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News & Views コラム:国際的なフォーラム活動で直接会うことによる人間関係づくりの効用

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メールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。2022年4月は、国際標準化関連の活動で活躍なさっているGMOグローバルサイン株式会社の稲葉厚志さんに、国際的なフォーラムで人間関係を構築する上での、対面でのやりとりの効用についてお書きいただきました。

 


仕事で初めて海外に行ったのは30年位前(現在勤務している会社ではありません)になりますが、それ以降縁があってか、仕事での海外出張をたびたび経験することとなりました。現在勤務しているGMOグローバルサインでは、CA/Browser Forum、Asia PKI Consortium、ETSI TC ESI (Technical Committee Electronic Signatures and Infrastructures)といった国際的なコミュニティのFace-to-Face Meetingへの参加が海外出張の主な目的で、これらのミーティングは比較的固定されたさまざまな国々からのメンバーが数ヶ月ごとに集まって開催されてきました。

コロナ禍の状況下2020年春以降、一堂に会することが難しくなりオンラインミーティング形式でのVirtual Face-to-Face Meetingに取って代わられる状況が続いていますが、実際に対面していた時期に醸成された人間関係があることで、日本からのオンラインミーティング参加は時差の都合で深夜になることが多いにもかかわらず、過度な疲労やストレスを感じないでいられるのかなと最近思います。もちろんメンバーが入れ替わることはありますが、すでに面識のある誰かが間に入るなどしてくれているためか、いきなり知らない人が参加してきたという感覚が薄れるのかもしれません。自分の経験を振り返ると、どのFace-to-Face Meetingもそうでしたが、1人で海外へ行って初めて参加するというのは結構ドキドキものでした。仏頂面はしない、Yes or Noははっきり言い、話されていることがわからない時はわからないと伝え聞き直す(私が英語をネイティブに話せるわけではないので、相手の人は大変だったかもしれませんが)等々を心掛けようと思いましたが、実践できていたかは自信がありません。

ただ、何回か参加して自然とそうするようになったと思うのですが、初めてFace-to-Face Meetingの場に参加する人を見つけると、その人はきっと自分と同じようにドキドキしたり心細かったりするのではと勝手に考えて、私の方から「こんにちは」や「ようこそ」の挨拶をする習慣がつきました。そうすると、休憩時間や食事の際などに片言でもコミュニケーションする機会が増え、私がすでに面識のあるメンバーへ紹介するなどして、人間関係の輪が広がっていくことをより強く実感できるようになりました。また、こういった人間関係が発展して、コミュニティを離れた場で個別に相談したりされたりということがあるというのも、成果如何にかかわらず妙にうれしかったりします。コロナ禍でのこの2年間に、各コミュニティへ新メンバーとして参加してきた人々と直接会って新たな人間関係を醸成できるよう、各コミュニティでのFace-to-Face Meeting再開を待ち遠しく感じる今日この頃です。

 


■筆者略歴

稲葉 厚志 (いなば あつし)

GMOグローバルサイン株式会社 事業企画部に所属。1990年代後半の電子認証事業黎明期よりPKI/電子認証に関わる事業開発に従事。CA/Browser Forum、Asia PKI Consortium、ETSI Technical Committee、Electronic Signatures and Infrastructuresおよび国内外協議会、フォーラムメンバーとしてガイドライン策定や啓発・提言活動に参画。

 

 

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