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IPv6 Summit in SHIZUOKA & IPv6ハンズオンセミナー 開催レポート

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2019年2月14日と15日に静岡において、IPv6 Summit in SHIZUOKA 2019 & IPv6ハンズオンセミナーを開催いたしました。

2018年9月の大阪での開催に引き続き、一般社団法人インターネット協会(IAjapan)のIPv6 Summitと、JPNICのIPv6対応セミナーがコラボレーションしたイベントの2回目です。

今回は、地元静岡のNPO法人ふじのくに情報ネットワーク機構(FINO)に主催団体として加わってもらったことで、プログラムが充実して、より地元に根ざしたイベントとなりました。

IPv6 Summit in SHIZUOKA 2019

IPv6 Summitは、イベントの1日目、2月14日の午後に行われ、関係者を除いて50名程度の方にご参加いただきました。

はじめに主催団体の、IAjapan IPv6ディプロイメント委員会チェアであり、JPNIC常務理事でもある藤崎智宏氏と、FINO理事長 牧野弘宣氏から開会のご挨拶をいただきました。

基調講演では、慶応大学情報環境学部教授 中村修先生と、総務省データ通信課 調査官の五十嵐大和氏がそれぞれ登壇し、中村先生からは、最新の国内外のIPv6普及状況を、五十嵐氏からは、総務省における情報通信政策とIPv6への取り組み、さらにはICANN64神戸会議のご紹介などもいただきました。

静岡の地元企業からの講演として、ヤマハ株式会社 下薗大樹氏からIPv6対応ルーター開発の歴史と最近のIPoE対応についてのお話をいただきました。

もうひとつの静岡枠としては、過去も何度かIPv6 Summitでご登壇いただいている株式会社Geolocation Technologyの風間勇人氏から、コンテンツ事業者におけるIP Geolocationの活用実態とIPv6への対応に関する課題等についてお話がありました。

最後に、中村先生をコーディネーターとしてパネルディスカッションが行われました。パネリストのトップバッターとして、アラクサラネットワーク株式会社 新善文氏が、IPv6仕様策定、実装開発から携わってきた立場から今後のIPv6利用の発展に関する期待をお話いただきました。続いて株式会社TOKAIコミュニケーションズの須田圭一氏から地域の有力ISPとしてIPv6の対応状況についてご説明いただき、静岡大学の長谷川孝博氏からは大学のネットワーク、システム運用の現状とIPv6対応への課題を共有いただきました。その後、総務省の五十嵐氏を交えながらのディスカッションが行われました。主にIPv6導入に向けた課題としてセキュリティに関する懸念があげられましたが、基本的にはIPv4、IPv6ともに対応するポイントに大きな違いはないこと、また実践的な運用を重ねていくことの重要性などが議論を進める中で確認されました。

 
コーディネーターの中村先生(写真左)とパネリスト(写真右、左から五十嵐氏、新氏、須田氏、長谷川氏)

地域におけるIPv6普及促進、啓発というIPv6 Summitの狙いにぴったりハマった内容のパネルディスカッションになったのではないかと思います。

IPv6対応セミナー

IPv6対応セミナーは1日目(2月14日)の午前に座学セミナー、2日目(15日)にハンズオンセミナーという構成で実施しました。

1日目の座学セミナーは、NTTコミュニケーションズ株式会社 西塚要氏に講師を務めていただき、IPv6のプロトコル仕様、アドレス分配方式、運用/構築の基礎的な解説する「入門IPv6」でした。40名以上の方が受講され、熱心に耳を傾けていました。

座学セミナーの様子。みなさん熱心に受講くださいました

2日目のハンズオンセミナーは、受講者数を16名程度に絞って実践的な設定、構築を体験していただくものです。

午前はネットワーク編として、シスコシステムズ合同会社の服部亜紀子氏が講師となり、午後は、株式会社IoTスクェアの許先明氏にサーバ編を講義していただきました。


ハンズオンセミナーは、午前のネットワーク編(写真左)と午後のネットワーク編(写真右)で実践的な課題に挑戦してもらいました

受講者の中には、講師が用意した課題をどんどんこなして、先に進んでいく人もいれば、「ハマるポイント」にキチンとハマってティーチングアシスタントの手を借りつつ一歩一歩進めていく人もいましたが、皆さん限られた中でも充実した時間をすごしていただいたように思います。

懇親会とまとめ

1日目の終了後には、登壇者、セミナー講師、各主催団体関係者と参加者を交えた懇親会を開催しました。

IPv6対応セミナーをJPNICが単独で開催する場合は、懇親会まで残られる参加者はごく一部に限られるケースも多かったのですが、今回は地元コミュニティが主催いただいていることもあり、多くの方にご参加いただき、とても盛り上がった懇親会となりました。JPNICとしても地域の方々と交流する良い機会となりました。

最後になりますが、今回開催に多大なご尽力をいただいたNPO法人ふじのくに情報ネットワーク機構様にあらためて感謝したいと思います。

 

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2019年3月2日(土)に、IPv6 1day技術セミナー(札幌)~基礎技術解説からサーバ構築実践まで~を開催いたします。お近くの方はこの機会にぜひご参加ください。定員16名とお席に限りがございますので、お早めにお申し込みくださるようお願い申し上げます。

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