JPNIC Blog JPNIC

News & Views コラム:大晦日のトラフィック傾向

pr_team 

メールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。今月は、Internet Week 2020のプログラム委員をお務めいただいた辰巳智さんに、特徴的であった2020年大晦日をはじめとする昨今のトラフィック傾向から見えることについてお書きいただきました。

 


あけましておめでとうございます。みなさまは、正月はどのようにお過ごしでしたか。私はとても楽しい(?)正月を過ごすことができました。

私は業務で、バックボーンの設計から運用、ピアリング、トラフィックエンジニアリングなどを行っています。

今回の大晦日は、COVID-19により初詣の分散化、また、鉄道会社各社の終夜運行取りやめ、年越しライブやイベントなどで無観客インターネットライブ配信になったところがいくつかありました。例えば、人気アイドルグループの活動休止なども重なり、多くのライブが大晦日にインターネットで配信されたようです。今回は自粛モードで外出せず、インターネットを利用したライブ視聴や動画の視聴などの利用がかなり多かったように思います。

大きなイベントがいくつも予定され、インターネットで配信されるコンテンツが多数ありました。トラフィックがどの程度増えるかなかなか予測が立てられないまま、年末に向けて設備増強などの対応をしました。次年度分を踏まえて先行増強で配信に関わる設備を増強した結果、2倍ぐらいになりました。年々トラフィックが増え続けているため、無駄な設備増強ではありません。

例年のトラフィックの傾向としては、年末年始は普段の平日と比べておおよそ30%ぐらい減るのですが、2020年の年末は12月の平日夜のピークぐらいありました。大晦日は、このような状況だったため、想定外のところからトラフィックが流れてきていないかなど、状況を楽しく見ていました。例年は、のんびり大晦日を過ごすのでけどね……。

大規模の配信には、CDN (Content Delivery Network)というものが利用されることが多く、通信事業者内に設置されたキャッシュサーバや、ピアなどの近いところから効率よく配信される仕組みです。これが正しく配信されているか、特にピア先からくる場合輻輳していないかなど、モニタリングする必要があります。インターネットはすでにインフラ化しており、大きなトラフィックが発生するだろうイベントはチェックしながら、障害にならないように運用を行っています。お金を払ってライブ配信が見られないとなると、大変ですからね。

2020年はこのようにライブやゲームの配信、テレワークや巣ごもりなど、トラフィックの変化の多い1年でした。今後、生活スタイルの変化、インターネットによる高画質ライブ配信などもさらに普及するようになり、トラフィックは大きく増える一方だと見ています。この辺あたりについては、例年11月に開催されるInternet Weekのプログラム「IP Meeting」における「インターネット運用動向」あたりで毎回紹介されていますので、トレンドが気になる方はぜひご覧ください。2020年開催分は、3月ごろに資料公開される予定です。

今後もトラフィックが瞬間的に急増するスパイクが目立つようになると思いますので、スパイクする前提で余裕を持った設計で運用していく時代に入ったのではないかと感じています。

と、つらつらと執筆しながら感じたのですが、最近の私のお酒のおつまみは、増え続けスパイクするトラフィックなのかもしれません。だいたい、くつろいでいる時間にやってきますね、スパイクは。こういうお仕事をしたい方は、ぜひご連絡くださいませ(笑)。

 


■筆者略歴

辰巳 智(たつみ とも)

2015年某ISPに中途入社。バックボーンの設計、構築、運用を行う。
主にバックボーンに関わる設備からピアリングまで担当。

コミュニティ活動

  • Internet Week 2019, 2020 プログラム委員