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ICANN76フォトレポート

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2023年3月11日(土)から16日(木)にかけて、ICANN76が開催されました。年3回開催されるICANN会議のうち、今回は2番目に大規模なCommunity Forumとしての開催です。開催地メキシコ、キンタナ・ロー州カンクンでは、元来2020年3月にICANN67が開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症のため現地開催が中止となり、オンラインのみとなっていました。その後2021年3月のICANN70もカンクンでの開催予定でしたが、こちらもコロナ禍が収束せずオンラインのみとなり、3度目の正直としての開催となりました。

新型コロナウイルス感染症の脅威は完全に去ったわけではないので、参加者に配布されたバッグの中には、抗原検査キットとマスクが入っていました。また、参加者バッジのストラップが色分けされており、握手しても構わない場合は緑、肘タッチがOKなら黄色、物理的な接触がダメな場合は赤などとなっていました。

 

オープニングセレモニー

最初に、ICANN事務局のラテンアメリカ・カリブ海地域担当副社長のRodrigo De La Parra氏より挨拶がありました。最初は英語で、途中からスペイン語に切り替えて話者を紹介しました。

次いで、前回ICANN75クアラルンプール会議で新たにICANN理事会議長に就任したTripti Sinha氏から、(就任後初となるICANN会議での)挨拶がありました。Esther Dyson氏(任期:1998年から2000年)に次いで2人目の女性理事会議長でもあります。

次いで2022年12月に退任されたGöran Marby氏の後を引き継いで暫定事務総長に就任したSally Costerton氏から挨拶がありました。こちらは初の女性事務総長となります。

次にメキシコ連邦政府より通信・インフラ・運輸次官のArq. Rogelio Jiménez Pons Gómez 氏より挨拶がありました。デジタルデバイドおよびサイバーセキュリティに関するリスクに関して主に述べられました。

次いで、キンタナ・ロー州知事Mara Lezama氏の代理として、同州政府社会・組織間連携次官のFrancisco Carrillo Flores氏より挨拶がありました。パンデミックで足踏みした、キンタナ・ロー州の観光活性化および次の50年に向けた計画を立てている旨発言されました。

最後に、地元マヤの伝統民族舞踊U Kiilbal Chaak(雨の神様の雷)が披露されました。先人たちのボール遊びやダンスの様子を紹介するものでした。

各支持組織(SO)のセッション

当センターは主に分野別/一般ドメイン名支持組織(GNSO)の会議に出席しており、IPアドレス管理を行っていることからアドレス支持組織(ASO)の会議にも出席しています。

ASOとICANN理事会の合同セッション

GNSO Councilicannphotosによりクリエイティブ・コモンズ表示 – 継承 2.0 一般 (CC BY-SA 2.0) でライセンスされています。周囲を一部トリミングしています。

GNSO評議会のセッション

次期新gTLD募集ラウンドの進捗

最終日3月16日に開催された公開理事会で、次回の新gTLD募集の準備を開始することが決定されました。具体的には、新gTLDの次回ラウンドに関する98件のポリシー勧告が採択され、理事会から事務局に対し、2023年8月1日までに実装計画を提出するよう指示しています。本件がICANN76での最大の特筆点だといえるでしょう。

ICANN理事Avri Doria氏が本件の決議文を読み上げているところ。

CEO探索セッション、Q&Aセッション

オープニングセレモニーのところで触れた通り、2022年12月にCEO Göran Marby氏が退任したため、CEO探索委員会が設立され探索活動を行っており、その一環としてセッション「ICANNの将来と次期事務総長兼最高経営責任者」が開催されました。最初の任務として、候補者の人物像および職務内容についてコミュニティの意見を聞くというのが本セッションの目的の一つです。他に、ICANNの将来についての視点について、この先にある挑戦と機会、および次期ICANN指導者の特性などについてもコミュニティに共有されました。

CEO探索セッションの様子(3月14日火曜日開催)

各支持組織/諮問委員会セッションではメンバーのみが発言することが多いですが、質疑応答中心のセッションでは、マイクの前には参加者が列をなして様々な質問をしていました。

ICANN事務局上級幹部との質疑応答セッション(3月13日月曜日開催)

何でも質問できるパブリックフォーラム(3月16日木曜日に開催)

ICANN会議参加支援プログラム

2019年に神戸で開催されたICANN64のローカルホスト委員会で集まった協賛金の余剰分を同委員会からJPNICが託され、2名の若者に対してICANN会議へ参加できるよう旅費支援を行いました。本来なら2020年3月のICANN67で実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症のため延期し、今回やっと実現に至ったものです。

2023年4月12日午後に開催予定のICANN報告会にて、フェローからの報告も予定されています。

ソーシャルイベント

連日のように夕方にはソーシャルイベントが開催されていましたが、全参加者が対象となったのは最終日16日の夕方、すべてのプログラムが終了した後にホワイエで開催されたICANN76 Wrap-Up Cocktailでした。皆さん全日程が終了したのでリラックスして歓談されていたようです。

ICANN76 Wrap Up Cocktailicannphotosによりクリエイティブ・コモンズ表示 – 継承 2.0 一般 (CC BY-SA 2.0) でライセンスされています。

 

次回会合

次回ICANN77は、2023年6月12日(月)から15日(木)まで、米国・ワシントンDCにて開催されます。2018年のICANN61サンフアン会議(米国本土では2011年のICANN51ロサンゼルス会議)以来、久方ぶりの米国での開催となります。

ICANN76会場となったCancún Center内部からの風景

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