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APNIC 43でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご紹介

投稿者 ip_team on 2017年2月22日

2017年2月27日(月)~3月2日(木)の日程で、ベトナム・ホーチミンシティにおいてAPNIC 43カンファレンスが開催されます。春のAPNICカンファレンスは、APRICOTカンファレンス期間中に同時開催されるのが通例となっています。

APNIC 43 Webサイト https://conference.apnic.net/43

APNIC43_bg.png


IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論は、ポリシーSIG(Special Interest Group)のメーリングリスト上で議論が行われています。1年に2回開催されるAPNICカンファレンスでは、多くの関係者が顔を合わせての議論を行います。

今回のポリシーSIGで議論が予定されているのは、以下の三つの提案です。提案の詳細は、提案のタイトルに貼られたリンクから確認できます。


■prop-116「Prohibit to transfer IPv4 addresses in the final /8 block

この提案は、コロンボで開催された前回のAPNIC 42カンファレンスで議論が行われましたが、コンセンサスに至らず継続議論となっており、今回改めて議論が行われるものです。

現在APNIC地域では、1組織あたり「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」から/22(1,024アドレス)「IANAから再割り振りされたIPv4返却在庫」から/22(1,024アドレス)の、合計/21(2,048アドレス)の割り振りが行われています。特に「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」から/22の割り振りは、これから新規参入する組織に対して必要最小限の割り振りを行うことを目的として考えられています。

一つの組織が、複数の/22を他の組織から受け取るような、本来の目的とは異なるアドレスの分配を防ぐことを目的として、今回提案が行われているようです。具体的には、以下の内容をポリシーに追加する提案です。

  • 割り振り・割り当て後2年間を経過しない「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」の移転を禁止する。
  • 上記在庫から割り振りを受けたIPv4アドレスの割り振り・割り当て後、2年間が経過し、このIPv4アドレスが不要となった場合には、割り振り・割り当てを受けた組織はAPNICに返却する。
  • M&A(事業移管や吸収合併など、その事実を書面などで客観的に確認できるケース)による移管で、移管先組織が上記の在庫から/22を超える割り振り・割り当てを受けることは、異なるASから経路広告を行うなど技術的な事情がある場合を除き、認めない。/22を超えるアドレスについてはAPNICに返却する。


■prop-117「Returned IPv4 address management and Final /8 exhaustion

この提案は、IPv4アドレスがAPNICに返却された際の管理方法を明確にするものです。

現在、割り振り・割り当てを行ったIPv4アドレスがAPNICに返却されると、「IANAから再割り振りされたIPv4返却在庫」に入るよう運用されています。このAPNICの運用を以下のように修正の上、明確化するものです。

  • 「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」から割り振り・割り当てを行ったIPv4アドレスが返却された場合、「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」に戻すこととする。

上記とあわせて、「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」の枯渇後の運用方法を、次のように定めることをとしています。

  • 「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」からの割り振り・割り当てを行うことができなくなった場合、この在庫からの割り振り・割り当てを終了とする。
  • この在庫からの割り振り・割り当て終了後は、「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」を「IANAから再割り振りされたIPv4返却在庫」に一つにまとめる。
  • 一つにまとめられた「IANAから再割り振りされたIPv4返却在庫」から、1組織あたり/21の割り振り・割り当てを行う。
  • プールが一つにまとめられる以前の「/8相当の最後のAPNICにおけるIPv4未割り振り在庫」から分配を受けている組織は、「IANAから再割り振りされたIPv4返却在庫」から/22の割り振り・割り当てを受けることを可能とする。
  • 「IANAから再割り振りされたIPv4返却在庫」から割り振り・割り当てを行うことができない場合、待機者リストを作成し、そのリストに基づき割り振り・割り当てを行う。

■prop-118「No need policy in APNIC region

この提案は、IPv4アドレス移転における手続きを簡素化するものです。

現在APNICでは、APNIC契約組織間の移転かどうか、ARINやJPNICなどのAPNIC以外のレジストリ契約組織からAPNIC契約組織への移転かどうかに関わらず、IPv4アドレスの移転を受ける組織(移転先組織)は、今後2年間の需要を元にしたIPv4アドレス利用計画を、APNICへ提出し承認を受ける必要があります。

北米地域を管轄するレジストリであるARINが、移転先組織にIPv4アドレス利用計画の提出を義務付けるポリシーを実装しているレジストリとのみIPv4アドレス移転を許可していることから、現在のポリシーが制定されました。

ヨーロッパ地域を管轄するレジストリであるRIPE NCCでは、APNICと同様に、移転先組織にIPv4アドレス利用計画の提出を義務付けるポリシーとなっています。今回APNICでは、RIPE NCCの基準に合わせるよう、次の点について、ポリシーを変更する提案となっています。

  • APNIC契約組織間のIPv4アドレス移転は、利用計画の提出なしに全て受け入れる。
  • 移転先組織に利用計画の提出を義務付けている地域からのIPv4アドレス移転は、移転後5年以内に移転を受けたアドレスの50%を利用する計画を示すこととする。

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(写真はAPNICのflickrサイトから転載)

写真はAPNIC 42カンファレンスでの様子です。ポリシー提案に興味のある方や、提案について意見のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

残念ながら現地での議論には参加できない場合には、リモート参加も可能です。リモート参加の方法は、APNIC 43カンファレンスのページをご確認ください。