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IANA移管提案審査結果への反響

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JPNICでも6月10日にアナウンス(*1)しましたが、2016年3月10日(木)に米国商務省電気通信情報局(NTIA)へ提出された、IANA機能の監督権限移管に関する提案について、NTIAによる審査結果が報告書として6月9日(木)に公開されました。報告書では、「提案は移管要件を満たす」ことを示しています。

(*1) NTIAがIANA機能監督権限移管提案への審査報告書を公開 ~米国政府が、提案は移管要件を満たすと判断~

また、これに関連してNTIAは、審査結果に賛同の意を示す人々の声も紹介しています

一方、それより1日前の6月8日に、共和党のTed Cruz議員が上院の商業・科学・運輸委員会に、同じく共和党のSean Duffy議員が下院エネルギー・商業委員会に、IANA契約の維持や.govと.milドメイン名の所有権と監督について規定した「インターネットの自由保護法(Protecting Internet Freedom Act)」という法案を提出しています(両法案の文面は同一です)。

同法案の概要は次の通りです。

  • 本法の成立後に連邦法として定めない限り、NTIAがIANA契約を終了させることを禁止する
  • .govと.milトップレベルドメイン(TLD)の所有権と管理を米国政府が排他的に確保できるように、米国政府がICANNと契約を結ぶ

その際「議会の承認なしにNTIAがIANA契約を失効させることは禁止する」と述べています。さらに、その際のアナウンスではIANA監督権限移管に対する慎重派から寄せられた意見が並んています。

これに対し、NTIAは6月9日に全議員宛レターを送り、その中でIANA監督権限移管の状況を報告するとともに、「IANA監督権限の移管は、.govおよび.mil TLDには影響しない」、そして「.gov, .mil, .edu, .us TLDのICANNによる再委任は米国政府の許可なしには行えない」と述べています。これらの点についてNTIAは、事前にICANNとの間でレターをやり取りして確認しています。

今後、IANA監督権限の移管が順調に進むかどうかについては、移管提案作成関係者は冷静に見守っている段階という印象がありますが、上下両院とも共和党が議席数では優勢なことから、予断を許しません。

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