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News & Views コラム:Internet Weekに期待する、学びとつながり

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過去にメールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。今回は2025年11月のメールマガジンでお届けしたコラムを掲載します。広島地域IPv6推進委員会 委員長であり、Internet Week 2025 プログラム委員も務めていただいた、広島大学 教授の近堂 徹さんに書いていただきました。広島地域でIPv6導入・普及促進のためのコミュニティ活動を継続されている立場から、地域の学生や技術者が世代を越えて学び合う場の重要性や、次世代へ技術を学ぶ楽しさを伝えていくことの大切さについてお書きくださいました。


いよいよ今週11月18日(火)から、Internet Week 2025が始まります。今年のテーマは「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで”不確実”の先へ」。AIが日常の仕事や学びに自然に入り込み、技術の進化と社会の変化がこれまで以上に密接に結びついています。そんな時代に、エンジニアに求められるのは、個々の専門を越えて学び合い、支え合う姿勢だと感じています。

今回、広島地域IPv6推進委員会での活動がきっかけで、初めてInternet Weekのプログラム委員として参加させていただきました(実は過去Internet Weekに参加したこともないのです……)。広島地域では、IPv6の導入・普及促進や技術的課題の検討を目的に、2000年代初頭から活動を続けています。現在、各地でたくさんの技術系コミュニティが存在しています。ただ、以前は全国に存在した「IPv6」を冠するコミュニティやアクティビティも、今も地方で残っているのは私たちぐらいかもしれません。広島地域IPv6推進委員会では年2回のセミナーに加えて、ハンズオンや勉強会を通じて、地域の技術者や学生が世代を越えて学び合う場を提供しています。IPv6というテーマを軸にしつつも、インターネット技術という共通言語で人と人がつながる”コミュニティ”であることを大切にしています。

モバイル通信やクラウドサービスを中心に、インターネットにおけるIPv6の普及率も40%を超え、一般利用者の多くが意識せずにIPv6を利用しています。私の勤務する広島大学でも全学的にIPv4/IPv6のデュアルスタック運用を始めて10年以上が経ち、私にとってもIPv6は当たり前の技術として運用の中に入り込んでいます。しかしその一方で、地方の中小企業などでは依然としてIPv4中心の運用も多く、IPv6を意識する機会は限られているのも現状です。だからこそ、今改めてIPv6の意義や現状、そしてその周辺にある技術を多くの人が学び、議論し、行動できる場をつくることが重要だと感じています。

Internet Weekという全国的な場は、単に学ぶだけではない、まさに「議論の交差点」としての役割を果たしてくれるものだと思います。プログラム委員会に参加して実感したのは、委員の皆さんの多様性です。ネットワーク技術、運用、開発、セキュリティ、教育など、さまざまな立場の方が集まり、それぞれの経験を持ち寄ってプログラムが検討されています。業務などの都合でオンラインでの参加しかできず、対面での委員会に参加できないのが残念でしたが、その様子はまさに「フルスタック」という言葉をチームで体現しており、委員としての参加でも非常に刺激を受けています。

技術の世界は、たくさんの人が関わってこそ広がり、広がりがあってこそ高みを目指すことができるものだと思います。お互いに学び合い、挑戦を重ねることで、より高く、より遠くまで見渡せる未来を築いていけるのではないでしょうか。地域の現場で活動している私たちにとって、学生や若手技術者に”技術を学ぶ楽しさ”やその熱量を伝えていくことが大切な役割なのだろうと思いを新たにしています。

(編集者注: Internet Week 2025は終了しました。文中の「今年」は2025年です。)


■筆者略歴

近堂 徹 (こんどう とおる)

広島大学情報メディア教育研究センター長、同大学大学院先進理工系科学研究科に所属。
高専時代にインターネットに触れたことをきっかけに、広島大学への編入後からインターネット基盤・運用技術の研究開発に関わるようになる。学生時代には、MPEG2伝送ソフトウェアの開発やJGNなどのテストベッドを用いた実証実験にも参加。現在は大学教員として、新しい技術に関心を持ちながら学生とともに研究を進める一方、地域コミュニティを通じてIPv6の普及と人材育成にも取り組んでいる。

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