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今月のコラム①:CODE

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JPNICではメールマガジンである「JPNIC News & Views」を発行していますが、毎月15日の定期号ではインターネットに関するコラムを載せています。そのコラムの内容を、本ブログでもご紹介しています。

2017年7月に発行したNews & Viewsのコラムには、東日本電信電話株式会社の水越一郎氏に寄稿してもらいました。 少し遅くなりましたが、その内容をご紹介します。


大学生だった1985年にパソコン通信のアスキーネットでアルバイトを始めた時から、30年以上通信業界に身を置いている。その中で自分が一番影響を受けた本を挙げるなら、Lawrence Lessigの”CODE”だ。2001年に出版された日本語版を読んだので、もう15年以上前になる。Lessigと言えば、クリエイティブ・コモンズの提唱者といった方が世間的な通りは良いだろう。しかし、私にとっては”CODE”のLessigだ。

私が最も影響を受けたのは「Market (市場)」「Law (法)」「Norms (規範)」「Architecture (アーキテクチャ)」という軸。次に、法律は自分たちが変えていくものという点だった。前者の軸は”CODE”のメインテーマであり、解説記事も多い。後者は、法律はお上から降ってくるものと自分が勝手に思考停止していたことが原因なので、すべての人がそのように感じるわけではない。しかし、最近世間で議論を呼んでいる問題を考えるにあたっては、常に意識する必要があると考えている。

“CODE”については、ネット上に多くの解説記事やブログが存在する。もし興味を持ってもらえたら、そちらを読んで欲しい。そして、元気があればぜひ原著を読んで欲しい。

補足:
2005年にCODEv2が発表されている。しかし、私には初版のインパクトが強すぎた。そのため、あえて未読のままにしてある。

CODE既読の方へ 軸の使い方の例:
最近の技術進化は、現実社会のサイバー化(Architectureによる規制を後押しする方向)を進めていると私は感じている。これが正しいとするならば、CODE既読の方にはcodeデザインについて、一層注意深い検討が必要なことを理解していただけるだろう。


■筆者略歴

水越 一郎(みずこし いちろう)

勤務先:東日本電信電話株式会社ビジネス開発本部、情報セキュリティ大学院大学後期博士課程在学中(自費)

大学生時代にアルバイトで出会ったパソコン通信に惹かれ、そのまま1986年株式会社アスキーに就職。システム運用業務に携わる。1995年にISP業界に転職。ネットワーク情報サービス、東京インターネット株式会社を経て、1997年から日本電信電話株式会社、分社後のNTTコミュニケーションズ株式会社でOCNの運用に携わる。2006年から東日本電信電話株式会社に移り、フレッツのサービス開発に従事。また、2005年からJPCERT/CC理事を務めている。

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