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JP-DRP裁定例研究専門家チームのご紹介

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JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)とは、不正の目的によるJPドメイン名の登録または使用があった場合に、権利者からの申立てに基づいてそのドメイン名を取消または移転するための紛争処理手続のことです。JPNICは、JP-DRPおよびその手続規則を2000年に制定し、これまでに前者は5回、後者は6回改訂してきました。JP-DRPに基づく裁定は日本知的財産仲裁センター(JIPAC)が下しており、裁定に基づき実際にJPドメイン名を取り消したり移転したりする作業(裁定の実施)は、.JPのレジストリ(登録管理組織)である株式会社日本レジストリサービス(JPRS)が行っています。なお、これまでの裁定結果については、JPNICのWebで公開しています。

このJP-DRPに関して、これまでの裁定例について研究を行う、裁定例研究専門家チーム(以下専門家チーム)が2017年度後半に設立され、検討が開始されました。チームメンバーは知的財産法などに詳しい弁護士・弁理士の中から選ばれています。

専門家チーム会合の模様

専門家チーム会合の模様

JP-DRPの裁定例について検討を行う、専門家チームの設立は今回が初めてではなく、前回は2004年度~2005年度にかけて専門家チームが設立され、検討が行われました。その検討の成果は約200ページに上る報告書として発行するとともに、2006年にワークショップおよびシンポジウムが開催されました。前回の専門家チームによる検討から10年以上が経ち、その間の裁定件数が100件以上となったため、裁定例を研究することでJP-DRPを改良する、具体的には必要があればJP-DRPの改定に繋げる、もしくは運用の改善、つまり裁定を下す紛争処理機関にフィードバックする、などが目標です。

実際の作業としてに専門家チームが行うことは、JP-DRPの紛争処理機関である日本知的財産仲裁センター(JIPAC)において下された裁定のうち、代表的なものを取り上げ、法学的見地から研究することです。

2018年2月16日には、専門家チームの第1回会合が開催され、対象とするJP-DRPの裁定例と分担が決まりました。対象とする裁定例は、前回の専門家チームが検討した2005年以降から、2017年までです。この間に合計115件の裁定が下されていますが、その中から23件を選んで、専門家チームメンバー間で分担していただきました。同4月3日の第2回会合では、分担した裁定例のうちおよそ半分について、各メンバーより作成された評釈をご発表いただきました。各メンバーによる発表の後は、専門家チームメンバー間でさまざまな論点について議論が行われました。個別事件の事実を追った後、評釈をしていただくわけですが、どれも非常に興味深い内容であり、法曹界を目指したくなる方の気持ちが分かった気がしました。

今後は、2018年6月に第3回会合を実施し、残りの評釈に関する発表および議論を行っていただいた後、報告書の作成を開始するとともに、ワークショップやシンポジウムを実施して広く意見を求める予定です。その後JP-DRP等を変更する必要が生じれば、DRP検討委員会を開催して検討を行うことになります。

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