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「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」最終報告書が公開

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2017年の年度末も押し迫った3月30日(金)に、総務省が開催していた「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」の最終報告書が公開されました。

総務省 報道資料:
「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」最終報告書の公表

この最終報告書の公開をもって、2009年から約9年間にわたり断続的に開催されてきた研究会も幕を閉じることになります。

当研究会ではIPv4アドレス在庫枯渇以前から、その枯渇に向けた対応と、IPv6の普及促進に関しての検討を、各関係組織や団体を交えながら進めていました。JPNICからも研究会開始当初から理事が構成員として参加しており、IPv4アドレスの分配状況や、在庫枯渇予測、枯渇後のIPv4アドレス移転に関する状況などについて当研究会で発表を行い、検討にあたっての貢献をしてきました。

NTT東日本/西日本が提供するフレッツ網におけるIPv6アドレスのマルチプリフィクス問題とその対応方式、そしてIPv4/IPv6フォールバック問題、携帯電話におけるIPv6対応の促進など、日本におけるIPv6普及にあたっての諸課題に対して、この研究会での検討を通じて各関係者が連携をしながら対応してきました。

これによって現在、フレッツ光ネクストの契約者の4割以上がIPv6に対応となった他、大手携帯電話会社のスマートフォンがデフォルトでIPv6に対応するといった状況が作り上げられていったと言えると思います。

最終報告書では、これまでの取り組みをIPv6のディプロイメント(IPv6の利用環境整備)と捉え、これをさらに進めていくとともに、今後のIPv6へのマイグレーション(IPv6の利用促進によるIPv6シングルスタック化の実現)に向けての提言が記されています。

現時点においてIPv6対応と言った場合、どうしても既存のIPv4とのデュアルスタックによる二重運用を考慮することになりますが、この報告書ではIPv4からのアクセスをIPv4/IPv6トランスレーションで対応し、基本的なサーバ、ネットワーク構成をIPv6で構築するということも提言の中で例示しています。

このように、IPv4とIPv6の二重投資、二重運用のコスト負担を早期に解消することが、利用者メリットに繋がるとともに、インターネットを活用した社会の持続的な成長に不可欠であるとしています。

IPv6オンリーのインターネットがすぐに実現できるわけではないと思いますが、このような方向性が示されたことによって、今後のIPv6の利用や普及がさらに促されていくのではないかと期待します。

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