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ICANN65マラケシュ会議フォトレポート

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6月24日(月)から27日(木)にかけて、マラケシュ(モロッコ)にてICANN65が開催されました。今回は4日間にコンパクトに日程が詰め込まれたポリシーフォーラムですので、パブリックフォーラムや公開理事会などはありません。

マラケシュは昼間の気温こそ35度以上と高い日もありましたが、乾燥していることと朝夕は20度程度まで下がるため、過ごしやすかったように思います。会議場内はネクタイをした人向けと思われる冷房温度設定で、会議室によっては離れており移動には外を歩く必要があったのですが、外気温との温度差がはなはだしいものがありました。

会議場の建物の門の上や、駐車場の照明塔、携帯電話のアンテナ塔など高いところにはシュバシコウ(コウノトリの一種)が巣を作っています。ちなみにモロッコの人口は約3,500万人、(合計特殊)出生率は2.49、人口増加率は1.3%で、今のところは少子化とは無縁のようです。

ALAC、ccNSO、GNSOの会合が行われるメイン会場では入口で金属探知機を通過しなければならず、かつ荷物検査がありました。

マルチステークホルダーエートス賞

2014年に創設された、ICANNのマルチステークホルダーモデルに対して卓越した貢献を行った人に贈られる、マルチステークホルダー・エートス賞の授賞式が開催されるのが通例となっていますが、今回は初日24日に授賞式が開催され、gTLD登録データの暫定仕様(Temporary Specification)に関する迅速ポリシー策定プロセス(Expedited Policy Development Process, EPDP)のフェーズ1の議長を務めた、Kurt Pritz氏が受賞しました。

左からKurt Pritz氏とICANN事務総長Göran Marby氏

 

.amazon問題アップデート

ICANN65の少し前になる6月15日には、ICANN理事会による.amazonの委任に向けてプロセスを進める旨の5月15日付の決議に対する再検討要求がコロンビア政府より提出されました。

ICANN65会期中に開催された、6月25日の政府諮問委員会(GAC)のセッション、および6月26日のGACとICANN理事会との対話セッションで、各国政府代表からコメントが相次ぎました。前者のセッションでは、米国政府でさえもICANN理事会の決議を支持することはできない、と意見表明がありました。両セッションに共通してGAC側が主張していたことは、現時点ではアマゾン社とACTOとで互いに受け入れ可能な解決策がないこと、およびもっと時間をかけてでもこれを見出すべきであること、でした。

DoTおよびDoHに関するセッション

6月25日には、DNS over HTTPS (DoH)およびDNS over TLS (DoT)のポリシー側面および関連する論点と題したセッションが開催されました。DoHの詳細については、JPNICの解説記事をご覧ください。本セッションは技術者でない人を対象としており、パネリストはSSACメンバー、技術者かつ市民社会に属する人、そしてgTLDレジストラからそれぞれ1名ずつでした。会場での参加者からの質問および議論のうち主なものは、概ね次のようなものでした。

  • DNS機能提供者/再帰リゾルバーが集中することへの懸念
  • DoT/DoHへの対抗策としてルーティングをハイジャックする手段が取られることへの懸念
  • DNSブロッキングおよび各国での法執行との関連

モロッコ名物ミントティー(本文とは直接関係ありません)

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