“次世代の当たり前”Wi-Fi 7の導入ポイントとは?―Wi-Fiの未来を一緒に考えよう~Internet Week 2025 プログラム委員インタビュー第3弾~
event_team Internet Week JPNICからのお知らせ JPNICのイベント インターネットの技術来月11月開催の Internet Week 2025(IW2025)。「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ~」というテーマのもと、インターネット運用に関わる多様な立場の人々が集い、技術と知見を共有する場として開催します。
- Internet Week 2025 について、全般を解説した記事はこちら⇒ 約40のセッションで構成!Internet Week 2025 開催のお知らせ ― 挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ ―
JPNICブログでは、Internet Week 2025の注目セッションと見どころを順次ご紹介していきます。技術の最前線を追うもよし、世代を越えて語り合うもよし。IW2025を“自分ごと”として楽しむためのヒントをお届けする予定です。
第3弾では注目プログラムのひとつ「C9 Wi-Fi 7の導入ポイント」を取り上げ、企画担当のプログラム委員である、冨永 良明さん(JANOG56 実行委員会)にお話を伺いました。
- Internet Week 2025の注目セッション 紹介記事第1弾⇒ IPv6移行の“現実解”を探る─「IPv6-Mostly Network」が示す新たな運用のかたち ~Internet Week 2025 プログラム委員インタビュー~
- Internet Week 2025の注目セッション 紹介記事第2弾⇒AWSで学ぶ!IPv6/IPv4デュアルスタック対応Webサイト構築ハンズオン~Internet Week 2025 プログラム委員インタビュー~
―このプログラムを企画した背景や狙いを教えてください。

冨永:私たちの生活や働く環境、教育現場など、あらゆる場面でWi-Fiの重要性が増す中、近年は特に高密度・高速・低遅延な通信が求められるケースが急増しています。こうしたニーズに応える次世代無線LAN技術として、Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)が注目を集めています。
2024年のInternet WeekやIWショーケース in 奈良では、Wi-Fi 6E/7の最新動向を紹介しました(*1)が、本セッションではさらに一歩踏み込み、Wi-Fi 7を実際に導入する際のポイントや注意点を具体的に掘り下げていきます。技術的な進化だけでなく、導入現場でのリアルな視点を共有することで、参加者の皆さんが自社や現場での導入判断に役立てられるような実践的な知見を提供することを狙いとしています。
*1 Internet Week 2024 「Wi-Fi 6E/7 の最新動向 と Internet Week 会場ネットワーク」
Internet Week ショーケース in 奈良「Wi-Fi 6E/7 の最新動向 〜エンタープライズ無線 LAN の知ってほしいこと〜」
―講演者の選定では、どのような点を重視されましたか?
冨永:Wi-Fi 7という最新技術の導入にあたり、単なるスペック紹介ではなく、実際の現場での課題や導入判断のポイントを語れる方を重視しました。今回の講演者である高橋翔さんは、シスコシステムズ合同会社にてネットワーク技術に深く携わっており、Wi-Fi 6E/7の動向をIWショーケース in 奈良などでも紹介されてきた実績があります。
その経験を踏まえ、Wi-Fi 7を導入する際に直面する現実的な課題や、技術選定の視点を具体的に語っていただけると考え、登壇をお願いしました。導入を検討している方々にとって、実践的かつ判断材料となるセッションになるよう意識しています。
―プログラムの中で、特に注目してほしいポイント・見どころは?
冨永:見どころは、Wi-Fi 7の技術的な特徴だけでなく、「実際に導入する際に何を考慮すべきか」という現場目線の解説です。単なるスペック紹介ではなく、導入判断に必要な視点や、既存環境との違い、運用上の注意点など、実践的な内容に重点を置いています。
特に、IWショーケース in 奈良でのNOCチームでの活用内容を踏まえた事例紹介は、理論と現場をつなぐ貴重なパートです。Wi-Fi 6Eとの比較や、周波数帯・チャネル設計の考え方など、導入を検討している方にとって“今知っておきたいポイント”が詰まっています。
―IW2025のテーマ「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ」とのつながりは?
冨永:Wi-Fi 7は、まさに“次の当たり前”をつくる技術です。しかし、その導入には新しい周波数帯やチャネル設計、デバイス対応状況など、まだ不確実な要素も多く存在します。本セッションでは、そうした不確実性に対して、現場での「挑戦」や「経験」をもとに、どのように向き合えばよいかを共有します。
また、無線LANの進化は、ネットワークエンジニアだけでなく、施設管理者や教育・医療・自治体など多様な立場の方々にも関係するテーマです。世代や専門領域を超えて、フルスタックな視点でWi-Fi 7を捉えることが、これからのネットワーク設計に不可欠だと考えています。
―どんな方に特におすすめですか?
冨永:Wi-Fi 7の導入を検討しているネットワーク管理者や情報システム担当者の方には、特におすすめのセッションです。新しい技術を現場にどう適用すべきか、どのような準備や判断が必要かといった実践的な視点を得ることができます。
また、Wi-Fi 6や6Eからの移行を考えている方、あるいは無線LANの最新動向に関心のある方にも有益な内容です。
専門的な知識がなくても理解しやすい構成を心がけており、これから無線LANの技術に触れてみたいという方にも、入り口として気軽にご参加いただけます。
―セッションを通じて、どのような対話が生まれることを期待していますか?
冨永:このセッションを通じて、Wi-Fi 7という新しい技術に対する「漠然とした期待」や「不安」が、具体的な判断材料や行動のヒントへと変わることを期待しています。たとえば、「うちの環境ではどう活かせるか」「今導入すべきか、もう少し待つべきか」といった現場ならではの問いに対して、参加者同士が意見を交わし、気づきを得られる場になれば嬉しいです。
また、無線LANの進化はネットワーク担当者だけでなく、施設運用やサービス提供に関わる多くの人に関係するテーマです。立場や世代を超えて、Wi-Fiの未来を一緒に考える対話が生まれることを願っています。
―最後に、参加を検討している方へのメッセージをお願いします。
冨永:Wi-Fi 7という新しい技術に対して、「気になるけど、まだよく分からない」「導入するには何を見ればいいのか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。本セッションでは、そうした疑問に応えるべく、現場での経験や実例を交えながら、導入のヒントをわかりやすくお届けします。
専門的な知識がなくても大丈夫です。これからのネットワーク環境を考えるうえで、どんな視点が必要かを一緒に探っていける時間にしたいと思っています。
ぜひお気軽にご参加ください。会場でお会いできるのを楽しみにしています!
プログラム概要
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日時:2025年11月25日(火) 17:00 ~ 18:30
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会場:Annex
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講演者:
- 高橋 翔氏(シスコシステムズ合同会社)
- URL:https://internetweek.jp/2025/archives/program/c9
