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NRI年次会合での議論内容のご紹介

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2021年6月から7月にかけて、国別・地域別IGF活動(National Regional IGF Initiative, NRI)のフォーラム/イベントがいくつか開催されましたので、以下の三つについてセッションの傾向の概要を説明します。

IGFとは

今さらになりますが、インターネットガバナンスフォーラム(IGF)とは、インターネットガバナンスに関連する公共政策課題を議論するためのグローバルなマルチステークホルダー・プラットフォームです。

IGFは、2003年および2005年に開催された国連情報社会サミット(WSIS)の最も重要な成果の一つであり、WSISは国連事務総長に対し、インターネットガバナンスに関する問題を議論するための多国間、マルチステークホルダー、民主的かつ透明性のあるプラットフォームとして、2006年7月18日にIGFを正式に招集するよう要請しました。

制度的には、国連経済社会局(UN DESA)が運営するIGF事務局が支援し、事務総長が毎年任命するIGFのマルチステークホルダーアドバイザリーグループ(MAG)の助言に基づいてIGFの年次会合のプログラムが作成されます。

2006年以降、これまでに15回のIGF年次総会がさまざまな政府によって開催されました。2021年のIGF年次総会は、ポーランド政府が主催し、12月6日から10日までカトヴィツェで開催されます。IGF 2022はエチオピア、IGF 2023は日本、IGF 2025はロシア連邦がホスト国となる予定です。IGF 2024の開催地はまだ確定していません。

NRIとは

NRIとはIGFの手順やプロセスを反映した国別・地域(アジア太平洋、欧州、西アフリカなど)別のIGFプロセスのことで、各コミュニティにとって最も関連するインターネット政策課題についての対話や協力の促進に重点を置いています。NRIはIGFの主要原則、つまり

  • オープンで透明
  • 包摂的(inclusive)
  • ボトムアップ
  • 非商業(non-commercial)
  • マルチステークホルダー

に従って、IGFのような年次会合の計画と構成を立てて活動しています。各NRIはIGF事務局により認定されます。本稿執筆時点では、135のNRIが認定されています。

日本では、Japan IGFとして、IGF-JapanIGCJが共同で日本のNRI活動を行ってきています。

 

EuroDIG

EuroDIGは、欧州全域でインターネットガバナンスに関する対話を行うためのオープンなプラットフォームです。欧州委員会欧州評議会European Telecommunications Network Operators’ Association (ETNO)、ICANN、ISOC、RIPE NCCなどがサポートしているとなっており、EuroDIG Support Associationがスイス法人として2012年に設立されています。2021年の年次会合は、6月28日(この日はプレイベントのみ)から30日まで開催されました。

IGF-USA

Internet Governance Forum USA (IGF-USA)は米国の国別IGFで、マルチステークホルダーによる取り組みだと記載されています。運営委員会はすべてのステークホルダーに対して開かれており、事務局はInternet Society Washington D.C.支部が提供しているとのことです。2021年の年次会合は7月14日と15日に開催されました。

Fórum da Internet no Brasil (FIB)

FIBはブラジルの国別IGFで、2011年以来毎年開催されています。主催はブラジルインターネット調整委員会(Comitê Gestor da Internet no Brasil; CGI.br)で、マルチステークホルダーからなる作業部会(WG)がプログラム選考などを行います。2021年の年次会合(FIB11)は、7月26日から30日まで開催されました。

2021年にこれらのNRIで議論された内容

EuroDIG 2021で使用された以下の分類にEuroDIG 2021、IGF-USA 2021、FIB11の全セッションを当てはめてみました。

  • インターネットガバナンスエコシステムの発展
  • アクセスおよびリテラシー
  • イノベーションおよび経済の課題
  • 技術・運用に関する課題
  • 人権 
  • セキュリティと犯罪
  • 分野横断/その他
  • メディアおよびコンテンツ

以下、Google Spreadsheetにセッションの一覧を並べてみましたので、お好みの項目で並べ替えが可能です。

全セッション一覧

この中で技術・運用に関する課題はわずか1セッションで、多いのがアクセスおよびリテラシー、人権、分野横断/その他、メディアおよびコンテンツの4分野でした。インターネットガバナンスに関する課題は複数分野にまたがったり分類が難しかったりするものも多いため、分野横断/その他にさまざまなセッションが入ってしまい、精緻な分類ではないかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。

最後に

JPNICも参加している、IGF 2023に向けた国内IGF活動活発化チームでは、IGF2021国内事前イベントにおけるセッション提案を募集しています。締め切りは8月10日ですので、応募はお早めに!