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宮崎レポート(IPv6 Summit /QUNOG 7)

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最近は、地方都市でIPv6やネットワークに関するイベントがいろいろと行われています。

先日、1月末に行われた広島で開催された「IPv6セミナー2017 Winter」と「IPv6ハンズオンワークショップ」についてレポートしましたが、2017年2月9日(木)に宮崎市で、一般財団法人インターネット協会(IAjapan)主催でJPNICが後援するIPv6 Summit in MIYAZAKI 2017開催され、IPv6普及状況とIPアドレスの最新状況を講演しました。また、その翌日10日に宮崎ケーブルテレビ株式会社で開催されたQUNOG 7 Meetingが開催され、参加してきました。そのレポートをお送りします。


IPv6 Summit in MIYAZAKI 2017

毎回さまざまな地域を廻って開催されるIPv6 Summitですが、宮崎での開催は今回が初めてとなります。地元の宮崎日日新聞本社ビルにある宮日会館が会場となりました。

このところのIPv6 Summitでは、午前の部でIPv4アドレス枯渇対応タスクフォース(枯渇TF)が作成したプログラム「入門IPv6」を行っております。今回のIPv6 Summitでも、枯渇TFの教育ワーキンググループメンバーである、株式会社インテック廣海緑里氏が講師となり、IPv6プロトコル仕様の基本的な説明やIPv4との違いについての解説などが行われました。

通常であれば午前中の参加者数は、IPv6 Summitの本格的なプログラムが行われる午後の部に比べて半数程度なのですが、宮崎の参加者はとても熱心で、参加申し込みをいただいたほとんどの方が午前の部から出席されていました。午後の部も含めて、参加者数は全部で50名程度でした。

午後の部は、IPv6普及・高度化推進協議会常務理事であり慶應義塾大学教授の、中村修先生による基調講演からスタートしました。2017年夏頃から本格化する予定の、携帯電話事業者におけるIPv6対応をはじめ、最近の日本におけるIPv6普及状況と世界的なIPv6に関する動向など、IPv6普及が近年急速に進展している状況を説明しました。

中村修先生による基調講演

次に地元枠として、九州通信ネットワーク株式会社の忽那康郎氏から、宮崎で活動されているみやざきインフラモニタリング研究会の立場として、宮崎県内の橋梁の監視をセンサーとネットワークを活用して行う実証研究に関してお話しいただきました。県内に多数あり、徐々に老朽化していく橋梁設備の保守点検にかかるコストをIoT技術の活用によって低減していくことを目指すべく、さまざまな工夫と努力が行われていることがよく分かり、とても興味深い試みだと思いました。

忽那康郎氏の講演

そして、JPNICからのIPv6普及状況とIPアドレスに関する最新のレポートと、金沢大学北口善明先生から今年度行われたIPv6 Summitのサマリーレポートをはさみ、最後に恒例のパネルディスカッションが行われました。中村先生をコーディネータに、廣海氏、北口先生、そして今回ローカルホストとしても活躍いただいた、株式会社宮崎県ソフトウェアセンターの芝村正志氏がパネリストとなり、企業、キャンパス、地域におけるIPv6対応推進の取り組み状況や課題について話し合いました。

パネルディスカッションの様子

2016年度のIPv6 Summitはこの宮崎が最後の開催となりますが、主催しているインターネット協会IPv6ディプロイメント委員会としては、来年度以降もさまざまな地域で、このIPv6 Summitの開催していこうと考えているようです。もし、こういったイベント開催に興味のある地域の方がいらっしゃいましたら、JPNICもメンバーとして参加していますので、お声がけいただければいろいろと協力できると思います。


QUNOG 7 Meeting

IPv6 Summitの翌日は、宮崎ケーブルテレビのコミュニティホールにてQUNOG 7 Meetingに参加してきました。

QUNOG (九州沖縄ネットワークオペレーターズグループ)は、九州・沖縄地方の地域ネットワークオペレータズグループで、年に3回程度、こういった形でミーティングを開催しており、これまでも何度かJPNICからも発表などをさせていただいています。ちなみに、毎回九州・沖縄地方以外からの参加者も多数いるようですが、今回は初めて九州・沖縄関係者の参加率がそれ以外を上回ったとのことです。

QUNOG 7当日の様子

事前に予定していたプログラムでは、勉強会として九州通信ネットワーク株式会社の末松慶文氏による最近のDNSを取り巻く状況に関するお話の他、ライトニングトークとして、日本ネットワークイネイブラー株式会社 石田慶樹氏のゼロレーティングに関するその後状況について、また、九州通信ネットワーク株式会社 内村孝幸氏から、電話セキュリティについての話がありました。他にも当日その場で募集し、いくつかの発表が行われました。ポリシーWGメンバーであるBBIX株式会社の鶴巻悟氏からは、APNIC 43カンファレンスにおいて2017年3月1日のPolicy SIGで議論される予定の、ポリシー提案の紹介も行われました。

次回のQUNOG 8は、2017年6月30日(金)に福岡大学中央図書館 多目的ホールで開催予定です。


2日間、南国宮崎で過ごす機会となりましたが、残念ながらちょうど西日本が寒気に覆われていたタイミングとなってしまいました。宮崎でも雪こそ降らなかったものの、とても冷たい北風が吹きつける厳しい気候で、体感的には東京よりもかなり寒く感じました。しかし2日間とも、宮崎および九州・沖縄地方の方々と熱い議論と交流ができたおかげで、気持ち的にはとても暖かく過ごせたと思います。

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