インターネットの技術に関する議論を行う場として、春はAPRICOT/APNICミーティング、秋にはAPNICミーティングが開催されることは、このブログの読者の方であれば既にご存知かと思います 🙂
これらのミーティングの開催地はどのように決められているかについて、みなさんご存知でしょうか?今回は、この点についてご紹介したいと思います。
APNICでは、56の国・地域を対象としてIPアドレス・AS番号の分配や管理を行っています。対象の地域を「Eastern Asia (東アジア)」「Oceania (オセアニア)」「South-eastern Asia (東南アジア)」「South Asia (南アジア)」の大きく4つのサブリージョンに分けています。
APNIC serves the Asia Pacific region
出身地やサブリージョン内の事情への詳しさなどに応じて、APNIC事務局内の担当者も決められているようです。日本はEastern Asia (東アジア)に分類されています。日本のAPNIC会員やJPNICスタッフからの問い合わせや申請には、日本の状況を理解しているAPNICスタッフが対応を行うようになっています。
ミーティングについても、このサブリージョンの考え方が生かされています。春のミーティングと秋のミーティングで、同じサブリージョンとならないように考慮した形で、開催するサブリージョンをローテーションするようになっています。
サブリージョンは4つですので、各地域では、ミーティングが4年に1回開催されることになります。春のミーティングと秋のミーティングはそれぞれ独立してローテーションしていて、2年に一度、春か秋のいずれかのミーティングが開催されるように設計されています。言葉で説明するよりも、下の表を見ていただいたほうがわかりやすいですね。
開催年 | 春のAPRICOT/APNICミーティング | 秋のAPNICミーティング |
2017年 |
東南アジア (ベトナム・ホーチミンシティ) |
東アジア (台湾・台中) |
2018年 |
南アジア (ネパール・カトマンズ) |
オセアニア (ニューカレドニア・ヌーメア) |
2019年 |
東アジア (韓国・大田) |
東南アジア (タイ・チェンマイ) |
2020年 |
オセアニア (オーストラリア・メルボルン) |
南アジア (バングラデシュ・ダッカ) ※オンライン開催に変更 |
2021年 | 東南アジア | 東アジア |
2022年 | 南アジア | オセアニア |
2023年 | 東アジア | 東南アジア |
2024年 | オセアニア | 南アジア |
さて、先日ご紹介したJPNICブログの記事「2020年のIPアドレス・AS番号分配ポリシーを振り返る」では、世界に五つある地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)のほぼ全てのミーティングが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、オンサイト開催(現地開催)を取りやめ、オンライン開催(リモート参加のみ)とする形式へと変更されたことをご紹介しました。
2021年1月13日に、春のミーティングを主催するAsia Pacific Network Operators Group (APNOG)と秋のミーティングを主催するAPNICは、春のミーティングと秋のミーティングを当面の間オンライン開催とすること、開催するサブリージョンのローテーションを一時停止することを発表しました。
定期的に状況を確認して、オンサイト開催のローテーションを再開する際には、2021年春のミーティングを開催予定となっていた、フィリピン・マニラから再開されるとのことです。再開の決定以降の開催予定は以下のようになるようです。
開催年 | 春のAPRICOT/APNICミーティング | 秋のAPNICミーティング |
202x年 |
東南アジア (フィリピン・マニラ) |
東アジア (日本・札幌) |
202y年 |
南アジア (バングラデシュ・ダッカ) |
オセアニア (開催地未発表) |
202z年 |
東アジア (香港) |
東南アジア (開催地未発表) |
202a年 |
オセアニア (フィジー) |
南アジア (開催地未発表) |
ところで、2021年秋のミーティングが北海道札幌市で開催予定となっていたことを、JPNICブログの記事やメールマガジンでご紹介していたかと思います。APNICとAPNOGの決定を受け、札幌市での開催もオンライン開催に変更となってしまいました。
JPNICとしても、とても残念な決定になってしまいましたが、多くの人が安心してミーティングに参加できる状況に早期に戻ることを願って止みません。
IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する動向は、JPNICブログやメールマガジンでご紹介しているほか、JPNICオープンポリシーミーティングなどでも、最新の情報をご案内しています。オンサイト開催になるまでの間は、これらを有効にご活用いただければと思います。