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見落とされがちなネットワーク監視 〜 IPv6見ていますか?~ ~Internet Week 2025 プログラム委員インタビュー第5弾~

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来月11月開催の Internet Week 2025(IW2025)。「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ~」というテーマのもと、インターネット運用に関わる多様な立場の人々が集い、技術と知見を共有する場として開催します。

JPNICブログでは、Internet Week 2025の注目プログラムと見どころを順次ご紹介していきます。技術の最前線を追うもよし、世代を越えて語り合うもよし。IW2025を“自分ごと”として楽しむためのヒントをお届けする予定です。

第5弾では注目プログラムのひとつ「C7 見落とされがちなネットワーク監視 〜 IPv6見ていますか?」を取り上げ、企画担当のプログラム委員である、藤崎 智宏さん(JPNIC常務理事/NTTドコモビジネス株式会社)にお話を伺いました。


このプログラムを企画した背景や狙いを教えてください。​

プログラムを企画した藤崎さん

藤崎:昨今はランサムウェア事案が続き、一度侵入されたあとに近隣ホストを探索して横展開するのが典型的な流れになっています。多くの組織はIPv4側の監視は整えている一方、IPv6での内部スキャン検知や監視は手薄なままというケースが少なくありません。

最近の機器はデフォルトでIPv6が有効なことも多く、適切に管理されていないと“侵入後の活動”に気づけない恐れがあります。さらに、IPv6ならではの機能(例:リンクローカルアドレス)により、IPv4より攻撃が進めやすい側面もあります。そこで今回、IPv6視点の監視・対策をしっかり伝える場を企画しました。

講演者の選定では、どのような点を重視されましたか?​

藤崎:セキュリティの現場知見を持つデジタル庁の大平 浩貴さん、そしてIPv6の機能や標準化動向に精通する東京科学大学の北口 善明先生にお願いしました。

機能面 × セキュリティ面の両軸から、侵入後の横展開や検知・対策を具体的に語っていただきます。

―プログラムの中で、特に注目してほしいポイント・見どころは?​

藤崎:まず、IPv4とIPv6の違いを整理しながら、IPv6を知らない人向けに、IPv6特有の機能をわかりやすく解説します。

次に、侵入後のIPv6を利用したネットワークスキャン、侵害を目的とした手法等について,IPv4との違いに焦点を当てながら説明します。

IPv6を”あまり触ったことのない方”や“もう一度きちんと学び直したい方”にも配慮し、基礎から実運用での注意点までを一貫して理解できる構成にしています。

―IW2025のテーマ「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ」とのつながりは?

藤崎:企業ネットワークでは、いまなおIPv6への認識が十分でない場面があります。世代を問わず、IPv6の本質を理解してほしい。さらに“フルスタック”という観点から、L2/L3の低層からアプリケーション層まで、IPv6前提でどこを見て、どう備えるかを俯瞰して伝えたいと思います。

どんな方に特におすすめですか?​

藤崎:法人ネットワークの運用・監視に携わる方は必見です。加えて、IPv6を基礎から復習したい方、IPv4との違いを押さえたい方にもおすすめです。専門外の方でも参加しやすいよう、段階的に理解が深まる構成にしています。

―プログラムを通じて、どのような変化が生まれることを期待していますか?

藤崎:まずは「意識していなくても機器側でIPv6が有効になっている」という事実に気づいていただきたいです。IPv6前提でのネットワーク設計・運用・監視を考えるきっかけになればと思います。

そこから、自組織の現状把握と改善が生まれることを期待しています。

―最後に、参加を検討している方へのメッセージをお願いします。​

藤崎:多くの機器でIPv6は既定で有効です。特にリンクローカルアドレスは同一リンク内からの探索や攻撃が成立しやすい状況になり得ます。だからこそ、IPv6の監視・対策・運用方針を改めて見直すきっかけにしていただきたいです。

本セッションでは、実例や具体的な監視ポイントを交えつつ、IPv4との違いとIPv6固有の留意点を整理します。これからIPv6をしっかり見ていきたい方、ぜひご参加ください!


プログラム概要


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