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RIPE 77でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご紹介

投稿者 ip_team on 2018年10月17日

2018年10月15日(月)~19日(金)の日程で、オランダ・アムステルダムにおいて、RIPE 77ミーティングが開催されています。RIPE NCC (Reseaux IP Europeens Network Coordination Centre)は、世界に五つある地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)のうち、ヨーロッパおよび中東地域を担当するRIRです。

RIPE 77 Webサイト
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APNIC (Asia Pacific Network Information Centre)地域と同様に、RIPE NCC地域においても、IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論は、メーリングリストのほか、オフラインミーティングの場でも行われます。
RIPE 77ミーティングの全体のアジェンダおよびPlenaryセッションの概要は、以下のWebページから参照可能です。

今回のRIPE 76ミーティングでは、以下に記載する合計3点のポリシー提案が議論される予定です。各提案の詳細については紹介を省略しますが、ご興味のある方は、リンク先のページに記載された内容をご確認いただければと思います。

メーリングリストでの議論の内容は、メーリングリストのアーカイブから参照することが可能です。当日は、中継が行われる予定ですので、ご興味を持たれた方はリモートで参加してみてはいかがでしょうか。


■2018-02:Assignment Clarification in IPv6 Policy(IPv6アドレスポリシーにおける割り当ての明確化)

RIPE ポリシーの現状問題点:RIPE-707(セクション2.6)における「割り当て」の定義では、RFC8273に準拠したIPv6アドレスの割り当てについて、ポリシー文書には考慮して記載されていません。

提案の概要:割り当てを受けたIPv6プロバイダ非依存アドレスについて、再割り当てとするケースを明確化することを目的とした提案です。「割り当て先組織によって運用・管理が行なわれているネットワークにおいて、このネットワークに接続する第三者へアドレスを付与することは、再割り当てとみなさない」「ブロードバンドサービスなどの(半)永続的な付与は再割り当てとみなされる」とする内容を、ポリシー文書に追加します。

RIPE 76ミーティングからの変更点:ホットスポット、ポイントツーポイントリンクやVPN、といった具体的な記載を、ネットワークに接続する第三者という表現に改められました。また、ブロードバンドサービスなど継続してアドレスが払い出されるようなケースは、再割り当てとみなされる旨を追記しています。

■2018-05:Publication of Legal Address of Internet Number Resource Holders(IPアドレス・AS番号分配先組織の登記住所の公開)

RIPE ポリシーの現状:RIPEデータベースに登録されている住所関連の情報は、その内容が検証されていません。その組織の登記上の住所ではなく、ネットワーク運用者の拠点となる住所が登録されているケースがあります。

問題点:会社が実際に存在しているかどうか、または従事している人物が実際にその組織に所属しているかどうかの確認が難しい場合もあります。また、法執行機関などによる国境を越えた問い合わせの際にも支障をきたす恐れがあります。

提案の概要: RIPEデータベースに現在登録されている住所関連の情報に加え、登記された住所に関する情報も公開する旨を定めた文書を新規策定します。この文書では、RIPE NCCと契約を締結する組織が割り当てを行った顧客の登記住所を公開することも推奨しています。

■2018-06:RIPE NCC IRR Database Non-Authoritative Route Object Clean-up(RIPE NCCが管理権限を持たないルートオブジェクトの整理)

RIPE ポリシーの現状:ルーティングに関する情報は、(1)RIPE NCCから分配を受けたIPアドレス・AS番号に関する情報が登録されたIRRデータベース、(2)RPKI ROAデータベース、(3)運用者が任意に登録した情報が蓄積されたIRRデータベース、に登録されています。

問題点:上記(3)のデータベースに含まれる情報は、分配先組織によって同意が得られていないまま登録されている可能性があります。意図しないルーティング情報は、ネットワークの運用において問題を引き起こす可能性があります。

提案の概要: 運用者によって上記(3)のIRRデータベースに登録されたルーティングに関するオブジェクトが、5つのRIRのうちのいずれか一つのRIRによって発行されたRPKI ROAと競合する場合、このオブジェクトはRIPE NCCによって削除されなければならない旨を、ポリシー文書に追加します。

■2018-06:RIPE NCC IRR Database Non-Authoritative Route Object Clean-up(RIPE NCCが管理権限を持たないルートオブジェクトの整理)」の提案は、IRR登録情報の正確性向上を目的としていますが、どのRIRでも議論は行われていなかったことから、会場での議論ではどのようなコメントが出されるか、JPNICでも注目しています。

 

以下の写真は、2018年5月にフランス・マルセイユで開催されたRIPE 76ミーティングの様子です。会場が変わると雰囲気もがらっと変わります。




(いずれもRIPE NCCのFacebookページより)


RIPE ミーティングは、管轄地域内のさまざまな場所で開催されています。次回のRIPE 78ミーティングは、2019年5月にアイスランド・レイキャビクにおいて開催が予定されています。RIPE NCCは、ネットワークの運用者コミュティや他の関連団体とも密接に連携をしています。オープンソースソフトウェア、IPv6、DNSやルーティングなど、IPアドレス・AS番号の分配に関連するさまざまな分野についてもワーキンググループが設けられていて、ネットワーク運用に関する話題も多く議論されます。ポリシーに関する最新動向と、ネットワーク運用に関する最新動向を一度に知ることのできる良い機会ですので、一度参加されてみてはいかがでしょうか。