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AWSで学ぶ!IPv6/IPv4デュアルスタック対応Webサイト構築ハンズオン~Internet Week 2025 プログラム委員インタビュー第2弾~

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来月開催の Internet Week 2025(IW2025)。「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ~」というテーマのもと、インターネット運用に関わる多様な立場の人々が集い、技術と知見を共有する場として開催します。

JPNICブログでは、Internet Week 2025の注目プログラムと見どころを順次ご紹介していきます。技術の最前線を追うもよし、世代を越えて語り合うもよし。IW2025を“自分ごと”として楽しむためのヒントをお届けする予定です。

第2弾では注目プログラムのひとつ「H1 AWS IPv6対応サイト構築ハンズオン -クラウド上のIP設計と管理-」を取り上げ、企画担当のプログラム委員である、中川あきらさん(一般財団法人インターネット協会(IAjapan)/JPOPF運営チーム(JPOPF-ST)/株式会社JPIX)にお話を伺いました。


このプログラムを企画した背景や狙いを教えてください。​

プログラムを企画した中川あきらさん

中川:IPv4アドレスが枯渇してから15年、エンドユーザーのIPv6対応が進み、いまやWebサーーをIPv6とIPv4のデュアルスタックで公開すると、アクセスの約半分がIPv6通信となっています。

つまり、クラウド上でWebサーバーを構築する際には、IPv6対応が欠かせない時代になっていると言えるでしょう。

本ハンズオンでは、VPC、EC2、ALB、Route 53 などを用いて、IPv6/IPv4デュアルスタックのWebサイト構築を実践的に体験していただきます。

Internet Weekでは毎年「AWSとIPv6」のハンズオンを改善しながら開催しております。毎回アンケートで高い評価をいただいており、今年も実施することになりました。

講演者の選定では、どのような点を重視されましたか?​

中川:AWS 社内でネットワークを専門とする「中の人」にお願いしました。これ以上の適任者はいないと考えます。

実践的かつ最新の知見を得られる貴重な機会となるでしょう。

―プログラムの中で、特に注目してほしいポイント・見どころは?​

中川:一般に開催されているAWSのセミナーでは、個々のサービスの解説においてIPv6の解説が出てくることがありますが、各サービス間をIPv6通信で結ぶ横断的な解説は多くはありません。

本プログラムでは、Web 構築に必要な複数のサービスをIPv6で結びつける全体像を学べる点が大きな特徴です。

さらに、アドレス設計の現場で大きな課題となるIPv6/IPv4アドレスの管理・払い出しについても取り上げ、自動化ツールを活用した実践的な方法を紹介します。Excelや手作業による管理に限界がある部分を、どのように効率化できるかを学べます。

加えて、手を動かしながら体験し、理解を深められる点も大きなポイントです。

―IW2025のテーマ「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ」とのつながりは?

中川:本プログラムはまさに、IPv6とIPv4の「デュアルスタック」の世界を取り上げます。

さらに、座学だけでなくハンズオン形式で進めることで、参加者の「目・耳・手」を「フルスタック」で使って学べます。

あまりフォーカスがあたらないクラウドにおけるIPv6対応について、実際に動くことを確認していただける貴重な機会となります。

どんな方に特におすすめですか?​

中川:AWS上でWebを公開していたり、 Web 構築を行う予定があったり、IPv6を動かしてみたいと考えている方に特におすすめです。

また、普段AWSを使っていても、普段触れることのないIPv6での設計や構築に携わっていない方や自信がない方にとっても、新しい視点を得られる機会になると思います。

また、AWS初心者でも無理なく進められるよう設計されています。Webサイト構築以前の基本環境をCloudFormationで自動構築するため、初期設定で悩むことはありません。詳細な手順書が用意されており、手順書に載っている画面のキャプチャーを見ながら一歩ずつ進められます。

―オンラインのハンズオンで、取り残されてしまうことはありませんか ?

中川:質問がある場合は、Zoomのチャット機能で随時やり取りが可能です。もし進行についていけなくなった場合でも、講師の2名以外のサポート講師と1対1で「ブレークアウトルーム」(Zoom内の個別ルーム)に入り、個別のサポートを受けられます。その際の会話や画面共有は他の参加者に見えることはありません。

参加者の皆様にご満足いただけるよう、可能な限りフォローしていただくよう講師にお願いしていますので、安心して受講いただけます。

―プログラムを通じて、どのような対話が生まれることを期待していますか?

中川:IPv6に対して「難しそう」「まだ必要ない」と思っていた方が、プログラム後には
・「ユーザーはIPv6対応なのに、WebはなぜIPv4のままだったのだろう。」
・「NATが無くて分かりやすい」
・「IPv6対応を考えてみよう」

と前向きに感じていただけることを願っています。

参加者それぞれの現場に、取り組み方への変化が生まれることが、このプログラムの大きな狙いです。

―最後に、参加を検討している方へのメッセージをお願いします。​

中川:AWSをすでに活用している方にとっては、IPv6を新たな視点で捉え直す機会になります。

一方で、AWS の深い知識を持っていない方でも理解できるよう丁寧に進めていきます。

経験の有無にかかわらず、クラウドでIPv6をどう動かすかを手を動かして学べる場として、ぜひ気軽にご参加ください!


プログラム概要

  • 日時:2025年11月18日(火) 13:00 ~ 17:00

  • 会場:オンライン

  • 講演者:

    • 菊地 信明(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 サービス&テクノロジー事業統括本部 ネットワークソリューション本部/シニア ソリューション アーキテクト ネットワーク スペシャリスト)

    • 山本 大貴(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 技術統括本部 エンタープライズ技術本部 ソーシャルソリューション&サービスグループ トラベル・交通・物流ソリューション部/ソリューションアーキテクト)

  • URL:https://internetweek.jp/2025/archives/program/h1

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